出典:アイワーン | スター☆トゥインクルプリキュア | 東映アニメーション
みんな大好きなアイワーン様は、スター☆トゥインクルプリキュアに登場する敵キャラです。ノットレイダーの偉大なる科学者である一つ目(単眼)の女の子(?)であり、普段は執事としてバケニャーンを連れ添っています。
口調はまさにギャルであり、言動も愛嬌があるため、「意外とかわいいな」「バケニャーンと幸せになれよ」と感じている視聴者も少なくないかと思います。
さて、そんなアイワーンの決め台詞は「イマジネーションを塗り潰せっつーの!」ですが、科学者なのに想像力を塗り潰すとは何事? と思ったのは私だけではないはずです。
この記事は、アイワーン様の抱える矛盾と過去の挫折予想について、設定や作中描写を参考にしつつ書いたものです。とはいっても、本記事はやや妄想成分が多めですので、ご了承ください。
- 科学者にとって想像力は大切なもの
- 想像力を毛嫌いするアイワーン
- 星奈ひかるとアイワーンの対比構造:両者の類似点
- アイワーンの抱える矛盾
- アイワーンは過去に失敗・やらかした経験がある説
- アイワーンは母星から追放された説
- アイワーンは想像力を塗り潰された説
- アイワーンについての考察まとめ
科学者にとって想像力は大切なもの
科学者に求められるのは想像力である、というのはアインシュタインもいっていることです。
Imagination is more important than knowledge. Knowledge is limited. Imagination encircles the world.
想像力は、知識よりも重要だ。
知識には限界がある。
想像力は、世界を包み込む。アインシュタイン
ところが、当のアイワーン様は想像力がたいそうお嫌いな様子。
想像力なんて塗り潰してしまえ!とダークペンをぶん回します。
なぜアイワーン様はそんなにも想像力を毛嫌いしているのでしょうか?
想像力を毛嫌いするアイワーン
考えてみると、他の幹部はそこまで想像力に敵意を抱いているわけではない気がします。
テンジョウは、キュアスターこと星奈ひかるのことを「宇宙のことを何にも分かってないお子ちゃま」と責めます。
カッパードは「星を奪われ、闇にひそんで生きてきた気持ちがお前に分かるか?」と責めます。(スタプリ第11話)
しかし、テンジョウもカッパードも、故郷の星を奪われたことに対する怒りや悲しみは表明していますが、想像力が憎いというような発言はなかったように思います。
一方、アイワーンはキュアスターを責めるときに「勢いだけで、本当は想像力がないっつーの」といっています(第11話)。
さらに、ダークペンを使うときの決め台詞は「イマジネーションを塗り潰せっつーの!」であり、「想像力」「イマジネーション」という言葉に対する執着・憎しみのようなものを感じ取らずにはいられません。
星奈ひかるとアイワーンの対比構造:両者の類似点
想像力といえば星奈ひかるであり、その想像力を塗り潰そうとしているのがアイワーンであるなら、両者は対比の構造にあるといえます。
実際、この2人ってけっこう似ているんですよね。
どこが似ているかというと、次の3点です。
- 自分の興味関心・好奇心に忠実
- 自分の考えを説明するのが苦手
- 想像力という言葉にこだわりがある
キュアスター/星奈ひかるについては改めて説明するまでもない話ですが、アイワーンもダークペンを使うときは周囲に相談したり説明したりしません(あとでバケニャーンに怒られる)。
また、3人合体ノットリガーを作ったときも、まったく了承していないカッパードとテンジョウを勝手にノットリガーにしました(第11話)。
こうしてみると、星奈ひかるとアイワーンはある種の幼児性を抱えているという点ではとても似ているように思うのです。
アイワーンの見た目は一見すると子どもようですし、作中で子ども扱いされるシーンもありました。
これらは、アイワーンを子どものメタファーとして扱い、同じく子どもである星奈ひかるとの対比を際立たせるためのものかもしれません。
(天宮えれな)「何なの?あの生意気な子」
(アイワーン)「あたいは子どもじゃないっつーの!」
出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第6話(C)ABC-A・東映アニメーション
アイワーンと星奈ひかるの違い
ただし、星奈ひかるとアイワーンには決定的な違いがあります。
それは、失敗したときに反省できるか、という点です。
ひかるはララと大喧嘩をしたあと、自分の考えをきちんと言葉にして説明しなかったことを反省し、謝罪をしています(スタプリ第3話)。
また、第10話、第11話では、反省がいきすぎて自己嫌悪の状態にまで陥っていました。
一方、アイワーンはというと、自分の失敗でダークペンを取られてもほとんど反省するそぶりを見せませんし、失敗を繰り返しても懲りずにダークペンを使おうとします。アイワーンは自らの欲望に忠実であり、それこそが最優先事項であることが分かります。
星奈ひかるとアイワーンは、ある種の幼児性を抱えているという点では確かに似ているかもしれませんが、アイワーンは悪い意味での幼児性が強調された存在であるといえます。
アイワーンの抱える矛盾
アイワーンは偉大なる科学者です。あのバケニャーンから「超天才科学者」とも称されていますし(煽りでなければ)、ダークペンを作ってノットリガーを生み出したり八面六臂の活躍をしています(ペンの運び屋としても)。
付け加えていうと、遼じいをノットリガー化させた際には、最終的には負けてしまいダークペンも奪われてしまいましたが、「最初の実験としては十分な成果だっつーの!」ともいっていました(第6話)。
もちろんこの台詞は負け惜しみでしょうが、アイワーンはこうした「実験」をすること自体をけっこう楽しんでいるようにも見受けられます。(マッドサイエンティスト的ともいえる)。
何がいいたいかというと、なんだかんだアイワーンは科学が好きなんじゃないのか、科学や想像力に対する愛憎の念が混じった状態にあるのでは、ということです。
科学に想像力は必須でありますが、アイワーンは想像力を否定している。
だというのに、科学にはこだわりをもっていて、実験を楽しんでいる様子すらある。屈折しているかもしれませんが、そこには紛れもない「好き」という感情がある。
これこそが、アイワーンの抱える矛盾だと思うのです。
アイワーンは過去に失敗・やらかした経験がある説
アイワーンの抱える矛盾がなぜ生じたのか考えると、やはりアイワーンは過去に何かしらの失敗・やらかした経験があるからではないかと思うのです。
おそらく、アイワーンは昔から、故郷の星にいたころか、ずっと科学が大好きだったのでしょう。そのころは純粋に科学が好きで、星奈ひかると同じように「自分は想像力が豊かだ」という自負すらあったかもしれません。
ただ、アイワーンは星奈ひかると同様に、「自分の考えを他者に説明するのが苦手である」という欠点があります。
それは科学者にとっては致命的ともいえる欠点でしょう。どれだけ優れた研究をしていても、理解者を得られなけれれば、せっかくの成果も認めてもらえない可能性がありますし、失敗したときには壮絶に責められることになるからです。
そしてアイワーンは科学実験に失敗・周囲の無理解から、迫害すら受けてきたのかもしれません。
アイワーンは母星から追放された説
カッパードやテンジョウは「故郷の星を奪われた」という描写が散見されていましたが、アイワーンについてはそういう描写があまりなかった気がします。
ひょっとすると、アイワーンは故郷の星を奪われたのではなく、科学実験の失敗や周囲の無理解・差別等によって故郷の星から追い出されたという可能性もあるのではないでしょうか。
「侵略」と「追放」、その人の持つ価値観・世界観を否定するという点では、両者もよく似た性質だともいえます。
アイワーンは想像力を塗り潰された説
カッパードさんは何で他の星を侵略しているのかというと、「奪われたから奪う」のだといっていました(スタプリ11話)。
カッパードさんは母星を侵略された。
だから自分も侵略する。
それが行動原理となっています。
であれば、アイワーンも同じなのではないでしょうか?
つまり、アイワーンは「過去にイマジネーションを塗り潰された」。
だから他人のイマジネーションを塗り潰すのだ、ということです。
アイワーンちゃんの独特な想像力は、他の人々から馬鹿にされたり、気味悪がられたり、ろくなものじゃないと責められたりしていたのかもしれません。
そうだとしたら、ノットレイダーの行動原理は端的にいえば「復讐」。
「やられてきたことをやり返す」ことにあるのだと思います。
アイワーンについての考察まとめ
- 科学には想像力が大切
- アイワーンは優れた科学者だが想像力が嫌い
- アイワーンと星奈ひかるは対比関係にある
- アイワーンは過去に失敗経験があるからこそ想像力を嫌っている説
- アイワーンは母星から追放された説
- アイワーンは過去に想像力を塗り潰された説
キュアソレイユこと天宮えれなは何人のハーフなのか?考察の結果はスペインが有力、次点でアルゼンチン、ペルーでした。
バケニャーンの正体について考えていたら仮説が9つ出てきました。実は女の子説は実際そうだったら面白いなと思っています。
終わりに
アイワーンは、自分の欠点が引き起こした失敗/やらかし経験、あるいは周囲の無理解や差別などから、いろいろなものを失ってしまったんじゃないかなと考えています。「お前の想像力なんてろくなものじゃない」と想像力を塗り潰され、追いやられ、迫害されてきたのでは、と。
だからこそ、想像力を毛嫌いしながらも、本当は好きな科学から離れることはできず、逆に科学を用いて想像力を塗り潰し、自分を迫害した世界に復讐しようとしているのではないか…そんな妄想をしてしまうのです。