金色の昼下がり

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「過去と他人は変えられないが、未来と自分は変えられる」名言の出典はエリック・バーンではない

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 「過去と他人は変えられない。しかし、今ここから始まる未来と自分は変えられる」

 

 この言葉を耳にしたことのある方は、少なくないかと思います。では、この名言はいったい誰のものなのでしょうか?

 

 結論から先に言いますと、出典が明記されているものがなく、「不明」です。

 不明である根拠は以下の通りです。

 

※トップ画像はKrzysztof Pluta氏によるPixabayからの画像(フリー)

 

 

 

エリック・バーンやウィリアム・グラッサーの名言?

 ネットで調べてみると、この名言は、エリック・バーンというカナダ出身の精神科医、あるいはウィリアム・グラッサーというアメリカ出身の精神科医のものだという言説が流布されています。

 

 しかし、それらのサイトでは、具体的にどのような文献が元になっているのか、「出典」の記載がありません(数が多いのですべてを確認したわけではありません)。

 

 出典がない以上、本当のことなのか判断することができません。

 

レファレンス協同データベースで調べてみた

 というわけで、「レファレンス協同データベース」で調べてみました。

 このデータベースは、国立国会図書館が全国の図書館等と協同で構築しているものであり、絶対に正しいとは言いませんが、少なくとも個人のサイトなどと比較すれば信憑性は高いと言えます。

 

レファレンス協同データベース事業とは
レファレンス協同データベースは、国立国会図書館が、全国の公共図書館、大学図書館、専門図書館等と協同で構築しているデータベースです。事業に参加する図書館が、一般の方々の情報探索に役立つような情報、図書館員のレファレンス業務に役立つような情報を、日々登録しています。詳しくは事業概要をご覧ください。

引用:レファレンス協同データベース・システム操作マニュアル(一般利用者用)

 

結論:「不明」

 レファレンス協同データベースの回答としては、「この名言の出典について、エリック・バーンやウィリアム・グラッサーの書籍などを含めてたくさん探しましたが、見つかりませんでした」というものです。

 

「過去と他人は変えられない。しかし、今ここから始まる未来と自分は変えられる」という言葉について、下記の資料の目次、索引等を通覧しましたが、出典に関する情報は確認できませんでした。また、ご照会の言葉がエリック・バーン氏又はウィリアム・グラッサー氏によるものであるかどうかも確認できませんでした。

 

 ↓出典はこちらです↓

crd.ndl.go.jp

 

 レファレンス協同データベース、Twitterもやっていました。

twitter.com

 

 ネットで流れている言説は、往々にして出典が明記されていないものがあります。出典がないということは、根拠が提示されてないということです。根拠が提示されていないということは、信憑性が低いということです。

 

 出典の確認は面倒ですが、自分の探していた回答を見つけたときに「出典はどこなんだろう?」と考えるくせを持っておくといいかもしれません(私もサボりがちですが)

 

 最後になりましたが、もしこの名言の出典をご存知の方がいらっしゃれば、教えていただけると嬉しいです。私も好きな言葉なので…。

 

 トウガラシはなぜ赤くて辛いのか? という記事です。

www.konjikiblog.com

 

 宇宙はなぜ「暗い」のか? という記事です。

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