金色の昼下がり

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スタートゥインクルプリキュア 46話 感想 全力考察 アイワーンが「プリキュア」になった瞬間

 スタプリ46話、とうとうダークネスト様の正体とその目的が明らかになりましたね。そして待ちに待ったアイワーンちゃんの登場には狂乱する他ありませんでした。

 

 この記事はスター☆トゥインクルプリキュア46話の感想考察です。46話のネタバレを含みますのでご注意ください。

 

 

 

ユニはガルオウガの気持ちを想像する

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出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第46話(C)ABC-A・東映アニメーション

ガルオウガ「すべてを乗っ取る。この力で!」
ユニ「これが力? あなたもみんなも自分を制御できていない。このままではまた失うわよ…あなたについてきた、みんなを!」

 

 ユニの反論は短く簡潔なものですが、それはとても「重い」ものです。

 このままでは「また」失うとは、ガルオウガ様がかつで母星と仲間たちをブラックホールに呑み込まれ、すべてを失ったことを指しているのでしょう。もう二度と自分にとって大切なものを失わないために、憎しみを力にして作り上げたのがノットレイダーという組織でしたが、今度はその憎しみがゆえに、再び仲間を失いそうになっていることをユニは指摘しています。

 

 また、この台詞を「ユニが言った」ことも心に刺さります。

 ユニは、自分が惑星レインボーの仲間たちを大切に想っているのと同じように、ガルオウガ様がノットレイたちを大切に想っていることを理解しているのです。これは、スタプリ38話(アイワーンちゃんにユニの居場所が奪われたのと同様に、ユニもアイワーンちゃんの居場所を奪ってしまったことに気付く回)を経験したからこそ想像できたことだともいえるかもしれません。

 

シールド解除:それは「地獄の門」が開く瞬間

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出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第46話(C)ABC-A・東映アニメーション

トッパー「シールドのエネルギーをぶつけるでアル!」
乗組員「シールド解除…全エネルギーを集中!」
トッパー「この宇宙は渡さないでアル!」

 

 シールドを解除して攻撃に転じようとする星空連合の描写は、 46話の中でも非常に重要なシーンでした。シールドとは、「大切なものを守るため」に用いられるものです。星空連合は、スターパレスという「大切なもの」を守るためにシールドを展開していたわけですが、そのシールドを「解除」して、「攻撃」に全エネルギーを集中させました。これはまさに、相手を倒したいという想い=「憎しみ」が、「守りたい」という想いを上回った瞬間でした。

 

「憎しみ」が「守りたい」という想いを越えたとき、地獄の門は開きます。その先に待っているのは、憎しみの連鎖であり、負の相互作用の連鎖です。それを体現していたのがノットレイダーでしたが、ここではノットレイダーと対峙する星空連合が、いつの間にかノットレイダーと同じ場所に立っているという構図になっているのです。

 

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出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第46話(C)ABC-A・東映アニメーション

※星空連合の攻撃を受けて無残にも破壊されるノットレイダーのUFO

 

 このとき、視聴者が心の底から星空連合を応援するのは難しかったでしょう。星空連合の攻撃を受けたノットレイダーたちは、無残にも消えていき、それを見た多くの方は心を痛めざるを得なかったはずです。

 

 かといって、ノットレイダーを応援するわけにもいかない。いったいどっちが勝てばいいのか、どっちば負ければいいのか、どっちが正しいのか、どっちが間違っているのか、視聴者の価値観が揺さぶられる中で、我らがピンク・星奈ひかるさんは飛び出して行きます。

 

星奈ひかるは「宇宙人」を再定義する

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出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第46話(C)ABC-A・東映アニメーション

キュアスター「みんな、やめて!」

 

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出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第46話(C)ABC-A・東映アニメーション

キュアスター「みんな、宇宙を渡さないとか、乗っ取るとか…そんなの、おかしいよ! 宇宙には、いろんな人たちがいるんだ。みんな、それぞれ、想いや、考え方も、全然違う…そんな人たちが、たくさん、たくさんいるんだよ! この宇宙は、誰かのものじゃない。みんなの宇宙でしょ!」

 

 「みんなやめて」と言ったキュアスターは、よく見ると星空連合側ではなくノットレイダー側に立って両手を広げています。背を向けるということは信頼の証です。キュアスターはノットレイダーが「敵」じゃないということを体を張って示したのです。

 

 もし、ここで星空連合側に立って同じことを言っていたとしても、星空連合の攻撃は止まったかもしれませんが、ノットレイダーの攻撃は止まらなかったでしょう。もともとノットレイダーは星空連合とプリキュアを同じ敵として考えているので、そうは言いながらもお前らは星空連合側の人間だろうと思われかねないからです。

 

 そして46話における名台詞、おそらく制作初期のころからずっと練られていた言葉が、ひかるさんの口から発せられます。

 

「星空連合も、ノットレイダーも…わたしも、みんなみんな、同じ宇宙に住む、宇宙人でしょ!」

 

 みんなみんな、同じ宇宙に住む、宇宙人でしょ! 

 

 これを聞いた瞬間、私の目からはボロボロと涙がこぼれ、感情という感情が爆発せざるを得ませんでした。思い返すと、遼じいがララのことを「異星人」と呼んでいたのとは対照的に(スタプリ11話)、ひかるさんはララやカッパードさんのことを「宇宙人」と呼んでいました(スタプリ1話等)

 

遼じい「いや~、君が異星人だったとは…長生きするもんだねぇ」

引用:スター☆トゥインクルプリキュア11話

 

 地球以外の星にも人がいることを考えたとき、彼らのことを「宇宙人」と呼び、自分達のことを「地球人」と表現するのは、やや語弊があります。なぜなら、地球人だって視点を変えれば「宇宙人」だからです。

 

 遼じいがララのことを「異星人」と呼んでいたのは、「地球人もまた大きな分類の中では宇宙人」ということを理解していたからだと思われます。また、「地球人と宇宙人」という表現には、「地球かそれ以外か」という「地球中心の考え方」だと感じる異星人もいるかもしれません。

 

 私は物語の中盤頃まで、ひかるさんが「宇宙人」、遼じいが「異星人」という言葉を用いていたのは、両者の知識や経験の違い――「宇宙から見たら地球はひとつのちっぽけな星に過ぎない」ことを理解している遼じいと、そうではないひかるさんの対比になっていたのかな、視聴者の子どもたちにとって分かりやすいように主人公には「宇宙人」という言葉を使わせているのかな、というふうに考えていました。

 

 もちろん、その意味もあったかもしれません。しかし、それ以上に深い意味があったことに気付いたのは、スタプリ40話、ララがトゥインクルイマジネーションを見つけたときの回です。このとき、「異星人」と「宇宙人」という言葉は、より深い意味をもって、明確に区別されて描かれていました。


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 タイトルにおいても同様です。2年3組にいるのは「異なる人間」である「異星人」ではなく、「同じ宇宙に生きる人間」である「宇宙人」なのです。(スタプリ40話後編の考察より)

 

 確かに、ララと初めて出会ったときのひかるさんが、ララたちのことを「異星人」ではなく「宇宙人」と呼んだのは、「宇宙には地球人以外のたくさんの人がいて、たくさんの価値観がある」ということを知らなかったからかもしれません。

 

 しかし、ひかるさんは45話をかけて、数々の冒険をして、たくさんの星の人たちと接してきました。そうした経験を積み重ねたことで、ひかるさんは「宇宙人」の意味を再定義し、そして高らかに宣言することができたのです。

 

 みんなみんな、同じ宇宙に住む、宇宙人でしょ!

 

 圧倒的な、説得力をもって。

 

アイワーンが「プリキュア」になった瞬間

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出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第46話(C)ABC-A・東映アニメーション

アイワーン「何やってるんだっつーの!」
ユニ「アイワーン…どうして!?」
アイワーン「かっ勘違いするなっつーの! 騙してたあいつが許せないだけだっつーの! 別にお前を助けたわけじゃないっつーの!」
ユニ「…ほんと、素直じゃないニャン」

 

 

 ついに来ました。

 多くの方が待ちわびていであろう二人の和解シーン、目にしたときは夢でも見ているんじゃないかと己の右頬を殴っては己の左頬を殴ったものですが、私のことはどうでもいいんです。「ほんと、素直じゃないニャン」とは、いつもユニが繰り返しみんなから言われてきた台詞ですが、それはお互いに相手のことを理解し合っているからこそ言える軽口であり、友愛の証でした。ユニは、その友愛の証である言葉を、今度はアイワーンちゃんに投げかけるのです。

 

 そして、アイワーンちゃんは背を向けながら言います。

 

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出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第46話(C)ABC-A・東映アニメーション

ユニ「…ごめんだっつーの」

 

 それは、世界が変わった瞬間です。

 憎しみの鎖に囚われていたアイワーンちゃんは、誰に強要されるわけでもなく、「自らの意思」でその鎖を断ち切り、ユニと一緒に未来に進むことを選んだのです。

 

 ユニとノットレイダーはもともとよく似た存在である一方、両者には決定的な違いがあり、それは「憎しみ」を行動原理にするか、「守りたい」という想いを行動原理にするかという違いである…というのは、過去の考察で書いてきた通りです。

 

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 アイワーンちゃんも元々は憎しみを力にしてユニに復讐をしようとしていたわけですが、46話の彼女の行動を見る限り、「憎しみ」という感情はもうどこにも見えません。そこにあるのは、「ユニやみんなを守りたい」という純粋な想いです。

 

 そのように考えると、46話のアイワーンちゃんはもはや「プリキュア」だと言っても過言ではないはずです。「憎しみ」ではなく「守りたい」という想いを行動原理にする今のアイワーンちゃんは、「ノットレイダー」ではなく、「プリキュア」なのです。

 

 ※ちなみに、「ごめん」と謝るときに顔が見えないようになっているのはユニのときと同じですね。表情が見えないことで、想像力が膨らむ良演出でした。

 

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ダークネストの正体はへびつかい座

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出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第46話(C)ABC-A・東映アニメーション

へびつかい座「我は蛇使い座のプリンセス…かつてはそう呼ばれていた」
おうし座「彼女は、かつてパレスを去った…蛇使い座。13番目のプリンセス」

 

 ひかるさんがみんなの攻撃を止めたことで一件落着かと思いきや、とうとうダークネスト様がその正体を明かします。ダークネスト様は13番目のプリンセス・蛇使い座でした。

 

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出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第46話(C)ABC-A・東映アニメーション

ひかる「なんてことするの!」
へびつかい座「お前のせいだ。あと一歩でパレスの結界を砕けたものを。お前「がみなを止めたから。しゃしゃり出なければ、ああして歪みにのまれ、苦しむ必要はなかった」

 

 お前のせいだというへびつかい座さんの発言には、単にひかるさんに責任をなすりつけているだけではなく、深い意味が込められているように見えます。46話の序盤、歪んだイマジネーションに囚われていたガルオウガ様たちは、ある意味、苦痛を覚えていない状態でした。憎しみに魂を捧げていた彼らの「イマジネーション」は歪み切っており、心の痛みを感じない状態…すなわち、「思考を停止していた状態」だったからです。

 

 しかし、ひかるさんによって、ノットレイダーたちのイマジネーションの歪みは消えかけます。そこに芽生えたのは「希望」であり、「葛藤」であり、「思考」です。そこへ、今度はへびつかい座さんが彼らの心を強制的に歪ませたことにより、ノットレイダーたちは激しい苦しみを感じることになります。思考を止めていたからこそ痛まなかった心は、思考をし始めたがために痛み始めたのです。

 

 そして、へびつかい座さんはひかるさんに言うのです。「お前のせいだ」と。

 つまり、へびつかい座さんはひかるさんがノットレイダーたちに「思考させた」ことを責めているのだと考えられます。

 

 思考とは、イマジネーションの本質です。

 へびつかい座さんは、これまでも「思考を止めよ」と命じてきたとおり、「思考」そのものを否定しています。なぜへびつかい座さんは「思考」を否定しているのか…ということについては、別途記事にしたので、こちらをご覧ください。

 

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 さて、へびつかい座さんの真の目的は、失敗作であるこの宇宙を消し去ることであり、ガルオウガ様の母星を破壊したブラックホールは、へびつかい座さんが造ったものだということが作中で明かされていました。

 

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出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第46話(C)ABC-A・東映アニメーション

へびつかい座「我はやつらとともにこの宇宙を造った…(中略)だが、忌々しき想像力がはびこるこの宇宙は完全なる失敗作、よって、すべて消し去る!」
ガルオウガ「宇宙を…手にするのでは…?」
へびつかい座「本気で宇宙を乗っ取れるとでも? 見捨てられし日陰者たちが。おこがましい!」(中略)

ガルオウガ「宇宙を消すなど、大それたことを」
へびつかい座「儀式により、大いなる闇を拡げる」
ガルオウガ「大いなる、闇?」
へびつかい座「鈍いなあ…あの闇は我の力だ」
ガルオウガ「あの…ブラックホールが…!」

 

 カッパードさんやテンジョウさん、ガルオウガさんたちはへびつかい座さんに裏切られ、その怒りを爆発させます。視聴者に対して、ノットレイダーではなく、へびつかい座さんこそが「真の敵」だということを強く認識させる場面です。

 

 仮に、へびつかい座さんを「諸悪の根源」――すなわち「悪魔」だと捉えれば、彼女を打倒すれば「悪」はこの宇宙から消えて、めでたしめでたしとなるでしょう。

 

 しかし、現実はそうではありません。

 へびつかい座さんはガルオウガ様の母星を破壊してはいますが、カッパードさんやテンジョウの尊厳を踏みにじったことに関してはおそらく関与していません。つまり、へびつかい座さんを倒したとしても、ノットレイダーたちの抱えていた問題の根本は解決しないのです。

 

 物事を単純化したくなるのが人間の性ですが、スタプリはそういった二元論的な考えに対して繰り返し「NO」を突き付けてきました。へびつかい座という「悪魔」と対峙したひかるさんたちが、今後どのような決着をつけるのかは、スタプリの描いてきたテーマに直結するものになると思われます。

 

プリキュアは「倒すため」ではなく「守るため」に戦う

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出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第46話(C)ABC-A・東映アニメーション

へびつかい座「歪んだイマジネーションにのまれたやつらだ。倒せはせぬ」
キュアスター「倒すんじゃない」
へびつかい座「ん?」
キュアスター「みんなを…みんなを、守る!」

 

  倒せはせぬ、と言われたひかるさんは、倒すんじゃない、守るのだと答えます。スタプリのメンバーたちは「大切なものを守るため」に変身する…ということは、17話でも描かれていたことですが、その「大切なもの」の中に、これまで敵対していたノットレイダーたちが含まれていることが私たちの胸をよりいっそう熱くします。

 

 また、ひかるさんが握り拳を解くカットも良い演出でした。「拳」は人を倒す時に作るものであり、ひかるさんはその「拳」=「パンチ」で戦ってきましたが、ひかるさんはここで自らの武器である「拳」を解くのです。それはまさに、ひかるさんの「倒すんじゃなくて、守るんだ」という想いを体現する描写だったと言えます。 

 

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ノットレイに貼られていた「レッテル」が剥がれる時

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出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第46話(C)ABC-A・東映アニメーション

 

 5人の合体技であるスタートゥインクル・イマジネーションが輝いたとき、ノットレイダーたちの「鎧」は剥がれ落ちます。これにより、それまでノットレイという「集団」として振る舞っていたノットレイたちが、「個」としての姿をひかるさんたちに見せるのです。

 

 言い方を換えれば、「侵略者」というレッテルが剥がれ落ちた瞬間でもあったと言えます。人は「自分と同じ人間」に対してはなかなか酷いことはできないものですが、「同じ人間ではない存在」に対してはどこまでも非情になれます。

 

 ヒトラーは身体障害者や精神障害者、ユダヤ人たちを「価値無き者」=「同じ人間ではない」というレッテルを貼ることで虐殺しましたし(※1)、ヨーロッパにおけるかつての「魔女狩り」もまた、「魔女」=「同じ人間ではない」というレッテルを貼ることで行われた残虐な行為だと言えます。また、分かりやすいのは戦争でしょう。敵国の兵士は「同じ人間ではない」ために、殺害する際の心理的障壁が低くなるのです。

 

 ひかるさんたちは、ノットレイたちに貼られていた「同じ人間ではない」というレッテルを剥がしました。そして、ノットレイダーも星空連合も自分たちもみんな「同じ人間」であり、それぞれがそれぞれの「輝き」を持っていることを改めて示したのです。

 

 ちなみに、ノットレイたちが「スーツ」を着ていて、中には多種多様な「宇宙人」が入っていることは、21話で示唆され、38話で明確に示されていました。また、ノットレイたちの体格がバラバラに描かれていた(細い人もいれば太い人もいる)のも、初期の時点からしっかり設定が練られていたからこその表現だったと考えられます。

 

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※1 参考リンク

アメリカ合衆国ホロコーストメモリアルミュージアムのホームページ

 

終わりに:「生き様」をそれぞれ見せるサブキャラクター達

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出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第46話(C)ABC-A・東映アニメーション

プルンス「プルンスは…守れなかったでプルンス!」 

 

 スタプリの好きなところのうちの1つは、サブキャラクターがそれぞれの「生き様」をしっかり見せてくれるところです。

 

 プルンスはララと出会うよりも前からフワのことをボロボロになりながら守ってきたことが、スタプリ15話の回想シーンでは語られていました。プルンスにとってフワは「とても大切な存在」であり、フワを守ることが彼の「生き様」でもあったわけです。しかし、今回はそのプルンスが、みんなを守るために止むを得ずフワのことを置き去りにしてしまいました。プルンスのこれまでの「生き様」を知っているからこそ、視聴者はプルンスの涙に胸を打たれてしまうのです。 

 

 プルンスだけではありません。

 46話で見事な「生き様」を見せてくれたのは、AIさんもです。AIさんが助けに来てくれたおかげで、メンバーたちはへびつかい座さんの魔の手から逃れることができました。AIさんがみんなを避難させるシーンといえば、敗北したプリキュアが命からがら逃走した10話を連想させますが、あのときと決定的に違うことがあります。それは、10話のときにはララがAIさんを呼んで助けてもらっていたのに対して、46話ではAIさんがララの指示を受けることなく、自らの意思でみんなを助けに来たということです。AIさんは自ら「思考」して、みんなを守ろうとしたのです。

 

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出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第46話(C)ABC-A・東映アニメーション

 

 みんな星のようにキラキラ輝いている、とひかるさんは言いましたが(45話)、彼らの「生き様」は、まさにひかるさんの言う「輝き」でもあります。スタプリは、サブキャラクターたちの「輝き」を、サブだからといって蔑ろにすることなく、実に鮮やかに描いているのです。

 

 私は、そんなスタプリが、大好きです。

 

 前回、スタプリ45話の考察です。書きたいことがありすぎたため、前編・中編・後編で2万字近くになっています。

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 スタプリの放送が終わってしまうのはめちゃめちゃ寂しいですが、ヒープリはヒープリでとても楽しみです。そして、ヒープリはヒープリでけっこう「ヘビー」な展開になんじゃないかな、という妄想です。

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 以上、スター☆トゥインクルプリキュア46話の感想考察でした。

 長々と読んで頂きありがとうございました。