スタプリ24話、尊かったですね。
流れるように出てくる尊いシーンに私は画面に釘付けでした。
この記事はスター☆トゥインクルプリキュア24話の感想や考察、妄想をしたものです。24話のネタバレがありますのでご注意下さい。
- まどかの心理描写が秀逸
- えれなは昔からまどかのことを見ている
- 何気ない日常会話に潜む尊さ
- サバイバーズギルド:ユニの心にある十字架
- ユニの苛立ち:ペン集めに対する意欲のギャップ
- かき氷の色が示すもの
- ユニは笑わない:まどかの演奏
- 目配せ:ユニからまどかへ、まどかからユニへ
- ユニまど:9話分の時を経てペンを投げ返す
- ユニまど:最後の目配せ
- スタプリ24話の感想考察まとめ
まどかの心理描写が秀逸
出だしから「すごいな~」と思ったのは、まどかさんの心理描写です。
わずかな秒数のなかで、これでもかというくらいまどかさんの重たげな心情が描写されています。
具体的に挙げていくと、最初のカットから既に「重たげ」でした。
大きなピアノです。画面の大部分を占めていて、かなり圧迫感があります。
そしてだんだんこのグランドピアノがズームアップされていく=まどかさんがピアノに近づいていくわけですが、ただでさえ大きなピアノがズームアップされていく様子は、まどかさんと同じ視点に立っている私たち視聴者にも更なる圧迫感と緊張感を与えます。
しかも、この間はBGMがないせいで、余計に緊張感が漂います。
やがてピアノの前に座り、 鍵盤蓋を開けるまどかさん。
白鍵を押すと、「ポーン」という寂しい単音が鳴り響きます。
しかし、まどかさんはすぐに蓋を閉め、その後にメトロノームを動かします。
ここでようやく、それまでほとんど無音だった世界に「継続的な音」が生まれるわけですが、メトロノームによる無機質な音は、場を和ませるどころか、むしろ緊迫した空気を醸し出します。
また、一連の流れのなかで、背後で薄っすらとセミの声が聞こえ続けているのも、何とも言えない寂寥感を覚えさせられます。
※背後で聞こえるセミの声はかなり薄っすらとしたものですが、OPが終わるとセミの鳴くカットが映されたので、やっぱりセミの声だと思われます。
最後の最後になって、まどかさんの口から発せられるのは、これまた重苦しいため息です。
ここでアバン(冒頭)が終わり、OPに移行するわけですが、一連のこのシーンは20秒しかありません。しかも、台詞らしい台詞は一言もありません。
にもかかわらず、私たち視聴者は、この20秒の間でまどかさんの重苦しい心理をまざまざと想像させられるのです。
声も音楽も使わず、メインターゲットの子どもたちにも分かりやすく効果的にキャラクターの心理を描写したこのシーンは、さらりと流れていましたがすごいシーンだなと思いました。
秀逸な心理描写といえば、ひかるさんの落ち込み具合を陰を使って見事に表現していたスタプリ11話も忘れてはなりません。
えれなは昔からまどかのことを見ている
えれまど的な尊いポイントはこちらです。
えれなさんは「まどかは前はよく学校でピアノを弾いていた」ことを当たり前かのように知っていて指摘しています。
ここでいう「前」というのは、えれなさんとまどかさんがプリキュアになり、互いを名前呼びする以前のことを指していると思われます。(二人が仲良くなってから、まどかさんが学校でピアノを弾いているシーンはなかった…はず)
また、えれなさんによる「まどかのこと見てたよアピール」は何も今回に限ったものではありません。
ここで、スタプリ16話、まどかさんの弓道大会のときのワンシーンを思い出してみましょう。
(まどかが弓道大会の予選を突破したことについて)
ララ「まどかすごいルン」
えれな「去年も優勝したんだよね!」
ひかる「決勝戦絶対応援行くよ!」
そうです。えれなさんは、まどかさんが「去年も(弓道大会で)優勝した」ことをちゃんと知っているのです。
弓道大会での活躍ぶりも、学校でよくピアノを弾いていることも、えれなさんは知っています。
えれまどは今にして始まったものではなく、二人が親しくなるよりずっと前から始まっていたものであり、えれなさんはまどかさんのことを仲良くなる前からずっと見ていたのです。
素敵なえれまど、ありがとうございました。
スタプリ16話の振り返りです。まどかパパ・冬貴さんがまどかさんのことをめちゃめちゃかわいがっていることが明らかとなった尊い回でした。
何気ない日常会話に潜む尊さ
ユニ「それなに?」
ひかる「かき氷機だよ、ユニ~」
なんてことのない日常会話ですが、このありきたりな会話にユニが自ら加わっていること自体がとてつもなく尊いのと、この時のひかるさんの「ユニ~」の言い方がめちゃめちゃかわいくて何度も繰り返し見てしまいます。
前回のウェルカムパーティを経て、ユニも少しずつひかるさんたちに歩み寄っているのでしょう。
また、ひかるさんの「ユニ~」には、ひかるさんのユニに対する信頼と友愛が込められていて、そこはかとない尊さを感じずにはいられません。
サバイバーズギルド:ユニの心にある十字架
どうしてマオの歌は人々を引き込むのですか? という質問をまどかさんから受けたとき、ユニの脳裏にはオリーフィオの姿が浮かび上がります。
同時に、思い詰めたような表情になるユニ。
ユニの心には、常にオリーフィオたちレインボー星人がいることが分かります。
レインボー星人で助かったのはユニひとりだけです。そのことについて、ユニは間違いなく不安を抱えており、ともすれば「自分だけが生き残った」ということに対する強烈な罪悪感、サバイバーズギルドを覚えている可能性もあります。
前回のスタプリ23話では、ユニはウェルカムパーティをつれない態度で断っていましたが、それは、ユニの性格の悪さからくるものではありません。むしろ、ユニの他人想いの心から来るものだということすらできます。
どういうことかというと、スタプリ23話にて、ユニは自分のために開いてくれたパーティを迷惑そうにしていましたが、なぜユニはパーティを迷惑だと感じていたのでしょうか?
それは、「ペンを探したかった」からです。あのときユニは、「パーティなんかいいから、ペンを探したい」という発言をしていました。
ユニにとっての最優先事項は「ペン探し」であり、「仲間を救うこと」であり、自分が遊んだり楽しんだりすることではないのです。
今回のスタプリ24話においても、同様のシーンはいくつもありました。
たとえば、みんなでかき氷を食べるシーン。ひかるさんや雪だるまのユキオたちはかき氷を食べて笑顔になっていますが、ユニだけはひとり浮かない顔をし続けています。
また、みんなが楽しそうに雪滑りや雪合戦をしている間も、ユニの顔に笑みはなく、陰鬱とした表情を綻ばせることはありません。
別にユニはみんなと仲良くなることを是が非でも拒絶しているわけではありません。ユニがみんなとの信頼関係も少しずつ築いていることは、前回のウェルカムパーティ回のラストシーンなど、これまでの話からもうかがえます。
しかし、ユニにとっての優先順位において、「みんなと仲良くなること」はそれほど高くない...というより、ユニにとっては「仲間を救うこと」以外はほとんど有象無象であり、だからこそ、ペン探しに繋がらないことに関しては興味を寄せないのです。
さらにいえば、自分だけが助かったという罪悪感から、石化してしまった仲間を差し置いて自分だけが楽しい思いをすることはできない…と、そんなことを考えているのかもしれません。
ユニの苛立ち:ペン集めに対する意欲のギャップ
「イルマを笑わせよう!」と意気揚々なひかるさんに、「イルマが笑わなかったらどうするの」と呆れるユニ。少し冷たい印象を受けるかもしれませんが、ユニの置かれた立場や心情を考えると、ため息のひとつ吐きたくなるのも分かります。
なぜなら、ペンが手に入らないことは、ユニにとっては文字通り死活問題であるからです。
プリキュアという作品では、「世界平和もいいけど、まずは目の前の日常を大切にする」という描写がされることがしばしばあります。
ひかるさんたちにとって、ペンを集めることは宇宙平和のためのものではありますが、目の前の人や日常を直接的に助けるものではありません。
たとえば、スタプリ8話では、宇宙平和よりも目の前のケンネル星人の想いを大切にすることを選びました。
また、スタプリ4話、えれなさんが初めてプリキュアになったときには、プルンスがプリキュアの使命について語ろうとした際、「家の手伝いをしなきゃいけないから、細かい話はまた今度ね」と、えれなさんは目の前の日常を優先して颯爽と去っていきます。
ところが、ユニにとって、ペンを集めることは宇宙平和といったスケールの大きなものでもなければ、どこか遠い世界のできごとというわけでもありません。レインボー星人の仲間たちの生死に関わるものであり、文字通りユニの「日常だったもの」なのです。
ペンを集めることが、「日常を守る」ことに直結しているユニと、必ずしもそうではないひかるさんたち。このギャップが、ユニを苛立たせている一因になっているともいえるかもしれません。
かき氷の色が示すもの
かき氷のシロップが違うんですが、ひかるさんは当たり前のように緑色で、えれなさんは紫色で、ユニはピンク色でした。
ここでシロップの色=推しの色説が誕生する...かと思えば、ララは黄色で、まどかさんは抹茶なので、そういうわけでもないのかもしれません。
しかし、ピンク色のシロップをかけたかき氷を物憂げな目で見つめるユニの姿は、なんだかとても「いいな」と思うのです。
次回予告によると次のスタプリ25話は夏祭り回のようですが、ユニは再びかき氷と対面することがあるのでしょうか。そのときのかき氷もまた、ピンク色のシロップがかけられているのでしょうか。
ユニがピンクシロップのかき氷を食べているところを想像すると、私はどうにかなってしまいそうです(既にどうにかなってる)
ユニは笑わない:まどかの演奏
まどかさんが演奏を始めると、ひかるさんやえれなさんたちはみんな笑顔になりました。イルマが笑っていなかったのはさておき、イルマ以外にも最初から笑っていない人がいました。
ユニです。
硬い表情でユニはまどかさんのことを見つめます。
このときのユニは、誰よりもまどかさんのことを見ているはずのえれなさんより早く、まどかさんの固い表情に気付きます。
なぜユニが真っ先に気付いたかというと、おそらく、メンバーのなかでユニが誰よりも歌うことの喜びや楽しみを知っていたからでしょう。
宇宙アイドルのマオとして?
いえ、おそらくそうではありません。
ユニにとって、「歌うことが楽しい」と思うようになった原体験は、マオとして全宇宙を魅了したことではなく、それよりももっと前、オリーフィオに自分の歌を褒めてもらえたこと、自分の歌で楽しんでもらえたことです。
その根拠はこちら。
幼い(?)ユニかわいい…!
昔のユニは、オリーフィオに「素敵な歌だね」と褒めてもらえたこと、オリーフィオに楽しんでもらえたことが、とても嬉しかったのでしょう。
そのことを思い出したのか、歌っている最中、ユニは「本当の笑顔」を浮かべます。
ううううううううう…!
ずっとぶっきらぼうな表情を浮かべていたユニが、ここに来て、にこにこした笑顔を浮かべます。
ユニにとって「歌」は特別なものであり、大好きなものであり、オリーフィオとの大事な想い出であることが、今回の話で語られたわけです。
あと、今回も歌われていた「コズミック☆ミステリー☆ガール」についてですが、マオverのもいいですが、今回のユニverも、とてもいいですね。ここのところ、頭のなかはずっとコズミックしています。好きか嫌いか、どっちが本音かというというまでもなく圧倒的に大好きです。
オリーフィオは「アメーバ」「女王アリ」「カタツムリ」でいうと、どの生殖をしているのか、などについて考察しています。
目配せ:ユニからまどかへ、まどかからユニへ
今回はユニまども来ていました。
イルマが笑わないことですっかり自信を失いかけたまどかさん、そこにユニがアカペラで飛び入り参加したわけですが、そのとき、ユニはまどかさんに「合わせて演奏して」と目配せをするシーンがありました。
目配せを受けたまどかさんは、ユニの歌に合わせてつららの演奏を始めます。
演奏をしているうちに、座っていたえれなさんは立ち上がり、ひかるさんとララは手拍子をはじめ、プルンスに至っては裏で「マオコール」をしはじめ…と、みんなも盛り上がっていきます。
そこでまどかさんは、「自分に足りていないのは音楽を楽しむ心」だということに気付き、自然と笑顔になります。
そして前述したように、ユニもユニで「本当の笑顔」を浮かべ、これはこれで尊かったのですが、二人の尊いポイントはこれだけでは終わりません。
テンジョウさんが登場し、反撃するためにまどかさんがユニにペンを渡したときのシーンです。
ペンを投げたまどかさんは、ユニに目配せをします。
そしてユニは、それに応じるようにして頷くのです。
演奏のときはユニからまどかさんへ、戦闘のときにはまどかさんからユニへと、相手に目配せをして以心伝心をしていた今回の描写は、まさに二人の信頼関係が構築されていく過程を見ているようで、大変尊かったです。
ユニまど:9話分の時を経てペンを投げ返す
テンジョウさんとの戦闘で、まどかさんからユニにペンを投げ渡すシーンがあったわけですが、ここで私は、ユニとまどかさんがペンを奪い合ったスタプリ15話を思い出さざるを得ませんでした。
今となっては昔のことのようですが、このときの二人は対立関係にありました。
さて、スタプリ15話では、途中でアイワーンが登場し、ノットリガーと化したドラムス君が暴れまわったため、ユニは「なんとかしなさい」といい、まどかさんにペンを投げます。
ただし、このときのユニはまどかさんにペンを渡したものの、それは信頼関係に基づくものではなく、利害関係によるものでした。それを証拠に、このときのユニは「ペンはいったん預けておく」といっており、あとで取り返す気満々でした。
そんな二人が9話分の時を経て、ついに今回、まどかさんはユニにペンを投げ渡したのです。
ちなみに、スタプリ21話ではひかるさんがユニに、前回のスタプリ23話ではえれなさんがユニに、それぞれペンを渡しています。
つまり、メンバーが自らの意思でユニにペンを渡す描写は、メンバーからユニに対する信頼を示す演出となっているわけです。
もっとも、ララだけはまだユニにペンを渡してないのですが…笑
(ララはユニから勝手にペンを取られた)
スタプリ15話の振り返り。あの印象的で魅力的なカットイン演出、また見たいなって思ってます。
ユニまど:最後の目配せ
無事にテンジョウさんを撃退し、ペンも譲ってもらい、イルマも笑顔になったところで、ユニとまどかさんは互いに顔を見合わせて微笑みを交わします。
3度目の目配せです。
もう、ユニとまどかさんの間に「見えない壁」はありません。
両者のあいだに、紛うことなき信頼関係ができているのが再確認されるのです。
スタプリ24話の感想考察まとめ
- アバンにおけるまどかの心理描写がすごい
- えれなは昔からまどかのこと見ていてえれまど
- ユニが皆の輪の中に入らないのはペンを集めることが最優先となっているから
- 今回だけで3回もあったユニとまどかの目配せ描写が素敵
- 9話分の時を経てまどかはユニにペンを投げ返す
前回のスタプリ23話の感想や考察です。
ユニがかわいいのとえれなさんがイケメンでしたね。
テンジョウさんの考察です。テンジョウさんがなぜ天狗の仮面をつけて個性やその人らしさを否定しているのか、その理由について考えています。
最近ちょっとプライベートが忙しくブログを書く時間がなかなかないこともあり、今回もぎゅっと1記事にまとめました。
Twitterでは、主にスタプリのことに関する考察や妄想を呟いていますので、よかったらのぞいてみてください。
以上、スター☆トゥインクルプリキュア24話の感想考察でした。
長々と読んでいただきありがとうございました。