金色の昼下がり

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【スタプリSS・小説】『心の拘束具』 ユニアイの二次創作

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 数日前、スター☆トゥインクルプリキュアの妄想(ユニアイ)でこんな呟きをしました。

 

 

 本当はユニの泣き顔が見たくて妄想していたんですが、気が付けばアイワーンちゃんが泣いてました。悔しいので試行錯誤していたんですが、やっぱりアイワーンちゃんが泣いてしまいました。

 

 正気を失いながら書いたので、正気を失っているうちに公開します。 

 アイワーンちゃんがユニのことをめちゃくちゃにしようとするけどうまくいかず、最後には泣いちゃう話です。

 

(ユニアイ/シリアス/全年齢...と思ったんですが12~15禁くらいにはなるのかも...?/2000字程度)

 

 

心の拘束具


「……はぁ、はぁ、はぁ」

 

 単眼の少女が荒い息をしている。背丈を見る限りでは、少女というより幼女という方が適切かもしれない。彼女は、その体には不釣り合いの大きさのムチを手に携えながら、磔台に拘束されている少女を見据えている。

 

「……ふっ、はっ、はぁ」

 

 度重なる暴力の行使により、少女の尻尾は力なくだらんと垂れ下がっている。無理もない。監禁されてからもう半日は過ぎている。その間、少女は一時の休みを与えられることもなく、暴行を受け続けていたのだ。

 

「……けほっ、はぁ、はぁ」

 

 しかし、どういうことだろう。
 磔台の少女は、無言のまま、意思のこもった視線を彼女に向け続けている。心が折れている様子はまったくない。その目には、苦しみや悲しみどころか、怒りや憎しみといった感情すら見えない。

 

「……はぁ、はぁ、はぁ」

 

 先ほどから荒い呼吸をしているのも、ムチを振るわれる少女ではなく、ムチを振る彼女の方だ。彼女は再びムチを振り上げようとするが、肩に痛みが走り、断念を余儀なくされる。舌打ちをすると、ムチを殴り捨てる。

 

「その目は……その目は……なんだっつーの……!」

 

 彼女は叫ぶようにして言う。
 すると、磔にされている少女が、表情ひとつ変えずに応える。

 

「これで――満足したニャン?」

 

 グッ、とその青い髪の毛を無理矢理つかみ取る。目と目を突き合わせ、唾を吐きかける。
 しかし、目の前の少女は、目を逸らすことなく、目を閉じることもなく、彼女のことを見据え続ける。

 

「あんたは……あんただけは、許さないっつーの!」
「許さないから、どうするの?」
「あんたのことを……めちゃくちゃにしてやるっつーの!」
「好きにしなさいよ」

 

 思わず拳を振り上げたとき、ズキリ、と再び肩に痛みが走る。

 唇をかみしめる。血の味がする。自分は圧倒的な優位に立っているはずだ、と彼女は考える。だというのに、なぜ、何もかも上手くいかないのだろう。
 つかんでいた髪を離し、その場に座り込む。胸の奥から湧き上がっていた怒りや憎しみは、いつの間にか疲労感と虚無感にすり替わっている。

 

「くそっ……もう、疲れたっつーの」
「……それ、あなたが言うの? 逆じゃない?」
「黙れっつーの」
「…………」
「気付いたっつーの……。あんたが憎い。あんたを苦しめたい。あんたを傷付けたい。……でも、いくらやっても、この欲望が満たされることはないってことに」
「…………」
「おい、何とか言えっつーの」
「黙れって言ったのは、あなたでしょう」
「喋れっつーの」
「ワガママな人ね」
「あ? 悪いかっつーの?」
「悪くないわ。わたしだってあなたと同じだから」
「……どういう意味だっつーの」
「人は自分のことしか考えてない。わたしだってそう。惑星レインボーの仲間を救いたいという思いで、他の人の大切なものを奪ってきた。あなたのことをとやかく言える権利は、わたしにはない。どこまで自分勝手で、どこまでもワガママで、どこまでも利己的……そういう意味では、わたしもあなたも同じ、似た者同士なのよ」
「…………」
「ねえ、アイワーン」

 

 少女は言う。

 

「わたしたち、出会い方が違えば、もしかしたら――」

 

 やめろ、と彼女は言おうとする。それ以上は言うな、と叫ぼうとする。
 しかし、彼女は口を開くことができない。だから、祈った。心のなかで、少女がその言葉を最後まで発しないことを、ただ、祈った。

 

「……ねえ、ちょっと」

 

 その祈りが届いたのかどうかは分からないが、少女は続きの言葉を口にすることはなかった。
 代わりに、その口からは思ってもいない言葉が紡がれる。

 

「何で、泣いてるよの」

 

 指摘を受けて初めて、彼女は――アイワーンは、気付く。
 自分の目から、一筋の感情が流れていることに。

 

「なっ、何でも……ないっつーの!」

 

 アイワーンは踵を返すと、そのまま振り向くこともなく部屋を出る。
 扉を閉めると、再びその場に座り込む。チャリ、とパーカーのポケットから金属のこすれ合う音が鳴る。それは鍵だ。少女の――ユニの拘束具を解くための。
 アイワーンはポケットに手を突っ込み、その鍵をぎゅっと握りしめる。顔を伏せながら、込み上げてくる感情を喉の奥で押しとどめる。嗚咽しそうになるのを、ギリギリのところで耐える。
 このとき、アイワーンはひとつの想像をしていた。
 いや、それは想像ですらない。くだらない空想だ。ふざけた妄想だ。ばかばかしい幻想だ。
 もしいま、ユニの拘束具を解けば、自分の涙をぬぐってくれるのではないか――なんて。

 

「……バケニャーン」

 

 その名前を口にした瞬間、今度こそ、嗚咽を我慢できなくなった。

 

 了

 

 

 

 

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 最近の私の悩みは、ユニの泣き顔が好きなのになかなかユニが泣いているところを妄想できないところです。特にアイワーンちゃんとセットで考えると、どうしてもアイワーンちゃんが泣いてしまう。なぜ…。

 

 以上、読んでいただきありがとうございました。