スタプリ16話、前回に続いてまどかさんがハイパーカッコいい回でしたね。
そしてまどかパパの魅力に心を奪われてしまった方も少なくないと思います。
この記事はスター☆トゥインクルプリキュア16話の感想・考察・分析をしたものです。ネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。
- まどかが戦うのは父のため?
- 香久矢冬貴はまどかの秘密を察している
- スタプリ良演出:ガラスに映る自分を見つめて
- 香久矢冬貴はまどかのことを見ている
- 頼れるのは自分だけだが1人ではない
- スタプリ16話 感想考察まとめ
まどかが戦うのは父のため?
まどか「わたくしも勝ちたいです 父のために」
まどかさんの口から「父のため」という言葉が飛び出しました。
この言葉を聞いた瞬間、やっぱりまどかさんは父親である冬貴に心を囚われているのか…と心配になった方も少なくないはずです。
しかし、まどかさんの心情を考えると、確かにそういったネガティブな見方もあるかもしれませんが、それだけでは説明できないことが分かります。
まどかさんのプリキュア活動は、冬貴の宇宙人調査と真っ向から対立するものです。
映画撮影といって宇宙人の存在を誤魔化したスタプリ12話、はじめてプリキュアになったスタプリ5話では、「隠す」だけではなく、冬貴に対して「積極的な嘘」を吐きました。
しかも、今回語られたことですが、冬貴は仕事の後、夜遅くまで宇宙人調査をしていたようです。
その熱心さをもっとも近い場所から知るまどかさんは、父親である冬貴の「想い」を身に染みて理解しているはずです。
プリキュアの力の源は「大切なものに対する想い」ですが、まどかさんは冬貴の「想い」を否定し続けているようなわけで、まどかさんはプリキュアになってからずっと、その矛盾と戦い続けているのです。
であれば、「父に自分の誇れる姿を見せてあげたい」と願うまどかさんの想いは、確かに父に囚われている面もあるかもしれませんが、それ以上に、尊敬する父のことを元気付けたいという面もあるのではないでしょうか。
そう考えると、「父のため」という言葉にも、ネガティブな面だけではない、ポジティブな面が見えてくるように思うのです。
また、子は親に似るといいますが、まどかさんが冬貴に自分の誇れる姿を見せようと頑張っているのと同じように、冬貴もまどかさんに自分の誇れる姿を見せようと頑張っているのかもしれませんね。想像するとめっちゃ尊いなこれ。
まどかさんが冬貴のことをリスペクトしていることは、オークションのときにも描かれていました(スタプリ15話)
あのときのオークションは、冬貴からの教えがなければ制することはできなかったでしょう。冬貴がまどかさんの力になっていることが明確に描写された、素敵な回でした。
香久矢冬貴はまどかの秘密を察している
部下「しかしこれが映画の撮影とは…」
冬樹「そんなわけがないだろう」
まどかの父親・冬貴は聡明な人物です。
これらが映画の撮影だなんて、微塵も信じていなかったことが明かされます(スタプリ12話)
ところで、皆さんは香久矢家の教訓を覚えているでしょうか?
「香久矢の家に秘密はない」
冬貴は、職務上得た機密情報すら家族に包み隠さず話していた通り、このルールを厳格に守っていますし、まどかさんにも守るよう命じています(スタプリ5話)
冬貴が「映画の撮影」だという嘘を見抜いてたとすると、彼はまどかさんが何らかの秘密を抱えていることも薄々分かっているはずです。
しかし、冬貴は娘のことを詮索することはしません。
彼は、まどかの姿をじっと見守り続けます。
これはまさに、冬貴がまどかのことを信頼している何よりの証ではないでしょうか。
いつか、来るべき時が来たら、娘は必ず自分に話をするはずだーー。
香久矢冬貴という父親は、そんなことを考えているのかもしれません。
スタプリ12話の振り返り。
この12話があったので、私はスタプリの最終話についてはある程度楽観視するとともに、既に泣く準備をしています。
スタプリ良演出:ガラスに映る自分を見つめて
まどか「今年は初出場の選手が気になります」
他の選手(那須さん)のことを気にするまどかさん。
ガラスには二人の顔が映っています。
さて、そんなまどかさんに対して、父・冬貴は何といったか?
次のカットをご覧ください。
冬貴「弓道は自分と向き合い 自分を鍛える武道 最後に頼れるのもまた 自分だけだ」
弓道は自分と向き合う武道。
冬貴は、ガラスに反射する自分と向かいながら話します。
すると、今度はそれを聞いたまどかさんが、ガラスに映る自分と向き合うわけです。
細かい演出ですが、スタプリのこういう描写が私は大好きです。
スタプリではこういった秀逸な心理描写がたくさんありまして、たとえばスタプリ13話の「坂の演出」も私はすごく好きです。
香久矢冬貴はまどかのことを見ている
冬貴ははじめて登場したときこそ、旧価値観で娘を縛る「いずれ乗り越えなければならない存在」という印象の強いキャラクターでしたが、回を増すごとに冬貴の人間性が明らかになってきて面白いですね。
冬貴はまどかさんに厳しい言葉を投げますが、決して冷たいわけではありません。冬貴の言動には、娘を想う「温かみ」が確かに内包されています。
特にスタプリ16話では、冬貴のまどかさんに対する「温かみ」が随所に散りばめられていました。
具体的に列挙していきます。
まどかのことをググる冬貴
部下「あっ ところで すごいですね 局長のお嬢さん 弓道王大会 優勝最有力候補ってネットでも話題になっていますよ」
冬貴「そのようだな」
部下から賞賛の声をもらうも、冬貴はつれない返事です。
そのようだな、と一言いうだけです。
おいおい、やっぱり冬貴は冷たいじゃないか…と、思う方もいるかもしれませんが、ちょっと待ってください。よく考えたらこれ、めっちゃ尊いんですよ。
部下の言葉に注目してください。
彼はまどかさんが「ネットで話題になっていますよ」といってますよね?
まどかさんが話題になっているのは、偶然目に入る「テレビ」ではなく、能動的に調べなければ決して見ることのできない「ネット」。
つまり、冬貴は、まどかさんのことをググってるんですよ。
冬貴の検索履歴はきっとこうなっているはずです。
- 「香久矢まどか 弓道王大会」
- 「香久矢まどか 弓道王大会 優勝」
- 「弓道王大会 優勝候補 香久矢まどか」
尊い…
なんやこの尊さ。しんでまうで。
堪え切れずに顔を出す冬貴
物語の終盤で、実は冬貴が最初から弓道王大会に来ていたことが明かされます。
香久矢満佳「本当ははじめからいらしてたんでしょう まどかを一人で戦わせるために」
まどかに一人で戦わせるためにわざと不在にしていたのなら、那須さんとの一騎打ちの時にも当然不在にしておくべきだったはずです。
でも、堪え切れず、見に来た。
なんたる矛盾でしょう。
わたしはいつも矛盾の中で生きている、とハグプリのトラウムさんはいいましたが、冬貴もまた、矛盾の中で生きているわけです。
なにこれ尊っ…!
どうでもいいですけど顔をそらしたときにメガネが白く光って表情が見えない演出とか、そらした先にはひかるさんたちがいて、あたかも「自分はまどかの友達を見ようとしただけだ(照れて顔を逸らしたわけではない)」と言い訳するような仕草とか、どれをとっても最高のひとことです。冬貴さん大好き。
頼れるのは自分だけだが1人ではない
冬貴はまどかに対していいます。
弓道で最後に頼れるのは自分1人だけだ、と。
まどかさんも、この言葉を最初は額面通りに受けてしまい、那須さんからの「友達なんかいらない」「あんたは弱くなった」という台詞に揺さぶられます。
しかし、冬貴の真意は「頼れるのは自分1人だけだから友達は不要」ということではありません。そのことは作中で描写されています。
次のカットをご覧ください。
まどかさんが那須さんとの一騎打ちで疲弊しているときのシーンです。
ひかる、えれな、ララたちは必至で祈りを捧げ、応援をしています。
そんなひかるさんたちのことを、冬貴はしっかり視認しています。
そしてまどかさんの矢があたり、優勝が決まったときのシーン。
満佳(まどかママ)「皆さんの応援のおかげね」
冬貴「ああ」
冬貴は、まどかが優勝できたのが「大切な人たちの応援のおかげ」であることを肯定するのです。
それだけではありません。
まどかが最後の矢を放ったとき、そこには大切な人たちの「想い」が確かに込められていました。
それは何も、ひかるやララ、えれなたちだけではありません。
そこには確かに、まどかの両親である冬貴と満佳の「想い」も込められていることがわかります。
これらの描写からも、冬貴が「頼れるのは自分1人だから周囲の支えは不要」と考えていないことは明白です。
弓を引くとき、確かにまどかさんが頼れるのは自分だけかもしれません。
しかし、大切な人たちからの支えなしでは、まどかさんはそこに立つことはできなかったでしょうし、自分自身の力を信じることもできなかったでしょう。
まどかの矢に込められた、大切な人たちの「想い」。
冬貴はそれを否定せず、肯定するのです。
そしてまどかは1になる
まどかさんの選手番号は1番でした。
それは、もしかすると「1人」と1にもなりえたかもしれません。
しかし、ひかるさんたちや冬貴たちの「想い」が、そしてまどかさんの自分を信じる「想い」が、それを「1位」の1にしたのです。
スタプリ16話 感想考察まとめ
- 今回まどかが戦うのは「父のため」といっていたが、ネガティブな面だけではない
- 冬貴はまどかの秘密を察しているが詮索はしない
- ガラスに映る自分を見つめる描写が秀逸
- 冬貴はまどかのことをググっているし最後には顔を出すしで尊い
- 頼れるのは自分だけだけど1人ではない
前回のスタプリ15話の考察・感想・分析です。
マオがブルーキャットではないというオチだったら面白いなと考えたんですが、さすがにそこまでひねるとひねりすぎでしょうか。
香久矢まどかさんの闇落ち予想(妄想)4つの根拠です。
でも最近のまどかさんは闇サイドからだんだん離れてる気がして、安心するような残念なような、そんな感じです。大人は矛盾した生き物ですね。
星奈ひかるさんの友達いない説についての考察・検証です。あのドーナツ屋のお姉さん、また登場しないでしょうか。最近見てないですね。
前回のスタプリ15話では、まどかさんが冬貴のことを見ていたという話でしたが、今回は冬貴がまどかさんのことを見ていたという話で、対比となっていたわけですね。
この親子、めっちゃ尊くないですか…。
長くなってしまったので、今回も記事を2分割します。
後編ではアイワーンや那須さん、えれまどの尊いポイントについて書ければと思っています。↓書きました
読んでいただき誠にありがとうございました。