スタプリ14話、紛うことなきえれまど回えれなさんがカッコいい回でしたが、その裏でララも輝いていた回でもありました。
今回扱われていたテーマも決して軽いものではなかったですが、直接的な言い回しをせずに子どもたちに分かりやすく伝えようとしている点はすごいなと改めて思いました。さすがスタプリです。
この記事は、スター☆トゥインクルプリキュア第14話の感想や考察および分析をしたものです。ネタバレがありますので、未視聴の方はご注意くださいませ。
ひかるたちはえれなのホームパーティに誘われる。
笑顔に溢れたパーティのさなか、とうまが浮かない顔で出て行ってしまい……出典:TVer公式サイト
- 何気ないまどかの日常描写が尊い
- まどかはえれなのことを一番考えている
- 異文化への順応が超早い:星奈ひかるの順応性
- ひかるはひかるでとうま君を心配している
- とうま君は「笑顔」を守る:えれなやパパ達と同じ
- 無意識な被害者化、無自覚な加害者化
- ひかるに救われたララがとうまを救う時:「違う」ことは「変」ではない
- ララの回想にはいつもひかるがいる(尊い)
- スタプリ第14話まとめ(前編)
何気ないまどかの日常描写が尊い
事情を知らない人からすると、なんの変哲もない日常の風景のように見えるこのシーン。しかし、香久矢まどかにとってこれは「普通」の日常ではなく、つい最近ようやく手にすることのできたかけがえのない日常です。
このなんてことのない日常を送れるようになったのは、ひとえに星奈ひかるさんのおかげです。あの時(スタプリ第9話)、ひかるがまどかの手を引いたからこそ、「まどかが当たり前のように商店街に行くシーン」が生まれたのです。
まどかさんが楽しそうで、本当に嬉しいです(目を腫らしながら)
まどかはえれなのことを一番考えている
最近ひかララ回が続いていたこともあってか、今回はえれまどが魅力的な回でした。
というのも、天宮えれなのことをいちばん考えているのは香久矢まどかである、ということが公式によって明確に描写されていたからです。
その証拠に、次のカットをご覧ください。
とうま君が浮かない顔をして出て行ったときのカットです。
ひかるとララは何が起こったのかいまいちピンときていない表情をしています。
しかし、まどかは違います。まどかだけ、眉をひそめて何かを考えこむ表情が映されます。
その直後、「パーティをするからみんなもおいでよ」とえれなのパパママから誘われたとき、ひかるとララは無邪気に喜びますが、やはりまどかだけは異なります。この引きつった笑みを見てください。
そしてこうです。
出て行ったとうま君のことが気になってしかたがない。
まどかさんだけが、天宮家に起きている異変に気付いているのです。
続く、帰り道のシーンではそれがもっと顕著に表現されています。
ひかるとララは楽しいひと時を過ごせてご満悦な様子ですが、えれなとまどかは違います。二人そろって浮かない顔をしています。
まどか「とうまくんは何か心配事でもあるのでしょうか」
えれなは弟のとうま君のことが心配でしかたないように、まどかもまたとうま君とえれなのことが心配でたまらないのです。
まどかは誰よりもえれなのことを考えているからこそ、このような考えに至ることができたわけです。
これはもう、公式によるえれまどの猛烈なプッシュといわざるを得ません。えれまどいいよえれまど。
異文化への順応が超早い:星奈ひかるの順応性
えれなママ「『グラシアス』はありがとう 『セニョリータ』は『お嬢さん』って意味よ」
(中略)
えれな「みんな すわって すわって」
ひかる「グラシアス」
宇宙に関しては博識なひかるもスペイン語は守備範囲ではなかったようで、「グラシアスってどういう意味?」というような反応をします。
えれなのママからグラシアスの意味を教えてもらってからものの数十秒後、ひかるは「座って座って」といってくれたえれなに「グラシアス」と応えます。
この順応性の高さったら。
ひかるが異文化に対して誰よりも興味を示し順応していく様子は、ケンネル星に行った時(スタプリ第8話)にも描かれていましたが、さすがひかるさんですね。
私はひかるさんのこういうところが大好きです。ひかるさんまじキラやば。
↑人間には不可能と思われるケンネル流の挨拶を率先してやろうとした 星奈ひかるさん。
ひかるはひかるでとうま君を心配している
とうま君の異変に真っ先に気付いたのは、当事者であるえれなと(えれなのことが大好きな)まどかでしたが、遅れて気付いたひかるも黙って見ていたわけではありません。
ひかるはひかるで、元気のないとうま君を笑顔にしたいと思う一心で、よりパーティを盛り上げようと仮装を提案します。
ひかるという子は、どこまで優しいのでしょう。
今回は友達の家庭問題(事情がまったく分からない)ということもあって、ひかるさんの試みは空振りしてしまうわけですが、こんなところでもひかるさんの他者を想う気持ちの強さを知ることができます。
(あとララは何をやってもかわいいですね。ズルい)
今回、ひかるさんはとうま君の悩みを直接的に解決することはできませんでしたが、見方を変えると、間接的にとうま君を救っていたともいえます。(詳しくは後述)。
とうま君は「笑顔」を守る:えれなやパパ達と同じ
もっと普通の家族がよかった、といって家を飛び出したとうま君。
自分のことを追いかけてきたララを見たときも、一目散に逃げていきます。
しかし、ララが転んだのを見たとき、とうま君は捕まってしまうことを恐れず、ララのもとに駆け寄って手を差し伸べます。一切の躊躇もなく、です。
とうま君には、「みんなの笑顔を守る」というえれなの血が、「笑顔を大切に」というパパやママの血が、間違いなく流れているのだと示されたシーンでした。
これは、とうま君が家族のことを心底嫌っていたらできなかった行動でしょう。
とうま君は、本当は自分の家族が大好きで、笑顔を大切にしている家族のことを心からリスペクトしている、だからこそ、ララを助けに駆け寄ったわけです。
さらっと描かれていますが、とうま君の人間性をありありと知ることのできる、素敵なシーンでした。
無意識な被害者化、無自覚な加害者化
ララ 「それで触覚ダンスをするルンこうやるルン」
とうま「変なの」
ララ 「わたしには触覚がないほうが変ルン」ララ 「今まで色んなほ…じゃなくて国を旅してきたルン みんなちがったルン でもみんな変じゃないルン」
今回の話でうまいなあと思ったのは、「家族が踊っているの、すごいな」といわれて傷ついたとうま君に、ララの触覚ダンスのことを「変なの」といわせたところです。
さっきまでは被害者として描かれていた彼が、一瞬にして加害者になりかけるのです。
ただし、そもそも友達はとうま君のことを傷付けようとしていったわけではありません。とうま君もララのことを傷付けようとしていったわけではありません。
とうま君は無意識に被害者化して、無自覚に加害者になりかけたのです。
ララから「わたしには触覚がないほうが変ルン」といわれたとき、とうま君はようやく気付きます。
自分の言動は、友達が自分に対して放ったものと同じ、いや、それ以上に「相手を傷つけかねない言葉」だったのだ、と。
また、ララがこの時、とうま君に問題の本質を伝えるために「変」という言葉をあえて使ったのも良かったですね。
本当はララが「触覚がない方が変」だなんて思っていないことは、そのにこやかな表情や、直後の台詞「みんなちがったルン でもみんな変じゃないルン」からも明らかです。
(あと、このララの表情かわいすぎませんか。いえ、いつものことなんですが)
ひかるに救われたララがとうまを救う時:「違う」ことは「変」ではない
ララはいいます。色んな星を旅したけれど、みんな違ったと。でも、みんな変じゃないのだと。
地球において、誰よりも「違う」ララだからこそ圧倒的な説得力を持つ言葉です。
前回のスタプリ13話にて、ララがカルノリ君から「変わってるな」といわれたとき、ララはひどく傷付きました。
そうです。
とうま君から「変なの」といわれたとき、以前までのララなら心に傷を負ったはずです。ゆがんだイマジネーションに囚われて、自分の「らしさ」を捨て去ろうとしていたかもしれません。
しかし、ララはもう、前までのララではありません。
ララは「変わっている」という人がみんな「悪意」を持っているわけではないことを理解していますし、単に他人と違うからといって「恥ずべきこと」とではないのだということを知っています。
- 「違うことは変ではない」
- 「みんな違ってみんないい」
とスタプリは子どもたちに熱く語りかけるわけです。
(金子みすゞの詩『私と小鳥と鈴と』を思い起こすようですね)
ところで、ララにこれらのことを教えてあげたのは誰でしょうか?
それはもちろん、我らがピンク、ララの大親友たる星奈ひかるさんであります。
ひかるに救われたララが、同じような悩みを抱えるとうま君を救いました。
ひかるの想像力が、ララを、とうま君をつなげたわけです。
これってまるで、星座のつながりのようだとは思いませんか?
ララの回想にはいつもひかるがいる(尊い)
かたい話が続いてしまったので、ここでちょっとララの回想シーンを見てほしいんです。これがまた本当に尊かったんですよ。
おわかりいただけたでしょうか?
ほとんどのシーンにおいて、ひかるの姿が映っているのです。(3枚目に映っているのはひかるの足)
回想シーンはぜんぶで5カットあるんですが、そのうち4カットでひかるが登場しています(残りの1つはケンネル星人の3人だけが映っているカット)。
ララの思い起こす場面にはいつもひかるの姿があることが、ララの頭のなかはひかるのことでいっぱいだということが如実に示された瞬間でした。
なんだこれ。スーパー尊い…。
スタプリ第14話まとめ(前編)
- まどかが当たり前に商店街にいることが嬉しい
- まどかは誰よりもいちばんえれなのことを見ている
- ひかるはやっぱり順応性が抜群
- ひかるはひかるでとうま君を心配していて素敵
- とうま君は「笑顔」を大切にする家族のことが本当は大好き
- とうま君は無意識に被害者化し、無自覚に被害者化しかけた
- 「違う」ことは「変」ではないという子どもたちに向けられた熱いメッセージ
- ララの回想にはいつもひかるがいる
- ひかるに救われたからこそ、ララはとうま君を救えた
前回スタプリ第13話の感想や考察、分析をした記事です。
ひかるさんのララの救い方は見事という他なく、涙で画面が見れませんでした。
同じくスタプリ第13話、カッパードさんのイケメンバンクの紹介です。
めちゃくちゃかっこよかったので迸る感情に任せて書きました。後悔はしていません。
えれなさん回であるはずなのに、ぜんぜんえれなさんことについて語れなかったので、後編の記事ではえれなさんのことをもう少し掘り下げて書きました。
長々と読んでいただき、誠にありがとうございました。
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