スター☆トゥインクルプリキュア22話の感想や考察(後編)です。
この記事では家族回で毎回登場するテンジョウや親子のこと、春吉さんがかわいい話などについて考察しています。
22話のネタバレがありますのでご了承ください。
- 星奈春吉は新聞を読んでいない
- ララは家族を遠巻きに見る
- 家族回で必ず登場するテンジョウ
- 外国に行く星奈陽一:離れてても家族
- 14歳になるララは本当に大人だった
- 論考:春吉は短冊に願い事を書いたのか?
- ユニは輪に入らない
- 親は子を心配し、子は親を心配する
- スタプリ22話の感想考察まとめ(後編)
星奈春吉は新聞を読んでいない
ひかる母・輝美「今日ララちゃん誕生日なんですって」
ひかる祖母・陽子「それじゃあ外国にお住まいの家族に代わって私たちがお祝いしましょう」
みんながパーティの準備をするなか、春吉さんは新聞を読んでいます。
これを見て、「春吉、冷たいなあ…」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ちょっと待ってください。
実は春吉さん、新聞を読んでなどいません。
その根拠は次のカットです。
春吉「離れて暮らしていて 外国のご両親は心配していないのか?」
唐突に、春吉さんはララにそう尋ねます。
この台詞は、前述した輝美さんと陽子さんの会話を受けて発したものだと考えられます。つまり、新聞を読むフリをしつつ、春吉さんは周囲の会話を聞いているのです。
さらに、春吉さんの読む新聞には「七夕まつり」の文字がありますが、遼じいから「今日は七夕だから忙しいんだ」といわれた際、初めて気づいたかのように「今日は七夕か…」とつぶやきます。
春吉さんは、新聞を読んでいません。
なんだかんだいいつつ、周囲のこと、みんなのことが、気になって仕方がないのです(かわいい)
本当は家族想いなのに不器用がゆえに誤解されがちなキャラクターといえばこの人、まどかパパ・香久矢冬貴さん。
冬貴さんがどれだけ娘想いであるかについて熱く語った記事です。
ララは家族を遠巻きに見る
ひかるさんがお父さんの話をしているシーン、ララはなぜだか遠巻きに見守っています。また、ララは陽一さんのことを「ひかるの父」とやや淡泊な呼び方をしており、春吉さんに至っては「ひかるの父の父」と呼んでいます。
これらから類推するに、ララにとって「父」や「祖父」という存在・概念が、あまり身近なものではないことがうかがえます。
ララの両親がどのような存在なのかは未だ作中では明確に示されていませんが、
- 「父」を「父」と淡泊な呼び方をすること
- 「祖父」の概念が薄い(もしくはない?)こと
- 家族の話を遠巻きに見るばかりで話にあまり入らないこと
- サマーンでは13歳は既に大人であること(親子の交流期間が短い)
などを考えると、ララの母星・惑星サマーンでは、親や家族との関係性そのものが希薄であることが予想されます。
家族回で必ず登場するテンジョウ
今回の敵はテンジョウさん。
テンジョウさんはダークネスト様のお力により、対象者の歪んだ心を煽ることで、巨大ノットレイに変えられるようになりました。
さて、振り返ってみると、テンジョウさんが狙う相手にはある共通点があります。
それは、「家族」です。
テンジョウさんが巨大ノットレイにするのは、いつもいつも誰かの家族です。
- とうま君(えれなの弟)→14話
- 輝美さん(ひかるの母)→18話
- 春吉さん(ひかるの祖父)→22話
テンジョウさんは個性やその人らしさといったものを否定していることについては↓の記事で考察しています。
テンジョウさんは、家族に対しても何かしら負の思い出があったりするのでしょうか。ノットレイダーに加入したのも、そのへんが関係してたりして。
※Twitterのフォロワーさんが、アイワーンちゃんだとイマジネーションを塗り潰して対話ができなくなるので、対話を必要とする家族回ではテンジョウは登場するのでは? という考察をされていて思わず「なるほど!」と思いました。
カッパードさんも歪んだイマジネーションを吸って武器に変えちゃう(吸われた人は意識を失う)ので、やっぱり対話はできなくなります。そう考えると、物語の都合上、家族回で毎回出動させられる=より恨みを抱かれやすいテンジョウさんは、なんだかちょっとかわいそうに思えてきました。
外国に行く星奈陽一:離れてても家族


巨大ノットレイ春吉「家族は一緒にいなければいけないんだ!」
キュアスター「そんなこと…ないよ! わたし、大好きなものを追いかけてるお父さんとお母さんが大好きなんだ! 離れてたって、家族は家族だよ!」
今回の名シーンはやはりここでしょう。
「家族は一緒にいなければならない」と叫ぶ春吉さんに対し、キュアスターは「そんなことないよ!」「離れてたって家族は家族だよ!」と切り返します。
プリキュアを視聴している子どもたちの家庭環境にも、多種多様なものがあることでしょう。単身赴任だったり何かしらの事情があって、どちらか一方の親が家を不在にしている家庭もあることでしょう。
そんな子どもたちに、キュアスターは優しく語りかけるわけです。「離れてたって家族は家族だよ」と。
ここで誤解してはならないのは、「離れてても家族」だからといって、「親は夢のためであれば仕事を辞めて外国に行っても構わない。子どもはどれだけ寂しくても親の夢を応援すべき」というわけではないということです。
今回の話はあくまでも星奈家3人の話であり、3人がそれぞれ話し合い納得したからこそ、お父さんは外国に行ったのだということを忘れてはなりません。
スタプリ22話が示したのは次の2点です。
- 離れていたとしても家族は家族
- 当人たちが納得のうえで決めたことはなるべく尊重する
また、春吉さんも、考えなしに自分の価値観を無理矢理押し付けようとしているわけではなく、お父さんがいないことで、「ひかるさんや輝美さんが辛い想いをしている」と心配しているからこそ、「家族は一緒にいなければならない」という考えに至ったのだということが分かりました。
春吉「息子の育て方を間違ってしまった…輝美さんやひかるに辛い想いをさせて。私のせいでこうなってしまった!」
春吉さんの価値観は利己的なものでは決してなく、他人想いで、家族想いなその心から生まれたものなのです。春吉さんの願いは「家族がみんな笑顔で過ごす」ことであり、陽一さんが不在にすることで、みんなに辛い想いをさせているのではないかと危惧しているわけです。
春吉さんがこのような心配をするのも一理ありますが、ひかるさんがお父さんの海外渡航を心から応援していることは、ひかるさんの笑顔を見ていれば十分すぎるほど伝わってきます。なので、春吉さんの心配事については、やっぱり「そんなことないよ」なのです。
実際に、春吉さんの心配が「そんなことない」ということは終盤のシーンで示されていました。


ひかるさんと輝美さんが、1年ぶりに会えた陽一さんと楽しそうにおしゃべりをしているのを見て、春吉さんも思わず笑みを零すわけです。
七夕は年に1回星に願い事を唱える日ですが、ひかるのお父さんが帰ってきて家族みんなが揃うのはまさにひかるのおじいちゃんの願いでもあるわけで、七夕はおじいちゃんの願いが叶う日でもあるんだな…と、春吉さん笑顔を見て、そんなことを思いました。
14歳になるララは本当に大人だった


ひかるのお祖父ちゃんと対等に話をしていたのは、今回、遼じいを除けばララだけでした。いつもは「わたしは大人ルン!」といいつつ子どもっぽさを隠しきれないララですが、14歳になったララは、本当に大人のようでした。
もちろん、それは単にララが14歳になったからというだけではないでしょう。地球にきて、ひかるさんたちと出会い、泣いたり、笑ったり、失敗したりしながら、様々な経験を重ねてきたからこその成長です。
もっとも、「誕生日おめでとう」といわれて照れるララは、まだ少し、幼さが残っていましたが(かわいい)
※ちなみにコップが全部緑色なのはララの誕生日だからなのかなと一瞬思いましたが考えすぎですね。
論考:春吉は短冊に願い事を書いたのか?
小ネタです。
笹にかけられた短冊は全部で8枚あります。
ひかる、ララ、えれな、まどか、ひかる母、ひかる父、ひかる祖母、ひかる祖父で計8枚ですので、春吉さんの分の短冊もちゃんとあることがうかがえます。
「春吉、短冊に願い事を書いた説」の肯定派は、このカットを見て「春吉さんも短冊に願い事を書いていたのか…かわいいな…」と優しい気持ちになるわけですが、否定派はそうは問屋が卸さないと反論します。
「春吉、短冊に願い事を書いていない説」の根拠
この説の根拠は次の2点です。
- 「今日は七夕だから人が多いんだよ」と遼じいがいったとき、春吉さんは「今日は七夕か…」と、まるでそのときになって気付いたかのようにつぶやいていた。
- 家に戻るなりすぐにイエティの散歩に出かけたはずの、つまり願い事を書く暇がなかったはずの陽一さんの分の短冊までかかっている。
1と2をあわせて考えると、春吉さんや陽一さんは短冊を書いていない可能性が高いです。ではなぜ8枚短冊がかかっているかというと、「星奈家では、願い事を書いていない短冊もとりあえず人数分は笹にぶら下げておくスタイル」なのでは? という考えに自然と至ります。
「どうだ!」と高笑いする否定派。
しかし、肯定派も黙ってはいません。
「春吉、短冊に願い事を書いた説」の追加根拠
ひかるさんの子ども時代、陽一さんが家を出て外国に行くときのカットです。背後に七夕の短冊がかかっています。その枚数に注目してみましょう。
3枚。
願い事を書いていない人の分もぶら下げるなら、ひかる、父、母、祖父、祖母の5枚がかかっていなければならないはずですが、かけられているのは3枚です。
肯定派の言い分はこうです。
5人いたにもかかわらず、このとき短冊が3枚しかかかっていないのは、「星奈家では願い事を書いていない短冊はぶら下げない」可能性が高いことの根拠になる。つまり、8枚の短冊がかかっていたのは、春吉さんも短冊を書いていたからなのだ!
...と、無駄に考えてみましたが、これ以上は描写がなく、考えられそうにないので、ここまでで。
結論:なにこの考察
ユニは輪に入らない
序盤からユニの姿は見えません。
ユニがみんなの前に姿を現したのは、ノットレイダーとの戦闘シーンです。ユニはそれまで何をしていたのかは描写がないため分かりませんが、なぜ今回の話でユニをこのような形で登場させたのかについては、次回予告が物語っていました。
次回のスタプリ23話はユニのウェルカムパーティをする回です。
つまり、今回の22話でユニがみんなと仲良くなりきれていない描写をすることによって、次回でのウェルカムパーティで生じるカタルシスをより大きなものにするつもりなのだと思います。
加えていうならば、今回の戦闘シーンでユニが1人で戦っていたのも、次回以降に向けた布石だと考えます。
ユニ「ふーん。協力技ってわけね」
今回のスタプリ22話では、ユニの単独の必殺技でノットレイダーを倒すことができました。前回のスタプリ21話において、巨大化したアイワーンを倒す決め手となったのも、やはりユニの必殺技でした。
ユニは21話にして加わった追加戦士であり、ここで見せ場を多く作っておくことは、新しい子どものファンを作るためには必須ともいえることです。
ユニのなかでは、「1人でも勝てる」という成功体験が着々と築かれていることでしょう。おそらく次回以降でも、この成功体験が崩されないうちは、「1人でも戦える」「連係プレーは不要」という態度を貫くのだと思います。
しかし、「1人だけの力では勝てない」「みんなと一緒だからこそ勝てる」というのがこれまでのプリキュアの王道パターンであり、ユニもいずれその洗礼を受けることになる可能性が高いです。
洗礼のときが次回になるのか、もう少し先になるのかは分かりませんが、いずれにしても今回の「ユニが輪に入り切っていない」という演出は、次回以降に向けた「仕掛け」なのでしょう。
あとやっぱり猫はそう簡単に懐かないところがかわいいですよね。
今後、いつかユニが心の底から仲間になる日が来るのでしょうが、嬉しいような気もすれば、ちょっと寂しいような気もします(こじらせてる)
ユニの正しい救い方について考察した記事です。ユニの犯した「盗み」という罪が裁かれることは、果たしてあるのでしょうか?
親は子を心配し、子は親を心配する
ララ「わたしのほ…国では、わたしの歳はもう大人ルン」
春吉「親というのはいつまでたっても子どもが心配なものだ」
ララ「あなたはひかるの父の父ルン? でも心配してないルン。仲悪いルン」
ララに「仲悪いルン」といわれて思わずドーナツを吹き出す春吉さんですが、春吉さんが息子のことを心の底から嫌っているわけではないことは、次のカットからも明らかです。
春吉「はっきりいうのう…」
どこか寂しそうな苦笑い。
いまでこそ関係はこじれてしまっていますが、春吉さんも春吉さんで、やっぱり息子のことを想っているのでしょう。
それに、「親というのはいつまでたっても子どもが心配なものだ」という言葉は、自分がまったく思っていなければ口に出せるものでもありません。
ところで、「心配する」ことは、別に親の特権ではありません。
子どもだって、親を心配しているのです。
スタプリ22話では、二人の子どもが親を心配していました。
1人目はこちら。
それは、ひかるさんです。
家族を思って、夢を追いかけるのを諦めかけていたお父さんのことを、ひかるさんは「行って!」と笑顔で応援します。
2人目はこちら。
それは、陽一さんです。
気を失っている春吉さんを見つけた陽一さんは、肩を貸して家までつれて行きます。「お前の助けは借りん!」と怒鳴られても、「いいから」と笑顔で受け流します。
これらのシーンを見たとき、私はあの回を想起せざるを得ませんでした。
ひかるの母・輝美さんが、幼いひかるさんを救い、今度はひかるさんが輝美さんを救った、スタプリ18話です。
18話は「親が子を救い」「子が親を救う」という物語で、今回の22話は「親が子を心配し」「子が親を心配する」という物語でした。
親は子に対して一方的に何かを与える存在というわけではなく、親もまた、子からたくさんのものをもらっているのです。
スタプリ22話の感想考察まとめ(後編)
- 春吉は新聞を読むフリをして周囲をうかがっている
- サマーンでの親子関係はそう親密なものではなさそう
- 家族回で必ず登場するテンジョウの訳
- 離れても家族は家族
- 今回のララは本当に大人のようだった
- ユニが輪に入らないのは次回以降に向けた布石
- 親は子を、子は親を心配している
スタプリ22話の感想考察(前編)です。
キュアコスモの変身シーンに隠れた意味などについて考察しつつ、キュアコスモかわいいキュアコスモかわいいといっている記事です。
ところでこのUMAって何という名前なんでしょうか?
この銅像が実在するものなら、モデルとなっているのはどこなのでしょうか?
家族は? 彼氏は? 年収は?
調べてみました!
…分かりませんでした!(申し訳ございません)
一瞬天狗かなと思ったんですが、鼻は長くないしなあ…と。
どなたかご存知の方がいらっしゃれば、教えていただけると嬉しいです。
(追記)
銅像のことについて、たくさんの方からコメント欄やTwitterで教えていただきました。この妖怪は、「鳥天狗」というようです。そして、ぶーてぃすさんから、「香川県の白峯寺にある天狗像」がモデルとなっているのでは? と教えていただきました。検索してみると、かなり似ています。
参考リンク:
第81番札所 綾松山 洞林院 白峯寺 – (一社)四国八十八ヶ所霊場会
皆さん教えていただきありがとうございました。
以上、スター☆トゥインクルプリキュア22話の感想考察でした。
長々と読んでいただき、ありがとうございました。