スタプリ20話、もう興奮しすぎて30分が3秒のようでした。
スタプリは伏線の張り方も見事ですし、さり気ない心理描写や小道具の使い方が本当に秀逸で、見ていてほれぼれしてしまいます。本当に面白かったです。
この記事はスター☆トゥインクルプリキュア20話の感想や考察、分析をしたものです。スタプリ20話のネタバレがありますので、未視聴の方はご注意ください。
- ひかるだけが彼女の本心に気付いている
- 再びの逡巡:私はプリキュアに変身すべき?
- 天宮えれなは「天宮えれな」である
- 偽者だと分かっていても攻撃できるわけないルン
- サングラスの下に隠された「本当の想い」
- いつだって、ひかるは本当のブルーキャットを見つける
- ブルーキャットが素の姿を隠していた理由
- スタプリ20話の感想考察まとめ(前編)
ひかるだけが彼女の本心に気付いている
ララ「でもよかったルン ペンダントが無事で ペンの場所が分かるルン」
プルンス「ブルーキャットもツメが甘いでプルンス」
ララとプルンスは、ブルーキャットにペンダントを盗まれなかったことを「幸運」だと、「ブルーキャットの失敗」だと考えていることが読み取れます。
そんなララのことを、ひかるさんは意味深な表情で見つめます。
詳しくは後述しますが、このとき、すでにひかるさんは気付いていたわけです。ブルーキャットが「ミスった」わけではないことに。ブルーキャットの本心に。
だからこそ、ひかるさんはブルーキャットと戦うことを最後まで躊躇し、プリキュアに変身することもギリギリまで悩んだわけです。
再びの逡巡:私はプリキュアに変身すべき?
スタプリにおいては、「プリキュアに変身する」ことに深い意味が込められています。そのことが明確に示されたのはスタプリ17話でした。
端的にいうと、プリキュアは「悪い相手と戦うとき」「大切なものを守るとき」になるものであって、それ以外のときになるものではない、というものでした。
※このことについては、こちらの記事で詳しく考察しています。
今回の話でも、プリキュアになるべきか逡巡するシーンがありました。
それがこちらです。
えれな「ひかる!」
ララ「変身するルン!」
ひかる「フワ…」
ペンとフワを取り返すため、ブルーキャットを追いかけているとき、プリキュアは発煙弾による攻撃を受けます。
えれなさんとララはいち早く変身するよう呼びかけますが、ひかるさんは即答はしません。ペンを握りしめ、逡巡した後に、「フワ…」とつぶやいて変身することを決心します。
この時点では、ひかるさんだけはブルーキャットがペンダントを盗まなかった理由に気付いていますが、他のメンバーはまだ気付いていません。だからこそ、他のメンバーはすんなりとプリキュアになる決意を固めているなか、ひかるさんだけが躊躇していたわけです。
変身する決め手となったのはフワのことでした。
ブルーキャットは敵ではないかもしれないけれど、フワを守らなければならない事実に変わりはない。
ひかるさんの頭の中ではそういった理論が構築され、結果として変身するに至りました。
天宮えれなは「天宮えれな」である
ソレイユ「もうやめよう こんなの誰も笑顔にならない!」
ブルーキャットから攻撃を受けたとき、キュアソレイユがいった台詞です。
この「誰も」の中には、ブルーキャットも入っています。ブルーキャットと戦うことは、自分たちにとっても、ブルーキャットにとっても笑顔にならないのだと喝破しているのです。
なぜキュアソレイユは、確信をもってこの台詞をいえたのでしょうか?
そのヒントはスタプリ17話にあります。
ソレイユ「だってこの宝物はブルーキャットを笑顔にしたんだ 普段見せてる笑顔とは違う 心からの笑顔を ひかると一緒の時に見せたんだ!」
ドラムスが惑星レインボーの宝を壊そうとしたとき、ソレイユは上記の台詞をいって宝を守ろうとします。
ソレイユは、ブルーキャットの「本当の笑顔」をこのときに見ていて、しっかり覚えているのです。
ブルーキャット「なぜ盗むかって? それって愚問よ わたしは宇宙怪盗ニャン!」
たとえばこのシーンをご覧ください。
なぜペンとフワを盗むのかとひかるさんに問われたとき、ブルーキャットは笑みを浮かべながら「わたしは宇宙怪盗ニャン」と応じます。
しかし、この笑顔は「本当の笑顔」でも何でもない。
自分たちのペンを盗み、フワを奪い、攻撃してくるブルーキャットは、「本当の笑顔」を見せていない。
これらのことを理解していたからこそ、キュアソレイユは叫んだのです。
ブルーキャットのやっていることは、ブルーキャットを笑顔にしないのだと。
これが、これこそが、天宮えれなさんなのです。
えれなさん回の14話。えれなさんにとって「笑顔」がどれだけ大切なものなのかが伝わってくる話でした。
偽者だと分かっていても攻撃できるわけないルン
ブルーキャット「本人じゃないと分かっていながら躊躇とはね」
キュアスターの姿に変化して、見事ララとまどかから逃げおおせたブルーキャット。
なぜこのときキュアスターに変身したのかは自明です。
ララもまどかさんも、ひかるさんのことが好きだからです。
だから、キュアスターの姿に変化すれば、攻撃を躊躇すると思ったわけです。
ブルーキャットの狙い通り、ララとまどかさんは偽者だと分かっていても、攻撃を躊躇ってしまいます。
いや……尊すぎるよ……
相手が大切に想っている人間に変化することで、攻撃をかわしたり追い詰めたりするのは変化能力者の王道パターンですが(ハガレンのエンヴィーとか挙げていけばキリがない)、ララとまどかさんがひかるさんのことを大切に想っているのだということが改めて示されてて最高でした。
何とか致命傷で済んだのが奇跡のようです。
あ、ところで、偽キュアスターのちょっと猫目っぽい感じ、なんなんですか?
めっちゃかわいい…
宴ですよ。「ひかひか」という新たなる概念の誕生を祝いましょう。
サングラスの下に隠された「本当の想い」
ブルーキャット「みんなを戻すためなら何だってする 宇宙怪盗でも何でも!」
素の姿で本音を語っていたブルーキャットは、このタイミングで宇宙怪盗の姿に変化しました。
なぜでしょうか?
それは、嘘だからです。
この発言が本心ではないからです。
ブルーキャットは己の抱いている「本当の想い」を隠すために、素の姿から宇宙怪盗ブルーキャットの姿に変化し、サングラスをかけたわけです。
ブルーキャットのサングラスは、彼女の本音や本心を隠すためのアイテムとして描かれているのです。
しかし、我らがひかるさんは、そのことをちゃんと見抜いています。
いつだって、ひかるは本当のブルーキャットを見つける
スター「嘘だ! 何でもっていうけど ペンダント取らなかったじゃん! わたしたちがプリキュアになれるようにって 取らなかったんでしょ?」
ペンダントを盗まなかったのは、ブルーキャットのツメが甘かったわけではなく、彼女の「優しさ」の表れであることが示されました。
ペンダントがなければ、ひかるさんたちはノットレイダーたちにやられてしまうかもしれません。それに、地球とは環境が大きく異なる惑星レインボーで生命活動を維持するためには、ペンダントの力は不可欠なものだったことでしょう。
また、この時、サングラス越しにブルーキャットの目が映り込みます。
ひかるさんはサングラスの下に隠れている、ブルーキャットの本心を見つめていることが描かれているわけです。
このシーンを見たとき、私はスタプリ17話のあのシーンを想起せざるを得ませんでした。
スター「サングラスしてたってわかるよ あの宝物が大切なものなんだって」
そう、ひかるさんの前では、いくらサングラスをつけていたって、いくら他人の姿に変化していたって、無駄なのです。
どれだけ必死に隠そうとも、ひかるさんは見つけてしまうのです。
本当のブルーキャットを。彼女の本心を。
さて、ここでひとつ、皆さんに思い出していただきたいことがあります。
それは、宇宙アイドル、マオの歌です。
マオ「見える見つけられる? 本当のわたし」
サングラスの下の本当の笑顔を見つけたのも、偽ドラムスの正体を見抜いたのも、全部、ひかるさんでした。
「本当の彼女」を見つけられるのは、ひかるさんなのです。
…一回、叫ばせていただいてもよろしいでしょうか?
尊っ!!!!!
詳しくはこちらの記事で書いています。本当のブルーキャットを見つけるのはひかるさんしかいない、ということを熱く熱く語っています。
ブルーキャットが素の姿を隠していた理由
ブルーキャット「何でよ どうして戦うの!?」
スター「知らないからだよ 知らないからもっと知りたい わたしも会って話してみたい この星の人たちと だってさ キラやば~っ☆だよ? 何でも好きな姿に変われるなんて!」
「なぜわたしのために戦うのか?」と問いかけるブルーキャットに、ひかるさんは天使の微笑を浮かべて答えます。「もっと知りたいからだよ」と。
この言葉に、ブルーキャットは目を見開きますが、それもそのはず。
ブルーキャットがこれまでなぜ素の姿を隠し続けてきたかというと、自分たちの種族が忌嫌われていることを自覚していたからです。
「驚いたニャン? 皆そう 私が生まれるずっと前よ 変化の能力を持つ私達種族は人々から恐れられた」
このとき、ひかるさんたちはブルーキャットの真の姿を前にして驚いていました。その点については議論の余地がないでしょう。
しかし。しかし、ですよ。
驚きはしても、恐怖することはしません。
もっと知りたい、とひかるさんはいうのです。
「知りたい」というのはひかるさんを動かす最大の原動力であり、ひかるさんの持つ魅力のうちの1つであり、星奈ひかるというキャラクターを主人公たらしめる重要な要素です。
突然ですが、スタプリ1話におけるカッパードさんの台詞を覚えているでしょうか?
恐怖は思考を停止する
知らないということは恐怖に繋がり、恐怖は思考を停止させ、思考を停止した者はそれ以上何も知ろうとしなくなる。
そんな負のスパイラルを打ち破れるのが本作の主人公、我らがピンク、 宇宙に輝くキラキラ星、星奈ひかるさんなのです。
宇宙に真の平和をもたらすために必要なのは、ペンでもなければ、力でもなく、 ひかるさんの持っているような「知りたい」という気持ちなのかもしれません。
スタプリ1話~2話の考察です。
このころと比べると、最近はどんどん文字数が増えていて笑えます。
スタプリ20話の感想考察まとめ(前編)
- ひかるだけがブルーキャットの本心に気付いていたシーンが良き
- 天宮えれなの圧倒的「天宮えれな」感
- 本当のブルーキャットを見つけたのはやっぱりひかるさんだった
- ブルーキャットが素の姿を隠していたのは、自分達種族が忌み嫌われていることを自覚していたから
- ひかるの「知りたい」は宇宙平和のための最終兵器
前回のスタプリ19話の感想や考察です。
ブルーキャットの犯した罪などについて書いています。
バイバイ、バケニャーン。
追悼、そして理想的なバケアイ(ブルアイ)を求めてTwitterで書きまくってた創作をまとめたものです。百合のバケアイもなかなか良いことに気付きました。
すっごい中途半端なところなんですが、長くなってきたので今日はこのあたりで。
いつもは前編と後編で2つに分けて感想や考察を書いていましたが、今回はちょっと語りたいことが多すぎて、幻の「中編」が登場するかもしれません。
(コナンとかでもたまにあるやつ)
(2019年6月26日 追記)
けっきょく後編にひとまとめにして書いてしまいました。