金色の昼下がり

プリキュアについて割と全力で考察するブログ

【トロプリSS・小説】『一之瀬みのりは本当(リアル)の恋を知らない』※さんみのの二次創作

  実体験がないという理由でリアルなキスシーンが書けず悩んでいると「じゃあ実際にしてみますか…?」と真っ赤な顔のさんご後輩に提案されたみのりん先輩の話です。

 

(さんみの/百合/GL/7000字程度)

 

 

 

 

『一之瀬みのりは本当(リアル)の恋を知らない』

 

 一之瀬みのりは行き詰まっていた。
 トロピカる部の活動はそのときどきによって異なる。『今一番大事なことをやる』というのが大まかな方向性であり、今回はさんごの提案によりみんなでリレー小説を書くことになっていた。
 文芸部に所属していたことのあるみのりは、物語の終盤の部分を任されたのだが――


「……みんな、個性が強い」


 離島から都会に引っ越してきた主人公が、都会の女王になるのを目指して奮闘し、流行りのかわいい動物のゲームをしていると、ゲーム内で知り合ったかわいい女の子と付き合うようになる……みんなから渡された原稿を要約すると、そんな感じ。それぞれが自分の好きなことを書いているのがよく分かる内容だった。


「……はぁ」


 その日、何度目になるか分からないため息をつく。みんなの書いている内容が面白くないからではない。それぞれの『好き』が伝わってきて、とてもいい文章だと思う。みのりにため息をつかせているのは、他の誰でもない自分自身だった。


「……やっぱり、書けない」


 もともとリレー小説を書くことには乗る気ではなかった。こうして原稿用紙を前にすると、どうしても文芸部を辞めたときのことを思い出してしまう。リアルじゃないと言われた小説。芯の折れた鉛筆。心の奥に沈殿している、苦い過去を。
 浮き上がろうとする記憶を再び沈み込めていると、部室のドアが開き、背後から声をかけられた。


「みのりん先輩」


 彼女は自然な動作でみのりの隣に座った。
 オシャレでかわいい一年生。部員の中でも最近は特別親しくしている涼村さんごだ。


「リレー小説の原稿、書いてるんですか?」
「そうなんだけど、どういうふうに書けばいいのか分からなくて」
「あ……、すみませんっ!」
「? 何でさんごが謝るの?」
「わたしが急な展開にしちゃったから、ですよね……」


 さんごが担当したのはみのりの直前の部分、つまり『ゲーム内で知り合ったかわいい女の子と付き合う』ところだ。正確にいうと、いまにもキスをする直前で物語のバトンを渡されていた。


「ううん。さんごの書いたところ、面白いと思う」
「ほ、ホントですか?」
「恋愛感情がリアルに書かれて良いと思う。でも、どうせならキスシーンが終わるところまで書いてほしかったかも」
「すみません……みのりん先輩がどんなふうに書くのか、ちょっと読みたくて」
「? どうして?」
「あ、いえっ。特に理由はないです、けど……」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど……わたしには、キスシーンなんて書けない」
「どうしてですか?」
「だって、したことないから」
「えっ」


 さんごはびっくりしたような、それでいてどこか嬉しそうにも見える表情を浮かべたかと思うと、やけに明るい声で尋ねてくる。


「経験がないことが、何か関係あるんですか?」
「経験のないと、どうしてもリアルに書けないから」
「な、なるほど……」
「さんごだったらどういうふうに書く?」
「え、え……? わたし、ですか……?」
「うん。さんごはキスしたことあるでしょ?」
「えっ、な、ないですよ!? 何であると思ってるんですか!?」
「あ、ないんだ」
「ないですよ!」


 さんごくらいオシャレでかわいい子であれば、小学生のときからキスくらい済ませていると思っていたが、そんなことはないらしい。意外だったような、それでいて安心したような気持ちだった。


「あ」


 唐突に、さんごが声を上げた。


「どうしたの?」


 何か思いついたらしいが、いったい何を思いついたのだろうか。さんごは恥ずかしそうに、どんどん顔をうつむかせていく。


「い、いえ……その、小説のことで、ひとつ思いついたことがあるんですけど……や、やっぱり、何でもないです……」


 すっかり小さく縮んでしまったさんごに、みのりは優しく声をかける。


「何か思いついたことがあるなら、教えてほしい。わたしも行き詰ってて困ってるから」
「あぅ……」


 さんごの視線が逃げるようにあちこちをさまよう。
 辛抱強く待っていると、やがてさんごは覚悟を決めたように、


「あの……じゃあ、言いますね」
「うん」
「実際に……したら、いいんじゃないかなって」
「え?」
「だから……キスしたことがないから書けないなら、実際にすればいいんじゃないかなって」
「……なるほど」


 その発想があったか。
 みのりはうなずいたが、すぐさま壁にぶち当たる。


「でもわたし、そもそもキスできる相手がいないし……」
「……でよければ」
「え?」
「わたしでよければ、き、き、キス、しても、いいです」
「……ごめん、もう一回言ってもらってもいい?」
「わたしでよければキスしてもいいって言ってるんです!」


 自棄になったような大きな声で言う。その顔は痛々しいくらい真っ赤に染まっていた。
 そんなさんごを見て、ようやくみのりはこの後輩から自分が好かれていることを悟った。それも単なる友だちとしての好きではない。恋愛としての好きなのだと。


「だ、だめ、ですか……?」
「い、いや……、だめというわけじゃ、ないけど……」


 咄嗟にそんなふうに答えてしまう。間近で見るさんごの顔はいつもに増してかわいくて見えて、心臓が早鐘を打ち、体が火照ってくる。
 涼村さんご。ふわふわした見た目と性格をしていて、いつも周囲のことをよく気にかけている、とても優しい後輩。最近では休みの日に二人で遊ぶことも多かったし、彼女に対して特別な感情を抱きはじめていることも、自覚していなかったわけではない。


「じゃあ、あの、してくれますか……?」


 さんごが目を閉じた。
 ゴクリ、と生唾を呑む。
 じっとりと汗ばむ手で拳を握りながら、みのりは吸い寄せられるように、ゆっくりとその唇に顔を近付けていく。
 綺麗で柔らかそうな唇。
 それは、まるで、まるで――


 ――みのりってさ、恋したことある?


 不意に。
 みのりの脳裏に、一年前の記憶が蘇る。
 闇色の混じった夕陽に照らされた部室。そこに立っているのは、いまはもう卒業した二つ年上の文芸部の元部長。
 一年生のころに憧れていた先輩であり、みのりが“偽物”の恋心を寄せていた女(ひと)である。


 *


 ――みのりってさ、恋したことある? 好きな人とか、いたりする?


 綺麗で柔らかそうな部長の唇が動いた。
 高鳴る心臓を何とか抑えながら、みのりは必死に思考を巡らせる。
 何かの小説で読んだことがある。好きな人はいるかと質問してくる先輩。でもその先輩は、実は主人公のことが好きで……。
 顔が熱くなってくる。こんなことを聞いてくるということは、もしかして部長も、自分のことが気になっているのかもしれない。ひょっとすると、ひょっとしたりする可能性も、あるのではないだろうか。


 ――いえ、あの、実は……。


 わたしは部長のことが好きなんです。部長の書く小説が好きで、部長と顔を合わせるだけで胸がドキドキして、目を合わせていると体の奥が熱くなるんです。
 みのりが意を決して、告白しようとしたときだった。


 ――そっか。じゃあ、しかたないか。


 口ごもっているうちに、部長はみのりに「好きな人がいない」と判断してしまったらしい。
 慌てて訂正しようとしたとき、部長は手にしていた原稿用紙に視線を落としながら続けた。


 ――っていうのも、みのりが書いたこの小説。恋愛パートのところが、なんていうか、リアルじゃないなって思ってさ。


 ……え?
 血の気が引いていくのが自分でも分かる。咄嗟に何か言おうとしたが、口はパクパクと動くだけで、声を出すこともかなわない。
 みのりが黙っているうちにも、部長は厳しい指摘を続ける。


 ――みのりの描写に足りないのはリアルさだよ。
 ――恋愛を書くなら、実際に恋したときの感情を反映させたらリアルになると思う。


 目の前が、真っ暗になった。
 自分の書いた恋愛にはリアルさがない。
 要するにそれは、部長に対するこの想いが“偽物”だと断じられているのと同じではないか……?


 ――でも、恋したことないなら、しかたないよね。


 部長は親身になってアドバイスをしているつもりなのだろう。善意によって研がれた言葉の刃は、いともたやすく体を貫いていく。
 もうやめてください。そう言えればどれだけよかっただろう。しかしみのりは何もできなかった。突き刺さった刃を抜くこともできず、流れ出た血だまりのように広がる己の影をただじっと見つめることしかできなかった。
 そして、部長はみのりの心臓にとどめの一撃を突き刺した。

 
 ――わたしも実際に恋するようになって、描写の解像度がすごく上がった実感があるんだ。あ、言ってなかったけど、私実はクラスの子と付き合っててさ……。


 部長はその後もアドバイスを続けてくれたが、それからのことはもはや記憶にない。
 ひとつ覚えているのは、音。力の抜けたみのりの手から、一本の鉛筆が滑り落ちた音だ。
 芯の折れた鉛筆は、埃っぽい床の上を見っともなく転がり、やがて死んだように動かなくなった。


 みのりが退部届を出したのは、その翌週のことである。


 *


「……ダメ」


 みのりはさんごから顔を離して、短く答えた。


「……そ、そう、ですよね」


 えへへ、とさんごはわざとらしく自傷的な笑みを浮かべる。


「ごめんなさい、変なこと言っちゃって……。嫌ですよね、わたしとキスなんて」
「……違うの」


 みのりは唇の端をきゅっと噛んで、話を続ける。


「嫌だとは、思わない」
「……え?」
「さんごといっしょにいるとドキドキするし、友だち以上の存在として見ているのは、本当。……キスだって、正直、したいと思う。でも、わたしの抱いてるこの気持ちは、きっと本当の恋じゃないから」


 困惑しながらも、恐る恐るといった様子でさんごが尋ねる。


「……どういう、ことですか」


 真っ白な原稿用紙に視線を落とす。キスシーンだけ書けないならまだしも、その後に続く恋愛描写も自分には書けなかった。それはつまり、自分がいまだに本当の恋愛を、リアルな恋を知らないことを意味する。


 みのりは躊躇いながらも、せめてさんごに対しては誠実に答えようと、いままで誰にも打ち明けたことのない一年前の出来事について話した。
 一年生のころ、文芸部の部長のことが気になっていたことを。しかしその気持ちは本当の恋などではなく、だからこそリアルな恋愛描写を書けず、そのことを他でもない部長から指摘されたことを。


「……わたしはいまも、リアルな恋愛が書けない。だからこれは、本当の恋じゃないんだと思う。こんなわたしが、さんごと、その……キスしたりする資格は、ないと思う。中途半端な気持ちでそんなことしても、きっと後で、傷付けるだけだから」


 さんごは何も言わず、顔をうつむかせている。
 ごめん、とみのりが言おうとした、そのときだった。


「分からないです」
「……え?」
「黙って聞いてたら何なんですか! 本当の恋? リアルな恋愛? 意味が分からないです……!」
「い、意味が分からないって……」


 いままで誰にも言えなかった苦悩を打ち明けたのだ。それを真っ向から否定されて、みのりもムッとなる。


「そんな言い方ない。わたしがどれだけ辛い想いをしてきたか、さんごには分からないと思うけど……」 
「分かりますよ! それはとても伝わってきます!」
「だったら……!」


 言い返そうとしたとき、みのりはハッとなった。
 さんごの目に、大粒の涙が浮かんでいたからだ。


「だから、意味が分からないって言ってるんじゃないですかっ! 先輩は自分の書いた小説を部長さんに否定されて悔しかったんですよね? 部長さんのことが好きだったのに、その部長さんから否定されて辛かったんですよね? しかもその部長さんが他の子と付き合っててすっごく悲しかったんですよね?」


 さんごは声を震わせながら、半ば慟哭するように続ける。


「だったら、その悔しさも、辛さも、悲しさも、ぜんぶぜんぶ先輩が部長さんのことを本当に好きだったから感じたことじゃないですか! それなのに本当の恋をしたことがないなんて、何言ってるんですか!?」
「で、でも……わたし、部長にそう言われたときは、涙も出なかったし……」
「別に悲しいときに涙が出ないことだってありますよ! それくらいわたしだって知ってます! いろんな本を読んでる先輩だったらそのくらい知ってるはずじゃないですか! 何でそうやって自分の気持ちをなかったことにしようとするんですか? 先輩の『好き』が嘘だったわけないじゃないですか!」
「何で、そんな分かったように……」
「それくらい、いま先輩が浮かべてる顔見たら分かります……! だって先輩、こんなに悲しそうな顔してるのにっ……!」


 堪えきれなくなったさんごは、口を一文字に結んでボロボロと泣き始める。
 そんな彼女を見て、どうしてだろう、と思った。どうしてこの子は泣いているのだろう。他人のために、どうしてこんなにも一生懸命なのだろう。
 違う。そうじゃない。
 さんごがこんなに必死なのは、たぶん、わたしだからだ。わたしのことが好きだから、こんなにも必死にわたしのことを考えてくれてるんだ。
 じゃあ、わたしは……?
 わたしは何で、あの女(ひと)が卒業してからもずっと、あの女のことを考えつづけていたんだっけ……?


「あ、」


 視線を逸らしたとき、ふと自分と目が合った。キャビネットのガラスに映る顔。さんごの言う通り、その女は酷い顔をしている。
 みのりは思わず笑ってしまった。


「……そっか」


 笑いと同時に、別のものが込み上げてくる。


「わたし……部長のこと、本当に好きだったんだ」


 やっと分かった。
 なんて愚かだったんだろう。
 わたしは自分の心を偽っていただけなんだ。ずっと忘れられなかったくせに、好きな人から振られた痛みを直視したくなくて、これは本当の恋愛ではないのだと、自分はリアルな恋を知らないのだと言い聞かせて見ないふりをしていただけなんだ。


 喉の奥が熱くなり、笑いはやがて嗚咽に変わる。
 眼鏡を外して目をこするが、その行為にもはや意味などない。拭い取ったところで、涙は絶え間なく溢れ出てくるのだから。


「みのりん先輩……」


 一年越しに失恋したみのりを、さんごが優しく抱き寄せる。みのりが泣き止むまで、さんごはいつまでも頭を撫でつづけてくれた。


 *


「みのりん先輩、お茶いりますか?」
「うん。ありがとう」


 氷しか残っていない水筒をカシャカシャ振っていると、さんごが声をかけてくれる。
 外はすっかり夕暮れだった。最終下校の時間も迫っており、屋上付近を飛び回るカラスの鳴き声が薄っすらと聞こえる。
 二人ともすっかり目が腫れてしまっていたので、しばらく休憩してから帰ろうという話になっていた。


「あっ」


 もらったお茶を飲もうとしたとき、急にさんごが声を出した。


「? どうかしたの?」
「いや、えっと……その……」


 チラチラとこちらを見ながら、さんごは小声でぼそりと言った。


「か、間接キスになっちゃうな、って……」
「…………」


 みのりは静かに手元の水筒を見つめる。指で触れてみると、確かに口の部分は濡れていた。


「さんごは……」
「?」
「わたしのことが、好きなんだよね」
「えっ! えっと、それはその……はい、好き、です」
「それは先輩としてじゃなくて……」
「……はい」
「……わたしの、どこが好きなの?」
「それは……、その、かわいいから、です」
「かわいい……?」


 思わず繰り返すと、さんごはキラキラと目を輝かせながら、


「はい! みのりん先輩はとってもかわいいです! ふわふわな髪の毛もかわいいし、眼鏡も似合っててかわいしい、でもそんな眼鏡を外したときギャップもかわいいし、いつもポーカーフェイスなところも、プリキュアに変身したときに目からビーム出したりしてはしゃぎまわってるのも、ぜんぶかわいいです!」
「そ、そんなことないと思うけど……」
「そんなことないことないです! 誰が何て言っても、先輩はかわいいです!」


 津波のような『かわいい』攻撃に思わず顔が熱くなる。幼稚園や小学生のころはまだしも、中学生になってからは人からかわいいと言われる機会はあまりなかった。


「でも、かわいいって言うならさんごの方がずっとかわいいと思うけど」
「……えっ?」
「あ、」


 思ったことがそのまま口を衝いて出たようだ。さんごが黙る。
 何とも言えないくすぐったい空気に包まれる中、やがてみのりが勇気を振り絞って言った。


「正直、わたしはまだ、先輩のことを完全に吹っ切れたわけじゃないと思う」
「……はい」
「でも、さんごはすごくかわいいと思うし、いっしょにいると胸がドキドキするし、これからもずっといっしょにいたいなって思うのも、本当で、」
「…………」
「だから……もしこんなわたしでよければ、付き合ってもらえる、かな」
「……う、」
「?」
「うううぅぅぅぅ……」


 さんごはポロポロと泣き始める。
 慌てて何か言い訳しようとしたみのりに、さんごは「ごめんなさい」と謝って、


「あの、う、嬉しくて……わたしの方こそ、お願いします」


 今度は、みのりがさんごを抱き寄せる番だった。
 さっきはそれどころではなかったが、こうして抱きしめているとさんごの温もりと感触がよく分かる。もっとさんごのことを感じたくて、自然と腕に力がこもる。


「さっきの提案なんだけど……やっぱり、したいかも」
「え……?」


 顔を上げたさんごと目を合わせて、みのりは言った。


「だから、その……キス、してもいいかな」


 口ごもりながらも、何とか伝えきる。
 するとさんごは、潤んだ瞳で見つめ返しながら、


「……ペケです」


 人差し指で、小さなバツ印をつくった。


「そんなの、いちいち聞いちゃダメです」


 みのりの口に柔らかいものが触れる。
 初めて知る感触。よく知る人からすれば、初々しいだとか、そんなふうに言われるかもしれない。だがみのりにとって、それはいままで感じたことのない感覚であり、二度と忘れることのないであろう衝撃だった。
 しばらくして顔を離したさんごが、恐る恐るといったふうに尋ねる。 


「……ど、どうでしたか?」


 バクバクと破裂しそうな胸を抑えながら、みのりは何とか答えた。


「うん……ええと、リアル、だった」
「……も、も~、……何ですか、それ」
「でもこれで、リレー小説の続き、書けるかも」


 そう言うと、さんごもふふっと笑った。

 続けてみのりが口を開こうとしたとき、空気を読まない音が響き渡った。最終下校を告げるチャイムだった。


「……じゃあ、そろそろ、帰ろうか」
「はい」


 さっきまでの雰囲気は一変して、二人はいつものように雑談を交わしながら帰りの支度をする。付き合うことになっても、変わるものもあれば、変わらないものはある。
 みのりは席を立って、ドアの近くで待っているさんごの元に歩み寄る。
 所在なげに下げられた手を見て、思わず、「繋いでもいい?」と聞こうとした。
 が、けっきょくやめた。


 ――そんなの、いちいち聞いちゃダメです。


「あっ……」


 手のひらに柔らかな感触。驚いたような顔がこちらに向けられる。
 みのりはその目を見つめ返すと、言われていた通り、今度は何も聞かずにキスをした。

 


 終わり

 

さんみの雑感とあとがき

 さんみの、いいですよね。薄暗い過去を持っているキャラが大好きなので、みのりん先輩が文芸部の先輩といったいどんな関係だったのか気になってしかたないです。


 ちなみに私の頭の中ではさんみのが付き合うようになって初めての文化祭でその元部長さんが遊びに来て、昔好きだった女と対面したみのりん先輩はさんごというかわいい彼女が隣にいながらもドキドキしてしまい、しかもその元部長はいまはフリー、二人の間に小さな亀裂が入りそれが大喧嘩に発展、一時は「別れる」という話にまでなりかけるもなんやかんやあって仲直り、めでたしめでたし…という話へと繋がっていきます。(誇大妄想)

 

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<参考リンク>

発売後すぐに緊急重版! 歴代68人のプリキュアが大集合した、「プリキュアオールスターズ まるごと大図鑑 2021」が話題!|株式会社講談社のプレスリリース