金色の昼下がり

プリキュアについて割と全力で考察するブログ

スタートゥインクルプリキュア 3話【全力考察・感想】ゴッドオブゴッド回

 スタプリ3話、今回も素晴らしかったですね。

 控えめにいって神がかってませんかね

 ゴッドオブゴッドですよ、これは。

 

 

1.スタプリ3話が神回である3つの理由

1.プリキュア名物の喧嘩回

 今回はプリキュアのド定番、喧嘩回でした。

 

 過去作においても素晴らしい喧嘩回が放送されてきたのと同じように、スタプリの喧嘩回も神がかっていました。

 

 ちなみに過去の尊い喧嘩回(一部)は下記の通りです。

なぎさ「あなたなんてプリキュアってだけで友達でも何でもないんだから!」

出典:『ふたりはプリキュア』第8話

 

リコ「ちょっと魔法が使えたからっていい気にならないで!」

出典:『魔法使いプリキュア』第5話

 

 喧嘩回はもう涙なしには視聴できませんね。

 素直さと意地を同時に内包する、思春期ならではの表現技法であり、私も3度の飯より大好きです。

 

2.①喧嘩して以前より仲良くなるところが尊い

 名前とはその人の存在そのものを指す言葉です。

 呼び方には、相手に対する親密度が否応なしに含められることになります。

 

 これまでは「星奈ひかる」「ララちゃん」と呼び合っていた仲だったのが、今回の喧嘩を機に「ひかる」「ララ」に変わりました

 

 もうお腹いっぱいです。

 尊すぎて動けません。

 

3.②仲直りできたからこそ敵に勝てたところがいい

 今回の敵キャラ、天狗のテンジョウは、カッパードよりも統率が優れていると称される強敵でした。

(暗にディスられるカッパードさんかわいそう)

 

 行動の速いひかるだけが突っ込んだときは、あえなく迎撃されていました。

 そこで彼女は、分析が得意なララに助言を求め、それに従うことでテンジョウに打ち勝ったのです。

 

 いえ、今回、ひかるが打ち勝ったのはテンジョウでもなければ、ノットレイダーでもないでしょう。

 

 ひかるが打ち勝ったのは、「自分と異なる考えを持つ相手(ララ)を理解しようとせず、自分の価値観を押し通そうとするエゴイズム」だったのです。

 

(エゴイズムに打ち勝つ、といえば、最近の映画だと『シュガーラッシュオンライン』を思い出しますね)

→参考記事 

【感想・考察】シュガー・ラッシュ:オンライン【顕在したエゴイズムを克服できるか】

 

 ひかるがエゴイズムに打ち勝ち、ララと文字通り手を取り合って敵を倒すシーンは、涙なしでは見られませんでした。 

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戦闘中にひかるとララが手を取りあって敵を倒すシーン

出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第3話

 

 手を取り合ったときの「バシン!」という力強い効果音は、魔法使いプリキュアを彷彿とさせました

 

 また、変身シーンで歌うところがデュエットになっていたのも最高でした。

 プリキュアが増えていくと、歌うシーンもどんどん熱く厚くなっていくのでしょうか。

 楽しみすぎますね。

 

 

4.③仲直りのサインがいい

 ララの触覚、めちゃくちゃ良くないですか

 あれを考えた人は十中八九天才だと思います。

 

 ララは、ひかるに対し、ちょんと触覚を触れさせて仲直りのサインを出していましたが、手と手を取り合うよりも控えめなその行動は、控えめであるがゆえに、より際立って表現されていると思うのです。

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ララの触覚がひかるの手に触れるシーン

出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第3話

 

「(ひかると呼ぶことに対して)その方が効率的ルン!」といってはにかむララの微笑は、まさしく女神であり、天使でありました。

 

2.ひかるとララの喧嘩には全宇宙の命運がかかっていた

 ひかるとララのあいだに生じた断絶。

 これは、「未知なる存在」との断絶(闘争・逃走・レッテル貼り)を示します。

 

 さて、第1話~第2話の考察でも書いたように、「未知なる存在」に対して理解・受容をせず、自分たちの世界観・価値観を押し付け征服しようとしている存在が、今作でいうところのノットレイダーでしたね。

 

 言い方を変えれば、今回、フワの仲裁がなければ、ひかるとララの関係性は、彼女たちとノットレイダーとの関係と同じようなものになりかねなかったのです。

 

 ひかるとララの関係がどうなるのかというのは、まさしく、地球の、いえ、宇宙の命運を握っていたといえましょう。

 

 また、ひかるを今作の主人公たらしめているのは、ひかるの好奇心旺盛で決めつけ(レッテル貼り)をせず、世界観を共有していくその姿勢にあります。

 未知なる存在に手を伸ばし、多様性を受容していく態度にあります。

 

 それが否定されたとき、ひかるは主人公としての役割を失い、キャラクターとしての死を迎えることになります。

 

 文字通り、今回、ひかるとララが仲直りできるかどうかは、ひかるのキャラクターとしての生死がかかっていたのです。

 

 今回はひかるが「絶対にいってはならない致命的な言葉」を言い終える前に、フワが泣き叫んで止めてくれました。

 あと天宮えれなパイセンが渡してくれた赤い花(後述)のおかげでもあります。

 

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ひかる「ララちゃんなんか 大嫌ーー」

 出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第3話

 

 今後も二人は喧嘩することがあるのでしょうか?

 どちらかがどちらかに「絶対にいってはならない致命的な言葉」をいってしまうことはあるのでしょうか?

 今後の展開が楽しみです。

 

(逆に、『ふたりはプリキュア』第8話が伝説として語り継がれているのは、「絶対にいってはならない致命的な言葉」をいってのけ、奈落のどん底から説得力をもたせて関係性を回復させた点にあります)

 

3.赤い花の考察

1.正体は赤いガーベラ?

 天宮えれなパイセンがくれた赤い花は何かなと思って調べてみました。

 おそらく、赤いガーベラじゃないかなと思います。

 

 比較画像は下記の通りです。

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天宮えれなパイセンからもらった赤い花(3話が終わるときのシーン)

 出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第3話

 

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 赤いガーベラ

 花びらの形も、中央が黄色いのも似ていますね。

 

2.赤いガーベラの花言葉は?

 赤いガーベラの花言葉を調べてみたところ、下記の通りでした。

ガーベラの花言葉:

「希望」「常に前進」「辛抱強さ」「神秘」

(赤)「神秘」

出典:ガーベラ : 【花言葉】公式サイト|全国花言葉普及協会

 

 前向きな言葉が連なっていますね。

 

 2人の仲直りシーンにも使われたこの花は、ひかるやララは全宇宙にとっての「希望」であることのメタファー。

 あるいは、相手の言い分が理解できず喧嘩しそうになっても「辛抱強く」対話せよ、ということを示していたのでしょうか?

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赤い花をもって涙を流すフワ

 出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第3話

 

 実際、この花を見ることで、ひかるとララの2人は、天宮えれなパイセンからいわれた、「お互いの話をちゃんと聞こうね」という言葉を思い出したわけです。

 

 また、プルンスが「プリキュアがもっといればもっと強いだろうな」的なことをいった直後に、天宮えれなパイセンからもらったこの赤い花がアップされています。

 

 これは、天宮えれなパイセンもまたプリキュアになることを暗に示しています。

(次回予告でもいわれているので、もはや暗でもないですが)

 

 

4.教訓っぽい話

1.ひかるはちゃんと考えている

 好奇心旺盛で「キラヤバ~!」が口癖のひかるは、一見すると直情的な「考えるより動く」という、魔法使いプリキュアでいうところ「みらい」のようなキャラクターに見えるかもしれません。

 

 しかし、ひかるは何も考えずにただ動いているわけではありません。

 一見不可解なひかるの言動には、ひかるなりの「理論」があり、その「理論」に従って行動しています。

 

 具体的には、3話にて、ひかるは下記のような突拍子のない(ように見える)行動をとっていました。

  • 急にドーナツ屋にいく
  • 急にホタルの光を探しに行く

 

 ホタルのくだりはまだしも、視聴者の私たちですら、ひかるが「急にドーナツ屋にいった」のは、「食べ物に釣られて立ち寄った」のだと誤解(レッテル貼り)していたんじゃないでしょうか?

 

 しかし、自身の振る舞いを反省したひかるは、ララに説明します。

「ドーナツ屋にいったのは、噂話が集まる場所だから」

 

 この言葉にはっとさせられたのは、ララだけではなく、視聴者である私たちにとっても同じでした。

 ひかるはただ直情的に動いているわけではなく、ひかるなりに考え、「プリンセスの力があるところを探すため」の行動だったのだ、と気付かされます。

 

 これは、まさしくララにとって、「未知なる存在」の思考・行動が、「理解可能」なものに変化した瞬間でした。

 

2.語らなければ伝わらない

 ひかるの反省点は、自分の行動する理由を事前に説明しなかった、という点でしょう。

 

 自分は自分のことを理解していても、他人が同じように理解してくれていることはまずあり得ません。

 それはそうです。

 あなたはあなたであり、私は私なんですからね。

 

 だからこそ、それを反省したひかるは、自身の考えをきちんとララに説明したわけです。

 そして、ララもまた、データ解析という「ララにとっての正論」を振りかざすだけで、自身の行動の理由を説明しなかったことを反省したわけです。

 

 ララにとっては、データ解析を重視することは、いわば「自明の理」であり、「議論する余地のないもの」「当たり前の常識的判断」でありました。

 しかしながら、それはあくまでも「ララにとっては」という枕詞をつけなければならない、手前勝手なものでしかなかったのだと気付きます。

 

3.子どもにとって大切なことは大人にとっても大切

 今回の話を見て、「子どもにはありがちだよね~」と他人事のようにつぶやくのは、クレバーとはいえません。

 

 これは、大人も同じです。

 大人だって、ついつい、自分と世界観の異なる人に対して、理論的な説明をせず、自分の価値観を押し付けようとしてしまいます。

 

 子どもにとって大切なことは、得てして大人にとっても大切なことなのです。

 自戒をこめて。

 

4.聞く側も聞く姿勢が必要

 ララはひかるの言い分を聞こうとしませんでしたし、ひかるもまたララの言い分を聞こうとしませんでした。

 

 自分の考え(価値観)を説明するのも大事ですが、相手が聞く姿勢になければ意味がありません

 ひかるとララの間でも、やはり断絶(喧嘩・闘争)が生じました

 

5.「大人」だって「子ども」の話を聞く姿勢が必要

 これは「子ども」と「子ども」や「大人」と「大人」の話だけではなく、「大人」と「子ども」でも同じです。

 

 子どもの一見意味不明な言動にも、その子どもなりの理由があります。

 

 今回、ひかるが急にドーナツ屋に行ったとき。

 もし自分が親で、その場にいたら、やっぱり「寄り道してる場合じゃないぞ」とツッコミを入れていたかもしれません。

 ひかるの話を聞こうとせずに、頭ごなしに注意していたかもしれません。

 

 しかし、ララがそうしたように、理由も聞かずに頭ごなしに子どもの言動を否定するとどうなるか。

 子どもは自分の考えを発するタイミングを失い、親もまた、子どもの考えを知る機会を失ってしまいます。

 

 それを繰り返していくと、いずれは両者のあいだに断絶が生まれてしまうでしょう。

 

 

5.まとめ

 ということで、この記事をまとめると下記の通りです。

  • 第3話はプリキュア定番の喧嘩回であり神回
  • ララが女神
  • ひかるとララが仲直りできるかは全宇宙の命運がかかっていた
  • 赤い花はたぶん赤いガーベラ
  • 相手は自分とは異なる存在であり、きちんと話をする姿勢・話を聞く姿勢が大事
  • ララが天使

 

 以上、スタートゥインクルプリキュアの第3話は最高に面白かったよ、という話でした。

 勢いのままに書き上げたので、また加筆修正するかもです。

 ちなみにこんな記事も書いてます。よかったらどうぞ。

kirinnekokun.hatenadiary.jp