ひかララとは、スター☆トゥインクルプリキュアに登場するプリキュアの2人、星奈ひかる/キュアスター(ピンク)と羽衣ララ/キュアミルキー(ミントグリーン)の組み合わせを指します。
スタプリ本編も第12話まで来ました。早いものですね。
12話をかけて、ひかるとララはゆっくりと、しかし確実に、互いの価値観を認め合いながら友情を育んできました。
短いようで長い、長いようで短い道のりでした。
この記事では、そんなひかララがこれまで描いてきた軌跡を、ターニングポイントになった話毎にまとめつつ、要所要所で私個人の感想考察をしたものです。
- ひかララの始まり(第2話)
- ひかララの大喧嘩と仲直り(第3話)
- ひかるの手を握りしめたララ(第6話)
- ララはひかるを知っている(第7話)
- ひかララのキスシーン(第9話)
- 抱き合うひかララ(第10話)
- ひかるを救い出したララ(第11話)
- ひかララのプロポーズ(第12話)
- ひかララの描いてきた軌跡:各話の尊いポイント
ひかララの始まり(第2話)
ひかるとララの関係は、出会ったころはとても良好とはいえませんでした。
価値観の異なる二人は衝突する場面もありましたし、互いの考え方を認めなかったり、尊重しなかったことも多々ありました。
たとえば第2話で、ひかるが無限の世界につれていってくれる本の素晴らしさについて語っているとき、ララはひかるの想像力に関心するどころか、半ば呆れてすらいました。
(ひかる)「本っていいんだよ 色んな所に行けるんだから」
(ララ)「行けるって ワープ機能が?」
(ひかる)「ちがうよ 本を開くと頭の中が楽しい想像でいっぱいになるの
宇宙なんて何十回 何百回も行ってるよ」
(ララ)「オヨ…ただの想像ルン」
想像力は、ひかるにとって大切なものであり、大好きなものでしたが、ララは「理解できない」というように冷たい反応をするだけ。
いまでこそ、ひかララはカーボンナノチューブのような強くてしなやかな関係性を築いていますが、当初はこんな感じだったのです。
それは、初めてひかララが交流した瞬間
また、ララが最初、地球の謎の食べ物・おにぎりに恐れ慄いていたのを覚えているでしょうか? あれはひかるとララが最初の夜を過ごしたときのことです。
そう、ララは最初、おにぎりにすらビビりまくるほどだったのです(第2話)。
このときのララにとって、地球は自分たちの母星とはまったく異なる文明を有する惑星であり、そこに住む地球人は未知なる存在でありました。
ララの衝撃たるや、私たちが外国に行ったときなどとは比べ物にならないものだったでしょう。
ララは、未知なる存在である地球人とその文化・価値観に対して、当初は不安と恐れを抱いていました。
そのことは、第2話で石ころのような謎の食べ物・おにぎりを見て青ざめていた場面からもうかがえます。
ところで、第1話でカッパードさんがいっていた「恐怖は思考を停止する」という名言がありました。
おにぎりを前にして「恐怖」したララは、一瞬、思考停止状態に陥ります。
(ララ)「石を食べるルン?」
(ひかる)「いや まぁ 形はよくないけどおいしいよ!」
(ララ)「うぅ…だ…大丈夫ルン」
しかし、ひかるはあまり気にすることなく、むしろララの持っている「コスモグミ」を食べたいと言い出します。
コスモグミは、地球人とっては異星人の食事であり、ララがおにぎりに対して抱いたような恐怖を覚えてもおかしくはありませんでした。
しかし、知らないもの、未知なる存在に対して恐怖ではなく好奇心を抱くのが、星奈ひかるというキャラクターであります。
ひかるは恐れることなくコスモグミを食べて、「おいしい!」というわけです。
そして、「決めつけはなしだよ」といって、ララにおにぎりを差し出すひかる。
そこまでされたら、ララも食べないわけにはいきません。勇気を出して、一口。そして案外おいしいことに驚き、顔をほころばせます。まさしく、はじめてお互いの価値観が共有されたときでした。
ひかララという尊い物語は、ここから始まるわけです。
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ひかララの大喧嘩と仲直り(第3話)
ひかるから「ララちゃん」と呼ばれていたとき、初期のララは「やめるルン!」といって拒絶の意を示していましたね。
ララ「前から言おうと思っていたルン その『ちゃん』づけやめるルン! わたしは大人ルン!」
出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第3話
星奈ひかるは、スターカラーペンを探すのに分析が必要だというララの考えをないがしろにして、ろくに説明もしないまま自分の考えを押し付けようとしていました。
ララもララで、自分の考えを説明せず、一見衝動的に見えるひかるの行動を理解しようともせず、ひかるの言動を否定してばかりでした。
その結果、二人は絶対にいってはいけない言葉を発する寸前の大喧嘩に至ります。
ノットレイダーとの戦闘シーンにおいては、ひかるは最初、自分一人で突っ込むわけですが、あえなく返り討ち遭ってしまいます。
自分一人の力では勝てない。
そのことを察したひかるは、あれだけ文句をいっていたララに対して助けを求めます。ノットレイダーを倒すために、自分が必要ないといっていた「分析」をしてほしいと求めるのです。
星奈ひかるは、自分と異なるララの価値観を受容したわけです。
ノットレイダーを倒す決め手となった「手繋ぎ攻撃」も如実に物語っていましたが、互いに互いのことを認め合い、協力できたからこそノットレイダーを倒すことができました。
それが第3話で、「大喧嘩」を経て、「ひかるがララに価値観を受容したこと」により、二人は晴れて「ひかる」「ララ」の仲になりました。
その方が効率的ルン、と少し照れるララはかわいかったですね。
(触覚がひかるの手元に触れる)
ひかる「ララ… ちゃん?」
ララ「ララでいいルン。そのほうが効率的ルン」
留意しておくべき点は、第3話の時点では、ひかるはララの価値観を受容したものの、依然としてララはひかるの価値観を受容するまでには至っていなかったということです。
ひかるの手を握りしめたララ(第6話)
そして第6話、再びひかララ回。
ロケット修理に行き詰まり、ストレスをため込むララ。
そんなララを心配したひかるは、気分転換のためにララを天文台デートに誘いますが、ララは「遊んでる場合じゃないルン!」といってご機嫌斜めです。
そう、このときのララは、ひかるがなぜ自分を天文台につれてきたのか、その真意を理解していませんし、理解しようともしていませんでした。
ララは自分が大人であると自認しており、大人の責任を帯びていたというのももちろんあります。
しかし、それ以上にララは自分のこと、やらなければならないことで頭がいっぱいであり、他人の考えに思いを寄せるほどの余裕もなかったのでしょう。
ノットレイダーとの戦闘になったときも、最初、ララは自分一人で相手を倒そうと突っ込みましたが、あえなく反撃を受けてやられてしまいます。
しかし、そんなときにララを助けに来たのはキュアスターでした。
ララはそのときになってようやく気付くのです。
周囲には、自分に手を差し伸べてくれる仲間がいることを。
その手を握り返すことは、恥ではない。
むしろ、そんな大切な仲間がいることは誇るべきことなのだ、と。
ララは己の弱さを、自分一人ではできないことを認め、キュアスターたちに助けを求めます。
第3話ではひかるがララに手を貸してほしいと求め、第6話ではララがひかるに助けを求めたのです。
この美しい対比構造には、涙を禁じえなかった方も少なくないはずです。(私は号泣)
ララはひかるを知っている(第7話)
スタプリ第7話、これがまた最高に尊い回でした。
みんなで協力してロケットの修理をする回ですが、なかなか思うように作業がはかどりません。
そんなとき、ララが「何してるルン?」と背後から現れます。
このとき、私はララが(遊んでいるように見える)ひかるのことを怒って、また喧嘩になるのではないかとハラハラしていました。
実際、ひかるがお絵かきしていることを認識したプルンスは、「大事なトゥインクルブックに何してるでプルンス!」といってひかるを叱りつけていますからね。
しかし、そんな心配は杞憂でした。
ララはひかるのことを怒らないどころか、怒るそぶりすら見せませんでした。「何してるルン?」と尋ねたララは、じっとひかるのことを見つめて、ひかるが自分の考えを説明するのを待っていたのです。
第3話、第6話の喧嘩を乗り越えたことにより、ララは星奈ひかるのことを理解し始めていました。ひかるの行動は、一見すると突発的で自分勝手に思えるものの、実は誰よりもみんなのことを考えているのだと、分かり始めていました。
これが尊いといわずにいられますか? いいえ、いられません(反語)
ひかララのキスシーン(第9話)
スタプリ第9話、問題のひかララのキスシーンがあった回です。
え? そんなのなかった?
ムゲンダイマジネーションがあれば見えるはず!(以下略)
※私の妄言を詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
先に謝っておきます。すみません。言い訳だけさせてください。ほとんど寝てなくて、眠気がマッハだったんです、この日。
抱き合うひかララ(第10話)
第10話では、第9話を棒高跳びで飛び越えるような衝撃シーンがありました。ピンチに陥ったひかるを、ララが助けたときのシーンです。
スタプリスタッフ、ぜったいに狙っていますね、これは。
この描写に関しては、あまりあれこれを口を出すのも野暮というものでしょう。
ひかるを救い出したララ(第11話)
続く第11話、誇りでもあり支えでもあった「想像力」を否定され、ひとりぼっちの世界に放り出されたひかる。
そんなひかるを救い出したのも、ララでした。
(ララ)そんなことないルン!
ララが放ったのは、魂の叫びでした。
スターの想像力はすごいルン、とララはいいます。
それはお世辞や慰めなどでは決してありません。
ひかるの、他者を、世界を、宇宙を想像する力。
その想像力によって、他でもないララ自身が救われてきたからです。
ララの魂の叫びにより、ひとりぼっちの世界からララたちのいる場所へと戻ってきたキュアスターは、ララたちにいいます。みんな、ありがとう、と。涙を流しながら。
ここで、少し意地悪ではありますが、第2話を振り返っていただきたいんです。
前述したとおり、「本ってすごいんだよ!色んなところにいけるから」というひかるに対して、ララは「ただの想像力ルン」と呆れていました。
初期のララは、ひかるの想像力をすごいだなんてこれっぽっちも思っていなかったのです。
そのララが、「スターの想像力はすごいルン!」と叫び、ひかるを救い出した。控え目にいって、めちゃくちゃ尊いと思いませんか?
ひかララのプロポーズ(第12話)
ひかララの集大成ともいうべき第12話。
ひかるがララの名付け親になるという、名前を与えるという意味では、これはもはやプロポーズといっても過言ではありません。
ララは異星人であり、いずれは母星であるサマーン星に帰らなければならないときがくるでしょう。もしかしたら、何らかの事態によって、もう二度と会えなくなるという展開になるかもしれません。
いいえ、そうはならないはずです。
その根拠は、第12話で、映画の筋書=運命に抗ったひかるの決心です。何が何でもララとお別れなんて嫌だと、ずっと一緒にいたいと叫ぶその熱い決意です。
ひかるなら、もしララが遠くに行ってしまったとしても、くじけずに、めげずに、諦めずに、どれだけの労力をかけてでも、どれだけの時間をかけてでも、ララを諦めることはないはずです。
キュアップ・ラパパ。ララに会いたい。
奇跡の魔法は、もしかしたらSF要素の強いスタプリには存在しないかもしれません。
だとしても。
ひかるなら超光速のマシンを発明してでも、ワームホールを利用した空間転移装置を開発してでも、なんとしてでも、ララのもとに会いに行くのでしょう。
二人の出会いは、ひかるの想像力が引き寄せたものでした。
だから、もし二人が遠く引き離されてしまったとしても。
ひかるの想像力が、きっと再開を果たしてくれるはずです。
ひかララの描いてきた軌跡:各話の尊いポイント
- ひかるの想像力がララたちをカッパードの魔の手から救った(第1話)
- ひかるがララをプリキュアにした(第2話)
- 二人で大喧嘩して仲直り、「ひかる」「ララ」の呼び捨ての仲になる(第3話)
- 慣れた手つきで触覚の挨拶を交わす(第4話)
- ひかるのおにぎりは最高ルンというラブラブの会話(第5話)
- ひとりですべてを背負おうとしているララにひかるが手を差し伸べた(第6話)
- 故障していたララのロケットをみんなの素敵なロケットに変えた(第7話)
- ひかララのキスシーン(第9話)
- ひかララの抱き合うシーン(第10話)
- 心の支えを失い絶望したひかるをララが救い出す(第11話)
- 「ずっと一緒にいたい」とお互いに告白をした後、ひかるがララに名前を与えるというプロポーズ(第12話)
こうして改めて振り返ってみると、やっぱりいいですね、ひかララ。
ひかるとララが「大切な関係」になるまでの過程やその描写は本当に素晴らしくて、そんな二人を見るたびに私は、あ、生まれてよかったな、と、ウルトラハッピーな気分でいっぱいになります。
ひかララを生み出してくれたスタッフの方々、スタッフの方々を生み出してくれた地球、そして地球を生み出してくれたこの大宇宙に敬意と感謝の念を込めて。
ありがとうございます。
記事の最初に、キュアミルキーのイメージカラーがミントグリーンだと表記しましたが、その根拠はこちらに書いています。
香久矢まどかさんもとても好きなキャラクターです。
闇落ちしてくれないかなという希望を込めて書きました。