この記事はスター☆トゥインクルプリキュア21話の感想考察(後編)です。
スタプリ21話ネタバレがありますので、未視聴の方はご注意ください。
- ひかユニが力を合わせる時:スタプリ17話との対比
- おひつじ座のペン:スタプリ11話との対比
- アイワーンはバケニャーンを見る
- 一人でどこかに向かうアイワーン
- キュアコスモの必殺技シーンが超絶カッコいい
- スターパレスの裏事情?
- サングラスを捨てたユニの表情
- ダークネストのモチーフは「蛇」
- ユニは女の子で男の子?性別は?
- 虹、そして安堵するひかるの祖父
- 次回予告:ひかるの父の帰還、春吉の憂鬱
- スタプリ21話の感想考察まとめ(後編)
ひかユニが力を合わせる時:スタプリ17話との対比
スタプリ21話では、これまでの話のなかで「うまくいかなかったとき」と似たような場面が随所で再現されています。過去の場面と異なるのは、21話では「過去の失敗や挫折を克服している」という点で、その対比がとても素敵なものになっています。
序盤、ひかユニが力を合わせて巨大アイワーン(ダークネスト様パワーアップ前)を倒すシーンもそうでした。ひかユニの動きは完全にシンクロしており、互いに協力しあいながら戦っています。
しかし、これは当たり前の光景ではありません。
スタプリ17話を思い出してみてください。惑星レインボーの宝を破壊しようとするドラムスの龍のトラップに立ち向かうとき、ブルーキャットが放った言葉です。
あのとき、ひかるさんはドラムスからリモコンを取り上げるために戦おうとしましたが、ブルーキャットはそれを拒否し、キュアスターたちのことを「任せられないわ」と、「信じられるのは自分だけ」だといいました。
そのブルーキャットが、今度はキュアスターと方を並べて、力を合わせて巨大アイワーンを倒しました。
この事実は、ユニがひかるさんたちのことを受け入れ始めていることを如実に表しているのです(尊い)
スタプリ17話。ユニが「プルンス!」と彼の名を叫んだシーンも意味深で大好きです。
おひつじ座のペン:スタプリ11話との対比
おひつじ座のペンは、2つの因縁を持つペンです。
1つ目の因縁、すなわちノットレイダーに敗北して取られてしまったことについてはこれまでにも書いた通りで、見事ひかるさんがカッパードに雪辱を果たしたことで、ついにおひつじ座のペンを手にすることができました。
そして、2つ目の因縁。
それはユニとの因縁です。
取り返しかけたおひつじ座のペンを、バケニャーン=ユニはプリキュアから取られまいと回収しました(スタプリ11話)。あのときのユニは、ひかるさんたちのことを仲間、信頼し合える関係だとは、まったく思っていませんでした。
これは、直前のスタプリ19話においても同様です。
ひかるさんたちがノットリガーと化したレインボー星人を倒した直後、「協力しよう」と声をかけられたブルーキャットは、「すべてのペンを盗む」ことで、その恩を仇で返しました。
ひかるさんたちはこれまで何度もユニに手を差し伸べてきましたが、ユニはそれをことごとく振り払ってきました。
しかし、それでもなお、ひかるさんは「信じること」をやめません。
この目を見てください。ひかるさんの、ユニを見つめるこの目を。
どこまでも真っすぐで、強い意志を宿した視線。
キュアスターは自らキュアコスモにおひつじ座のペンを投げて渡します。
それは、紛うことなき「信頼の証」です。
そしてユニは、今度こそ、ペンを盗むことなく、ひかるさん達の期待に応えるのです。
すべてが終わったあとの描写も秀逸でした。
当然かのように「(一緒に)スタープリンセスのところに行こう」と誘うひかるさんと、そんなひかるさんを驚きながらじっと見つめるユニ。
短い、ほんの短い逡巡の後に、ユニはひかるさんにおひつじ座のペンを渡します。
ペンを手渡すシーンはアップにされて映し出されていましたが、これは「ペンを盗むことはせず、自らひかるさんにペンを渡した」こと、すなわち「ひかるさんに対する信頼」を強調するための演出でもあるわけです。
ひかユニ、尊いなって…。
アイワーンはバケニャーンを見る
アイワーンはここまで来てもなおユニのことを「バケニャーン」と呼びます。ユニが正体を明かしても、プリキュアになっても、それでもなお、アイワーンはユニのことを「バケニャーン」と呼ぶのをやめません。
おお...神よ...!
バケニャーンの姿が見えた瞬間、歓声をあげずにはいられませんでした。
しかも改めて見るとアイワーン視点のバケニャーンは通常より凛々しいというか、若干イケメン補正かかっているように見えるのは私だけでしょうか(巨大感情)
バケニャーンの正体が実はユニであったとしても、バケニャーンと過ごした大切な思い出は消えることはありません。ましてや、バケニャーンに抱いていた大切な想いが消えてなくなるわけではありません。
そしてバケニャーンは完全に消え失せたわけでもありません。
確かにあれはユニの変化による仮の姿でしたが、変化をしたユニもまたユニであることには変わりなく、バケニャーンも、マオも、ブルーキャットも、そしてキュアコスモも、どれもまたユニなのです。そのことは、キュアコスモ変身バンクで変化していた姿がすべて描かれていることからもうかがえます。
つまり、何がいいたいかというと…。
バケニャーンは、「居る」のです。
バケニャーンショックを受けてTwitterで140字のSSを書いて書いて書きまくっていた憐れな人間がいたそうです。
一人でどこかに向かうアイワーン
カッパードさんに「帰還するぞ」といわれたアイワーンは、ユニの宇宙船を奪ってそのまま帰っていきます。
が、よくみるとアイワーンちゃんは帰還するためのワームホールに入っていません。穴のなかに入っていたのはカッパードさんだけです。
実際、カッパードさんやテンジョウさんがダークネスト様の前でかしずいているときにも、アイワーンの姿だけは見えません。
アイワーン、どこに行ったの…?
というわけで、2つの説を考えてみました。
- 想像力ではなく思考を奪おうとしてきたダークネストに反抗心を抱いた
- バケニャーンという裏切者を自ら招いたことを引け目に感じて帰還しなかった
1つ目。アイワ―ンはダークネスト様から思考を奪われそうになり、非常に辛い目にあいました。その様子を見たキュアコスモですら、「こんな力…アイワーンが望んでるわけないニャン!」と叫びます。
また、アイワーンはダークペンを発明する際にも「人格が残る」ように作っていました(21話前編記事の考察参照)。理由は定かではありませんが、想像力を塗り潰しても、人格については残しておきたいと考えていることがうかがえます。
これらのことを総合的に考えると、ダークネスト様に反抗心を抱いてもおかしくはなさそうです。
が、目覚めたアイワーンは巨大化していたときのことを覚えていない様子でもありました。となるとダークネスト様に反抗心を覚えることも当然ないはずなので、この説はその点が弱いように思います。
2つ目。アイワーンは裏切者であるバケニャーンを招いたことについて、「あたいの立場はないっつーの!」と怒っていました。自分の立場がないことを自覚しており、同時それを恥じている様子です。
つまり、アイワーンはその「恥」を自分でどうにかするまではノットレイダーのアジトには戻りたくないのだとする説です。
この説は有力ではないかなと考えています。1人だけの力でバケニャーンに復讐をしに行くアイワーン。1人だけなので当然無茶をして、その無茶により自滅しかけたところをバケニャーン(ユニ)に救われる…というような感じで(良き)
どう転ぶにしても、今回のスタプリ21話でアイワーンちゃんの「救済ルート」のレールが見えたので、ようやく安心して眠ることができそうです。
アイワーンちゃん、幸せゲットだよ。
キュアコスモの必殺技シーンが超絶カッコいい
キュアコスモの必殺技バンク、めちゃめちゃカッコよくないですか?
脳が痺れてしかたありませんでした。大興奮でした。
ちょっとこれについては考察を抜きにして語りたいので、別途記事を書きたいと思います。
スターパレスの裏事情?
ユニ「惑星レインボーは…レインボーは プリンセススターカラーペンを集めれば元に戻るの?」
おひつじ座「星座の力 そしてフワの力があれば 宇宙に平穏が訪れます」
スターパレスに赴き、惑星レインボーを救えないかと尋ねるユニ。
おひつじ座のプリンセスは、心配そうにするユニにそんな言葉を返します。
やったねユニちゃん! これで惑星レインボーを救えるね!
...と、無邪気に喜びたいのはやまやまなんですが、ちょっと待ってください。
おひつじ座のプリンセスの言葉をもう一度見てみましょう。
おひつじ座「星座の力 そしてフワの力があれば 宇宙に平穏が訪れます」
惑星レインボーを救えるなんて、一言もイッテナイネ…?
おひつじ座のプリンセスはユニの質問に真正面から答えていません。「平穏」という言葉を口にするだけで、煙に撒こうとしているようにも見受けられます。
もっとも、その直後におうし座のプリンセスが現れ、「イマジネーションの力が集まれば奇跡が起こります 必ず星も戻るでしょう」といいますので、考えすぎといえば考えすぎかもしれません。
スターパレスならびにスタープリンセスたちの背景にうっすらと感じずにはいられない「陰」のようなものについては、また別途記事にしたいと思います。
- プリンセスのいう平穏って「星空連合の平穏」なのでは?
- 12人のプリンセスのなかに「ユダ」がいるのでは?
とかそういう話をする予定です。
→書きました。
サングラスを捨てたユニの表情
ユニはブルーキャットの姿になっても、もうサングラスをつけないんですよね。なぜかというと、つける必要がなくなったからです。サングラスは彼女の本心を隠すためのアイテムでしたが、もう本心を隠す必要はなくなりました。
だから彼女は名乗ったわけです。本当の名前を。自分はユニだと。
本心を晒すユニの表情は、こんなにも豊かです。その生き生きとした姿に魅力されてしまった方も少なくないでしょう(私です)
ただ、ひとつ気になるのは、ユニがキュアコスモの変身が解けた後もブルーキャットの姿(人型)になっていることです。
ユニは、本当の姿(獣姿)は他人から受け入れてもらえないという考えが深く根付いてしまっている可能性があります。「憧れのわたしを描いて」変身したキュアコスモの姿も獣姿ではなく人型であるのも、そういう側面があるのかもしれません。
もしそうだとすると、ユニが真の意味で救われるのはもう少し先になりそうですね。
キュアコスモの変身バンクは、マオやバケニャーンなどのシルエットが登場しているなど、様々な意味がこめられつつも超絶かわいくて本当にすごいなと…。変身バンクの考察と、キュアコスモになりたい子どもの話。
ダークネストのモチーフは「蛇」
ダークネスト様がその姿をついに見せました。
体に蛇がまいているような格好をしていて、頭部も口を大きく開く蛇のような被り物?をしています。
ダークネスト様のモチーフは紛うことなき蛇ですが、その「蛇」はどの「蛇」なのでしょうか?
- ギリシャ神話(へびつかい座)の蛇?
- 日本の神話(妖怪)の蛇?
- イブに禁断の果実を食べるよう唆した蛇(悪魔)?
という話も、長くなってきてしまったので、また別途記事にしたいと思います。
ユニは女の子で男の子?性別は?
ユニ「わたしたちはみんなオリーフィオの子 オリーフィオはわたしたちの父であり母でもある そしてわたし自身でもある わたしたちはひとつなのよ」
突然、ユニが哲学的なことをいい出しました。
ユニの発言をあえて言葉の通り受け止めるなら、ユニたちは「オリーフィオの無性生殖(もしくは単為生殖)によって生み出された子どもたち」ということになります。
というわけで、次の3つの仮説を考えてみました。
- 生殖能力は女王(オリーフィオ)しか持っていない説
- レインボー星人は無性生殖説
- レインボー星人は単為生殖説
無性生殖と単為生殖は異なる概念で…と書き始めたんですが、すみません、またもや長くなりそうなので、別途記事を書きます。先に書いておきますと、
- オリーフィオは聖母マリアでは?
- レインボー星人は天使なのでは?
というような話をするつもりです。
※2019年7月10日に書きました↓
虹、そして安堵するひかるの祖父
暗雲(19話)→大雨(20話)→虹(21話)
無事に虹がかかってよかったですね。
虹をかけるため、19話の時点から伏線が張られており、20話ではオリーフィオに「雨の後は虹がかかる」という台詞をいわせていて、スタプリの構成力はさすがだなと思います。
そしてちょっと見てくださいよ、このひかるさんの祖父・春吉の良い表情を。
一般的な視聴者にとって、春吉は「厳格なイメージ」の強いキャラクターで、好感度が低めだったと思うんです。
ところが、19話、20話、21話で春吉を登場させ、雨を心配させたり、虹がかかったことを喜ばせたりすることで、視聴者のその心情に変化が訪れます。
スタプリ20話の考察記事でも書きましたが、再度分かりやすくいうと、
- 暗雲、雨が降る=ひかるさんたちにピンチが訪れる
- 虹がかかる=ひかるさんたちがピンチを無事に切り抜ける
という暗喩になっており、私たち視聴者は否応なしに春吉の心理とシンクロさせられるわけです。
春吉の心理とシンクロさせられた私たち視聴者は、春吉というキャラクターを前よりも身近に感じるようになるだけではなく、春吉に対して好意的な視点を持つようになります。だって、私たちと同じように、ひかるさんたちの行く末を心配し、ひかるさんたちの勝利を喜んでいるわけですからね。
そしてなぜ19話から21話にかけて春吉が登場したのかというと、次回予告がすべてを示していました。スタプリ22話、謎多きひかるさんの父親がついに登場する回です。
19話で春吉が登場したときにもこんな考察をしていました。春吉が登場した意味と、悪人ではない追加根拠。
次回予告:ひかるの父の帰還、春吉の憂鬱
見てください、この春吉さんのつまらなさそうな顔。
そりゃつまらないですよ。孫であるひかるさんが立派な大人になれるようにと、自ら嫌われ役になりながら一生懸命躾をしているのに、ひかるさんは年に1回しか帰って来ない父親に懐いて、自分には懐いてくれない。そりゃつまらないですよ。
本当は孫が好きなんですよ、春吉さんも。
…という妄想をしていましたが、実際に22話を見ると、そういう嫉妬心というのはまったく見えなくて、ただただ春吉さんが家族想いなのだということが分かる感動回でした。(2019年7月10日追記)
さて、そんな春吉さんに、私たちは自然と同情の念を抱きます。
なぜかというと、「そうなるように仕向けられているから」です。
19話から21話にかけて春吉さんを好意的に登場させることで、22話に登場する春吉さんに感情移入をしてもらうように仕組まれているわけです。
事前準備が完璧すぎて(すごい)
ついでにいうと、18話のときにも春吉さんは登場しており、そこでは「厳格な印象」を視聴者に抱かせるように描かれていました。
あれもまた、1話以降はほとんど登場していなかった春吉さんを思い出してもらうための18話でもあり、22話のための布石でもあったわけです。
一応、スタプリ18話をじっくり視聴すると、春吉さんが「悪い人」ではないことはうかがえます。春吉さんが悪人ではないという、作中描写を根拠にした考察です。
ちなみに春吉さんによく似たキャラクターとして、まどかさんの父・冬貴さんがいます。こちらもこちらで、実はめちゃめちゃ娘想いで尊いです。作中描写から見る冬貴さんが尊いパパである根拠。目を凝らしてみなければ気付かないことも。
スタプリ21話の感想考察まとめ(後編)
- ひかユニが力を合わせるのが17話との対比になってて(尊い)
- おひつじ座のペンをついに手に入れただけではなく、今度はひかるさんからユニに渡され、ユニからひかるさんに返されたところが11話と対比になっていて(尊い)
- 「立場のない」アイワーンは帰還せず、一人どこで刃を研いでいる?
- スターパレスに裏事情がありそう
- ユニは本心を見せるようになったけど獣姿はやっぱり見せたがらない
- 春吉の見せ方がうますぎる
スタプリ21話の前編の感想考察です。
アイワーンちゃんの考察記事です。アイワーンちゃんが救われるルートに入ってくれたようで、ほっと安心しています。
スタプリ21話、ご覧のとおりまだまだ語り足りない考察し足りないことがあって、体が嬉しい悲鳴を上げています。
ユニの名前の由来とかもまた機会を見て書き足します。
ところで、ずっと我慢してたことをいってもいいですか。
ひかユニ、めちゃめちゃよくないですか???
もちろんひかララも大好きなことには変わりないのですが、ひかユニもひかユニであまりにも尊くて、地を這いながら「ユニ→ひかララ」の三角関係に想いを馳せる卑しき咎人たる私は、天を仰ぎ涙しながら神に感謝せざるを得ませんでした(罪)
以上、スター☆トゥインクルプリキュア21話の感想考察でした。
長々と読んでいただき、誠にありがとうございました。