スタプリ最終話、ついに終えてしまいましたね。いや、もう、何というか、感無量です。あまりの素晴らしさにもはや何を書けばいいのかもよくわからず途方に暮れているところですが、そうは言っても私には書くことしかできないので、気力を振り絞って書いていきたいと思います。
この記事はスター☆トゥインクルプリキュア49話(最終回)の感想考察です。ネタバレを含みますのでご注意ください。
- フワ>10憶キランのドーナツ
- 12星座のプリンセスはひかる達を見守っている
- ユニとアイワーンは一緒に進む
- サマーンのちょっとした変化
- ひかる・イン・ワンダーランド
- ドジっ子のガルオウガ(濡れ衣)
- ギャグによって中和される「違和感」
- キュアグレースとのバトンタッチ
- 夢から覚めて
フワ>10憶キランのドーナツ
アバン(冒頭)。
スタプリ26~28話にかけて登場していたヤンヤンがドーナツを持って登場しますが(懐かしい!)、プルンスはフワのお世話でそれどころではない様子です。
ところで、このときヤンヤンが持っているドーナツは、スタプリ15話で登場した10憶キランの値をつけたドーナツと同じです。つまり、プルンスは10憶キランよりもフワの方が大切だということですね!!
12星座のプリンセスはひかる達を見守っている
さそり座「フワの力。長らくは戻りそうにないですね」
おうし座「あるいは…もう」
元気に遊びまわるフワとは裏腹に、プリンセスたちは浮かない顔です。フワの力が戻らないかもしれないと憂いているわけですが、それはそれとして、このときの画面に映る「飲み物」と「食べ物」に注目してください。
サンドイッチ、紅茶(コーヒー?)、サラダ、マフィン…。
それらは地球の食事です。一見すると何でもない描写ですが、「プリンセスたちが辺境の星である地球の食事を取っている」という事実は、彼女たちが「地球の文化」の影響を受けていることを意味しており、48話で言っていた通り、「ひかるさんたちを見守っている」ことの何よりの証だと言えます。
おうし座「彼女たちのイマジネーションは、我々の想像をはるかに超えて育ちました。へびつかい座のプリンセス、わたしたちとともに、彼女たちを見守りませんか?」
出典:スター☆トゥインクルプリキュア48話
ユニとアイワーンは一緒に進む
ユニはオリーフィオたち石化していた惑星レインボーの仲間たちを元に戻すことに成功します。
ここで注目したいのは、石化を解除するために使用した道具が「香水」であるという点です。その香水は、これまでユニが変化をする際に用いていたものと酷似しています。
つまり、何が言いたいかと言うと。
石化を解除するために開発されたこの道具は、アイワーンちゃんが一人だけで作ったものではなく、ユニと一緒に開発したものである、ということです。
ユニのトゥインクルイマジネーションは、「アイワーンちゃんを含めたみんなと一緒に前に進みたい」というものでした。ユニはその「想い」にならって、確かに、アイワーンちゃんと一緒に「前に進んだ」のです(※1)
そして、ユニは陰に隠れているアイワーンちゃんに声をかけます。
ユニ「いい加減出てくるニャン?」
アイワーン「ごめんなさい…だっつーの」
ユニ「アイワーンがこれを」
アイワーンちゃん好き好き大好き超愛してるクラブに属している私は、このとき形容しがたい感情の波にさらわれ、体感時間にして一万二千年ほど現実世界に帰って来れなくなってしまうのですが、その話は長くなるので省略します。
レインボー星人たちは、突然現れたアイワーンちゃんに対して警戒心を抱きます。しかし、「ごめんなさい」と頭を下げるアイワーンちゃんを見たオリーフィオが微笑みを浮かべることで、今後、アイワーンちゃんとレインボー星人が「ともに前に進むようになる」という、そんな未来が示唆されています。そして、それは現実のものとなります。(詳しくは後述)
※1 ついでに言うと、この香水の色は「黄色」です。36話で登場した惑星レインボーの指輪は、感情によって輝く色が変わるものでしたが、黄色はどういう感情を表すのか覚えているでしょうか?
サマーンのちょっとした変化
場面は変わり、ララの故郷である惑星サマーン。
真っ先に目に飛び込んでくるのは、ララの両親(カカとトト)が作ったと思われる「おにぎり」と「見た目のかわいいグミ」です。おにぎりはちょっと不格好に崩れていますが、そもそもサマーンには料理をするという文化はありません。カカやトトは、この料理を「頑張って作った」のでしょう。
また、「見た目のかわいいグミ」は、本来、効率を重視するサマーン人の価値観に反するものです(※1)。栄養と水分を補給するのであれば、見た目なんてどうでもいいはずです。実際、サマーンの「食事」はキューブ型のグミでした(↓下記考察参照↓)。
※1 …と書いていましたが、Twitterのフォロワーさんから、「見た目のかわいいグミはコスモグミ」だと教えて頂きました。コスモグミはララは昔から携帯していたので、ひかるさんの影響とは言えなさそうですね。お詫びして訂正いたします。(ただ、見た目のかわいいコスモグミは、サマーン文化の生んだものではなく、どこか別の星のものである可能性もなくはない…かもしれません)
続けて、サマーンでは「ララスタイル」が流行していることが示されます。
ララ「一緒に行くのはいいルン。…でも、いい加減ホバーボード使うルン」
ロロ「だから、歩くララスタイルが流行ルン」
ララ「オヨ~…」
ロロ「でも、ララのおかげで変わったルン。仕事もランク分けがなくなったし」
多くのサマーン人たちは自分の足で歩くようになり、仕事のランク分けもなくなったとのことです。一連のシーンで留意したいのは、ララは「自分で歩け」とは言ってない、ということです。むしろ、よたよた歩くロロに対して「ホバーボード使うルン」と助言するほどです。(余談ですが、ロロ達だけに関しては30話の時点からホバーボードを使わず歩くようになっています。詳しくは30話の考察をご覧ください)
何が言いたいかというと、サマーン人たちのこうした変化は、「ララのおかげで変わった」ものであることは確かですが、「ララが変えた」ものではない、ということです。自分達で歩くようになったのも、仕事のランク分けがなくなったとも、サマーン人たち自身の「想い」によって、自ら「変わった」ものです。
これは想像ですが、プリキュアとして活躍していたララを見たサマーン人たちは、ララのように自分の足で動き回りたいと願うようになったのではないでしょうか。ランク8の調査員だったララが惑星サマーンの危機を救ったのを目にして、ランク分けの意義について改めて考え直したのではないでしょうか。
サマーン人たちがララから影響を受けていること、ララにある種の「憧れ」を抱いていることは、次のカットからもうかがうことができます。
女の子「キラやば~っ☆ プリキュアのララルン!」(※2)
ララ「キラやば~って…どうしてルン?」
女の子「マザーがよく言うルン」
AI「マザーと情報を共有した際に、ひかる様のことを認識いたしました」
そしてそれは、サマーン人たちだけではなく、マザーにとっても同様です。マザーの価値観の中には、ララの、ひかるさんたちの「想い」が、確かに共有されているのです。
ひかるさんたちがへびつかい座に言った「キラやばな世界」とは、優れたイマジネーションが劣ったイマジネーションを変えていく世界ではなく、イマジネーションとイマジネーションが重なることで素敵なものが生まれるという世界です。サマーンは地球という異文化から影響を受けながら、今後もサマーンらしい「キラやばな世界」をつくりあげていくのでしょう。
※2 女の子の髪がひかるさんと同じピンク色であることも、ララに「ハッ」とさせる要因のひとつになっていると思います。
ひかる・イン・ワンダーランド
??「日本ではじめての有人ロケットの打ち上げを、我々も喜ばしく思います」
陽子「国産の有人ロケットねえ。ほんと長生きするもんだわ」
春吉「ひかるはどうした」
輝美「ああ…ひかるなら、」
日本ではじめての有人ロケット。
そんな話が、テレビから流れてきます。テレビには「ホワイトハウス 中継」という文字があるため、話をしている女性はアメリカ大統領であることが読み取れます。
このときの通訳者の声が、明らかにえれなさんのもので、輝美さんの表情も見えなかったりするのですが、そうした「違和感」はそのまま、場面は「何となく眠たげな眼をしているひかるさん」へと転換します。
えれな「みんな、元気かな~」
まどか「ええ」
みんな元気かなと、ひかるさん、えれなさん、まどかさんの三人が雑談をしていると、突如として、フワ、ララ、ユニ、プルンスたちが「眩しい光」とともに現れます。
まさかの再開です! やったーーー!!
ひかる「ララ!」
ララ「ひかる…。ルン、ルルル、ルンルール」(中略)
ララ「ただいまルン!」
ひかる「おかえり、ララ!」
フワの力でスターカラーペンダントも復活し、互いの言葉が通じ合うようにもなります。48話と同じく、ペンダントがなくてもララは「ひかる」と言えていて泣けますね。
さて、その後のみんなの会話で、48話から49話のブランクのあいだに何があったのかが提示されます。
ララ「まどか留学やめたルン?」
まどか「お父様と相談して、家から通える高校に。わたくしは留学をやめましたが…」
ひかる「えれなさんが留学決まったんだよ」
えれな「この秋からパパの国にね!」
まどか「惑星レインボーの皆さんは?」
ユニ「元気ニャン」
Aパートにおけるこの場面は、えれなさんの「この秋から(留学する)」という発言、そしてメンバーたちの服装が「冬服」でもなければ「夏服」でもないことをあわせて考えると、このときの季節は「春」であることが推測できます。※1
つまり、時系列で言うと、Aパートにおけるこの場面は、最終決戦から2~5か月後、3~6月あたりの観星町が舞台になっていると考えられます。
- 48話(最終決戦)→冬(1月?)
- 49話(Aパートにおける再開)→春(3~6月?)
有力なのは「3月」でしょうか。
まどかさんとえれなさんはもともと中学3年生だったので、4月以降だともう高校生になっていることになります。が、会話の流れを聞いていると、個人的には、まだ高校生にはなっていなさそうに思います。
ちなみに、えれなさんが「秋から留学」と言っているのは、メキシコの新学期は通常8月末から9月にスタートするので、それに合わせてのことなのだと思います。えれなさんは短期ではなく、それなりに長期の留学をするつもりなのでしょう。
参考リンク:
※1 まどかさんの服の「袖」が長いため、夏服ではないとが分かります。
ドジっ子のガルオウガ(濡れ衣)
ひかる「調査って?」
ララ「ガルオウガが、ひかるたちを地球へ返したとき、間違えてノットレイのマスクも地球に送っちゃったルン」
AI「試作改良型で、かぶるだけで歪みを増幅し、巨大化するとのことです」
ガルオウガ様…ドジっ子…。
まあ、ユニコーン型に成長したフワを見てもフワだと分からなかったガルオウガ様なので(32話)、試作改良型のマスクを間違えてワープホールに送っちゃうのも、あり得なくなくもなくもなくもないですよね。
※スタプリ32話の考察です。スタプリは「なんでもできる」とは言わない。
ギャグによって中和される「違和感」
ひかる「そっか…変身、できるんだ。久しぶりに」
道端に落ちている怪しげなマスクをかぶる人間なんて、いるわけないよね――。
そんな予想を一瞬で裏切ってくれたのがひかるさんの父・陽一さんです。しかし、この場面でうまいなあと思うのが、陽一さんというある種の「道化師」を使うことによって、本来であれば感じるはずの「違和感」が緩和されている点です。
というのも、前述したとおり、この場面における季節は春(3月頃?)であり、陽一さんは七夕の日にしか観星町には帰って来ないはずだからです。それに、陽一さんが帰っているにもかかわらず、ひかるさんが父を放ったらかしにして川辺で過ごしていたというのも妙な話です。
普通であれば違和感を覚えずにはいられない「陽一さんの登場」ですが、テンポのいいギャグ展開によって、そうした違和感が中和され、「細かいことは置いてこのボーナスタイムを楽しもう」と私の脳などはすっかり騙されてしまいました。
また、プルンスはみんなに会えて「久しぶり」だと言い、プリキュアに変身したひかるさんも「久しぶりにプリキュアになれる」と言っています。毎日のように会っていた友達との2か月ぶりの再会、そして2か月ぶりの変身は、確かに久しぶりと言えば久しぶりではあるかもしれませんが、後者の「久しぶり」という発言には、2か月程度ではない、たくさんの「想い」が込められたような、そんな含みがあるようにも聞こえます。
キュアグレースとのバトンタッチ
ひかる「あっ! ねえ、キュアグレースってもしかして!」
プルンス「目を覚ますでプルンスよ!」
次回作の主人公・キュアグレースとのバトンタッチも無事に終えたひかるさん。
巨大化した陽一・ノットレイがおさまったあと、ひかるさんは「キュアグレースってもしかして!」と何か言いかけますが、そのとき、プルンスが「目を覚ますでプルンスよ!」と会話を遮ります。
このとき、ひかるさんは何を言いかけたのでしょう? 「キュアグレースってもしかして、次のプリキュアなの?」「そうなの!」なんて会話も、夢の中であれば許容されるかもしれません。
夢から覚めて
そう、これらはすべて、夢です。
目を覚ますでプルンス、というプルンスの声によって、ひかるさんは「目を覚まします」。そこは、十数年後の未来でした(※1)
(※1 プリキュアの公式Twitter(スター☆トゥインクルプリキュア感謝祭)によると、これは15年後の世界のようです。)
電話もできるスマートスピーカーのようなものに映し出されているのは、よく見ると星奈家の愛犬・イエティです。Twitterのフォロワーさんがおっしゃっていたのですが、十数年後が舞台となった49話において、イエティは登場しません。もともとそれなりの年齢だったイエティとは、既に「お別れ」をしているのかもしれません。
別れは辛いものですが、別れたとしても、一緒に過ごした「思い出」や、イエティから受け取った様々な「想い」は、ひかるさんの心の中で生き続けます。その証が、「スマートスピーカーに映るイエティ」なのかもしれません。
輝美「ひかるなら、いまごろ発射の準備でしょ?」
春吉「まったく、連絡すると言ったのに」
ひかる「…もしもし?」
陽一「やっと出た」
ひかる「あ、ごめん。寝てて」
陽一「寝てたって。もうすぐ宇宙に行くっていうのに。ひかるらしいなぁ」
ひかる「あはは」
歳を取り、シワが増えている輝美さん。
ここで私たちは、Aパートで映し出されていた出来事が「夢」であることを、48話から既に十数年程度の歳月が流れていることをまざまざと突きつけられるわけですが、上記のカット、ちょっと右側に注目してもらっていいでしょうか。そこにいるのは誰でしょう?
そう、ひかる父・陽一さんです。
陽一さんがいること自体は特に不思議ではありません。しかし、春吉さんと同じ空間に「当たり前のように」陽一さんがいるという事実は、スタプリ22話を思い出していただければ分かる通り、当たり前のことではありません。何気ないシーンですが、あれから春吉さんと陽一さんの関係性が改善されたことがうかがい知れます。
さらに言えば、春吉さんはひかるさんが宇宙に行くことを応援している様子です。家族は一緒にいなければいけないと強く主張していた春吉さんが、家族と離れ離れになりがちな職業に就くひかるさんの「想い」を尊重し、その出発を見守っていることは、春吉さんがひかるさんのイマジネーションの影響を受けた証でもあるように思います。
ひかるさんの部屋に映るのは、「観星中学校クラスメイト(2年3組)」「観星高校UMA研究会一同」「観星大学航空宇宙学科一同」からの花束や寄せ書きです。ひかるさんが自分の夢に向かって一直線に進んできたことが分かります。
ところで、テーブルの上に置いてある「犬のぬいぐるみ」は何なのでしょう? キュアグレースのパートナー・ラテに似ているかもと思うくらいで、それ以上のことが思い浮かびません。何か思いつく方がいらしたらぜひ教えてください。
というわけで、全編の考察はここまでで。
また後編の考察もできたらアップします。
→書きました。
以上、スター☆トゥインクルプリキュア49話の感想考察(全編)でした。
前回のスタプリ48話の考察です。ぼっろぼろに泣きながら観てました。最高でした。ほんともう素晴らしかったです。
ヒーリングっどプリキュアがどういう話になるのかを公式情報を基にいろいろ考えてみました。
スタプリ秋映画の考察です。2020年2月19日にBlu-ray、DVDも発売予定です(宣伝)