金色の昼下がり

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【スタプリSS・小説】『触覚と唇』ひかララの二次創作

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 数日前、スター☆トゥインクルプリキュアの妄想(ひかララ)でこんな呟きをしました。

 

 

 明日(8月25日)になったら惑星サマーン編(スタプリ29話)に突入するので、そうなったらこんな妄想もやりづらくなってしまうかも? と慌てて書きました。

 

 正気を失いながら書いたので、正気を失っているうちに公開します。

 ただひたすら、ひかララがイチャイチャする話です。

 

(ひかララ/全年齢/百合/3000字程度)

 

 

触覚と唇


 もちろん、様子がおかしいことには気付いていた。


 惑星サマーンに到着しても、ララの表情は浮かないままだった。
 曇った顔つきで、ララはいった。

 

「ひかる、サマーンでは挨拶しちゃ駄目ルン」
「え? どうして?」
「何でもルン……」

 

 ララはぷいっと顔をそむける。

 

「あ、もしかして、ヤキモチ?」 
「ちっ、違うルン!」

 

 急に声を荒げたかと思うと、ララはひとりで先に歩いていってしまう。

 やっぱり様子がおかしい。ララを追いかけながら、わたしは考える。でも、理由が分からない。

 公園のようなところに出たとき、誰かと待ち合わせをしている様子のお姉さんに「こんにちは」と挨拶をしてみた。ちらとララの方を見ると、「オ、オヨ……!」と何やら慌てている。
 わたしはニッと笑って、お姉さんに向き直る。

 

「初めまして! わたし、星奈ひかる! 宇宙と星座が大好きな中学二年生!」

 

 いつもララに対してやるように、両手の人差し指を前に出す。
 しかし、どれだけ待ってもお姉さんの触覚はこちらに来ない。
 お姉さんは顔を赤らめ、唖然とした表情でわたしの顔をじっと見る。

 

「そ、その手……触覚のつもりルン……?」
「わたしにはサマーンの人みたいに触覚がないので!」
「そしたら、これの意味も知ってるルン……?」
「え? あ、はい……?」

 

 意味って何だろうと一瞬思うけれど、あまり深く考えずにうなずいておく。

 

「ごめんなさい……わたしにはもう相手がいるルン」
「あ、相手……?」

 

 お姉さんのいっていることが理解できず、ララに助け舟を求めようとする。

 しかし、ララは顔をそらしてこちらを見てくれない。

 

「――ごめん、待ったルン?」

 

 そうこうしていると、お姉さんのもとにかわいい格好をした女の子が来る。わたしよりは年上だけど、お姉さんよりは年下に見える。

 

「ううん、いま来たところルン」

 

 お姉さんがにっこり笑って答える。

 

「ところで、この子、どうしたルン?」
「たまたま会った地球の子で、名前は……」
「星奈ひかるです!」

 

 そういって、わたしは諦めずにもう一度人差し指を出してみる。
 女の子はむっと眉をひそめる。

 

「ちょっと、それ、意味分かってやってるルン?」
「え、あ、はい……」
「悪いけど、こういうことだから、他を当たるルン」

 

 女の子はお姉さんに向かって触覚を差し出す。

 

「ちょっと、こんな人前で……」

 

 お姉さんはたじたじになりながらいうが、女の子は意に介さない。

 

「好きなだけ見せてあげればいいルン」

 

 女の子は自分の触覚をお姉さんのそれにタッチさせたかと思うと、そのままどんどん絡ませていく。

 

「ちょ、やっ……やりすぎ……!」
「ふふっ。たまにはいいルン」
「もう……っ」

 

 二人は自分たちだけの世界に入りこんでいく。
 顔を赤らめながら触覚を絡め合う二人のことを見ていると、いくらわたしでも「それ」が何を意味するのか理解できた。

 二人が手を繋いで歩き去っていくのを見届けると、ララの方を振り向いた。

 ララは無言で足元を見つめている。髪の毛が邪魔で、表情が見えない。

 

「ね、ねえ……触覚の挨拶って……」

 

 おずおずと尋ねる。肩に触れようとすると、パシンと手で払いのけられる。

 ララは顔を上げていう。

 

「だから……連れて来たくなかったルン……」

 

 その顔は、痛々しいくらい、真っ赤に染まっている。

 胸がキュッと痛む。ララの顔に、視線を縫い付けられてしまう。

 

「.......もう嫌ルン」

 

 ポツリというと、ララは踵を返して逃げ出そうとする。

 わたしは咄嗟にその手を掴んだ。

 

「や.......離すルン.......!」

「ララはわたしのこと、嫌い?」

「ち、違うルン.......。でも、嫌ルン.......」

 

 蚊の鳴くような声でララはいう。

 

「何が嫌なの?」

「だって、こんなの、恥ずかしすぎるルン.......」

 

 心臓が高鳴る。

 ララの顔が見たい、とわたしは思った。

 もっと、もっと、近くで。

 

「.......ねえ、ララ」

 

 わたしが一歩近付くと、何かを察したララは半歩だけ遠ざかる。

 一歩、また一歩。

 半歩、また半歩。

 繰り返しているうちに、ララとの距離は、少しずつ、確実に縮んでいく。

 やがてその距離が数センチにまで迫ったとき、ララはぎゅっと目を閉じた。目頭から、一筋の雫が流れ落ちる。

 わたしはそれを指でぬぐい、ララの顔をじっと見つめる。

 

「泣かないで。こっちを見て」

 

 声をかけると、しばらくしてから、ララが恐る恐る目を開ける。

 

「ララの瞳って、綺麗だよね」

「きゅ、急に何をいうルン……」

「ララを見てるとさ、わたし、宇宙とか星座を見てるときと似たような.......でも、それよりもずっと、温かい気分になるんだ」

「……意味が分からないルン」

「うーん、伝わらないか~……」

 

 ララはぷくっと頬を膨らませ、上目遣いでわたしを見る。

 

「……ちゃんといってくれないと、分からないルン」

「え~……それはちょっとわたしも恥ずかしいな……なんて……」

「わたしはもっと恥ずかしい思いをしてるルン」

「まあ、それはそうだね」

「……ひかるなんか嫌いルン」

「ご、ごめんって~!」

 

 謝りながらも、ララの態度があまりにも分かりやすくて、思わず笑ってしまう。

 

「ララ.......」

 

 その名前を口にすると、胸のなかが温かい気持ちでいっぱいになる。

 わたしは改めて、両手の人差し指を見せる。

 

「『挨拶』、しようよ」

「.......それは、ただの挨拶じゃないルン」

「うん」

「.......大切な人以外には、しないものルン」

「うん」

「.......本当に、分かってるルン?」

 

 人差し指で、ララの頬をツンと触る。すべすべしていて、柔らかい。少しだけ濡れているのは、涙のあとだ。

 わたしはララのことを真っすぐ見つめていう。

 

「全部、分かってるよ」

 

 程なくして、ララの触覚がわたしの指に絡みついてくる。何かを確かめるように、ゆっくりと。

 そして最後に、触覚の先端がわたしの指先に押し当てられた。

 ぷにっとした感触だ。いつも当たり前のようにやっていたことなのに、その意味を知った今では、胸がドキドキして張り裂けそうになる。

 

「ララはいつも、こんな気持ちだったんだね」

 

 こくんとうなずき、ララはわたしの顔を見つめる。

 濡れたように煌めく瞳。

 それはたぶん、わたしだけしか知らない表情だ。

 これまでも、そして――これからも。

 

「ひとつ教えるとね、地球の『挨拶』は、触覚じゃなくて、唇を使うんだ」

「唇ルン?」

 

 返事をする代わりに、ララの触角を優しく持つ。顔を近付けて、そっと口付けする。

 ララは「んっ」と声を漏らす。ピリッとした微かな電流が唇に伝わる。

 

「な、なんだか……変な感じルン」

 

 ララははにかむように笑う。 

 

「ねえ、ひかる。この『挨拶』、地球人同士なら、どうするルン?」

「え? そ、それは……その……」

「分からないから、教えて欲しいルン」

「え、えーと……」

 

 答えられずにうろたえていると、ララはくすっと笑った。

 

「冗談ルン」

「な、なーんだ! えへへ……もう……急にそんなこというからびっくりし」

 

 た。

 と、最後までいうことはできなかった。

 温かくて柔らかいものが、わたしの唇を塞いでしまったせいだ。

 激しい電流が走り、頭のなかが真っ白になる。

 ララが顔を離してからも、しばらくのあいだ、わたしの頭は動かなかった。

 

「冗談じゃ……なかったの……?」

 

 ようやく口にできたのは、そんな言葉だった。

 

「ルン。本当はこれくらい、知ってるルン」

「冗談って......そっちの意味......?」

 

 わたしの口元を触りながら、ララは悪戯っぽく笑う。

 急に恥ずかしさが込み上げてくる。手で顔を隠そうとするが、絡みつく触覚に阻まれる。ララの腕が、するするとわたしの腰に回される。

 

「ひかる、大好きルン」

 

 返事はできない。わたしの唇は、再びララの唇によって塞がれていた。

 

 

 

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 最初ひかララ沼にはまり込んだと思ったら、ひかユニ、ユニアイ、プルユニなどいろんな沼に手を出していて節操がないな~と自分でも思いますが、どれも本当に好きなんですよね…。えれまどやカパひかも好きですし、またいろいろな妄想をしたいなと思います。

 

 読んでいただきありがとうございました。

 

<追記>(2019年8月25日)

 サマーン人の語尾等を若干修正しました。