スタプリ23話、ユニがユニユニしていて良かったですね。
私はユニの猫らしさがとても好きです。
酷い目に遭ったことのある野良猫がそう簡単には心を許さないように、ユニもまた簡単に人にくっついたりはしないのです。
この記事はスター☆トゥインクルプリキュア23話の感想や考察、妄想をしたものです。スタプリ23話のネタバレがありますのでまだ観ていない方はご注意ください。
- 野良猫はそう簡単には懐かない
- ドーナツを持ち走り回るララ/ドーナツ屋に寄るひかるの対比
- 1人で背負おうとするユニとララ
- 「分け合う」というえれなの言語センス
- カッパードの武器は今日もイマイチ
- 見覚えのある光景:ひとりで突っ込むユニ
- 左手を挙げるユニ:招き猫
- 星奈ひかるの好きな人:心がユニバ―スしちゃう
- コピーフワに吠えるイエティ
- えれユニという新たな小宇宙
- ドーナツの輪に入るユニ
- スタプリ23話の感想考察まとめ
野良猫はそう簡単には懐かない
ちょっとみてくださいよ、せっかくひかるさんたちが頑張って準備した歓迎会だというのに、当のユニは喜ぶどころか迷惑だといわんばかりのつれない表情をしています。
正直皆さん、こんなユニのことをどう思いますか?
私は大大大好きです。
これです。これですよ。
酷い目に遭ったことのある野良猫というのはとにかく警戒心が強く、慣れ合いは好みません。そう簡単には懐かないのです。
クラッカーの紙片は「ひかるさんんたちのユニを迎えたい気持ち」を表す小道具です。ユニは、頭に降りかかってきたクラッカーの紙片を邪魔そうに振り払います。
次のカットではクラッカーの紙片がひらひらと物悲しく地面に落ちる描写が映り、視聴者の私たちは、ユニがこの歓迎会を快く思っていないことをまざまざと教えられます。
この、まとわりつくものを決してよせつけない野良猫の品格、本当に大好きです。
ドーナツを持ち走り回るララ/ドーナツ屋に寄るひかるの対比
弾丸ベルトならぬドーナツベルトをぶらさげ、AIの分析を待たずに外に飛び出したララとまどかさん。
前回のスタプリ22話にて、「地球で換算すると14歳になるララが大人っぽくなっていた」という話をしましたが、ララの成長した姿は今回でも見られました。
皆さんは覚えているでしょうか?
スターカラーペンのありかを探すためにAIの分析を待とうとしたララと、ドーナツ屋に情報収集をしに行ったひかるさんが大喧嘩をしたあのゴッドオブゴッド回、スタプリ第3話を。
AIの分析を待たずにドーナツ屋に立ち寄るひかるさんと喧嘩していたララ。
そんなララが、同じようにAIの分析を待つことなく、ドーナツを体に巻いてフワを助けるために走り回るのです。
ララの心のなかには、間違いなく、ひかるさんがいます。
しかし、ララの心からララの価値観が消えたわけではありません。
ララは自分の得意とする分析力を活用しつつ、そこにひかるさんから教えてもらったことを加えることで、己の価値観をアップデートしているわけです。
いまとなってはひかララに仲悪かった時代があるなんてにわかに信じがたいですが、ノリちぐはぐで性格真逆な二人は、最初は大喧嘩をしていました。ゴッドオブゴッド回、スタプリ3話の考察です。
1人で背負おうとするユニとララ
ユニの持っていたマタークッキーによりフワが大増殖したこともあり、ユニは今回の件については責任を感じている様子でした。
だからこそ、自分一人で解決させようと動くわけですが、この姿、どこかで見覚えはないですか?
そう、ララです。
以前のララは自分が大人であることを強く意識しており、問題が生じると「大人だから一人で何とかしなければ」というふうに考え、自分一人で解決しようとしていました。
しかし、ロケットの修理がうまくいかなくて悶々としていたスタプリ6話にて、ララは周囲には自分を支えてくれる仲間がいることを、仲間に助けを求めることは恥でも何でもないのだということを知りました。
ユニもララも、問題をひとりで抱え込もうとする点ではとてもよく似ているのです。
ひかるさんとララがどのように互いに影響を与え、成長してきたのかはこちらの記事で詳しく考察しています。
「分け合う」というえれなの言語センス
えれな「みんなフワが心配で探してるんだよ。フワだけじゃない、あなたのことも。今まではひとりで何でも解決してきたかもしれないけど、ひとりで抱え込まないで。みんなで分け合うっていいもんだよ」
うまいなあと思ったのは、えれなさんの言葉のチョイスです。
ひとりで問題を背負おうとするユニに、えれなさんは「分け合うっていいもんだよ」といいます。ここで、「みんなを頼ってよ」といわないところが、えれなさんのコミュニケーション能力の高さがあらわれているように思います。
ユニは、これまでひとりで何でも解決してきたことにそれなりの自負を抱いているようにも思えます。となると、「頼ってよ」という言葉は、「ユニひとりでは力不足」というふうに伝わってしまいかねません。
さらに、この「分け合うっていいもんだよ」という言葉は、ひとつのドーナツをみんなで分けるシーンにも効果的に繋がっており、その巧みな構成力には思わず舌を巻いてしまいます(詳しくは後述)
カッパードの武器は今日もイマイチ
カッパードさんは今回コピーフワたちの歪んだイマジネーションを吸って武器を作ったわけですが、敗走の際には「今日の武器はイマイチだった!」と負け惜しみを吐いておりました。
いまのところ、カッパードさんの武器評価は下記の通りです。
- カルノリ君でノリノリのサーフボード(スタプリ13話)→負けたときも笑っておりテンション高い
- ドラムス君でゴリゴリの鉄球棒(スタプリ17話)→負けたときは「今日の武器はイマイチだった」
- コピーフワでフワフワの綿あめ(スタプリ23話)→負けたときは「今日の武器はイマイチだった」
カッパードさんの武器がイマイチな確率は、66.67%(四捨五入)ですね。
ところで、なぜカッパードさんの武器がイマイチだったのかというと、おそらく対象者のイマジネーションがそんなに歪んでいなかったからではないでしょうか。
カルノリ君のときだけはノリノリだったカッパードさんですが、実際、あのときのカルノリ君は自分がよかれと思ってララに声をかけていたのに誤解されてしまい、周囲の女子たちからも責められ、若干やさぐれているところでした。
つまり、イマジネーションが歪んでいる分だけ、カッパードさんの武器が強力なものになるのではないかという考察です。
ドラムス君については判断が分かれるところかもしれませんが、少なくともコピーフワについては歪んだイマジネーションなど持ち合わせていなかったのは明らかです(お腹空いてただけ)
今回またカッパードさんのイケメンバンクを見れて私はとても嬉しいです。カッパードさんのバンクがイケメンだということは今後も声を大にして主張していきたいです。
見覚えのある光景:ひとりで突っ込むユニ
カッパードさんとの戦闘が始まって間もなく、ユニはひとりで突っ込んでいきますが、あえなく反撃を食らってしまいます。
このシーンも、スタプリ3話やスタプリ6話を彷彿とさせます。
スタプリ3話では、ララの分析を放置して、先にひとりで突っ込んでいったひかるさんが反撃を受けてやられています。
スタプリ6話では、大人としてすべての責任を背負おうとしていたララがひとりで真っ先に突っ込んで、やはり攻撃をもろに食らってやられています。
また、「自分はひとりだけどひとりではない」ということに気付き、必中の矢を放って優勝を手にしたまどかさんの存在も忘れてはなりません(スタプリ16話)
今回の話は、これまでひかるさんたちが失敗してきたことや、経験し、得てきたことをユニがなぞっていた回ともいえるかもしれません。
左手を挙げるユニ:招き猫
小ネタです。
右手を挙げる招き猫は金運を、左手を挙げる招き猫は人を招くといいます。
財宝を盗んできた宇宙怪盗が挙げているのが左手だという事実は、ユニが本当は何を大切に想っているのかを示しているように思うのです。
あと、私は今回マオが歌っていた曲「コズミック☆ミステリー☆ガール」がとても好きなので、久々に本編で聞くことができて嬉しかったです。
好きよ、嫌いよ、どっちが本音?
そういっていたずらっぽく笑うユニに、ひかるさんが何も考えずに「好きだよ~」抱き着いて欲しいなと常々思っています。「いや、そうじゃなくて」と顔真っ赤にしていうユニ。それを少し離れたところから見るララ。ああ……ヴィーナス……。
星奈ひかるの好きな人:心がユニバ―スしちゃう
好きな人でもできたの? と祖母・陽子さんからいわれて戸惑うひかる。すかさずメガネを光らせてひかるの肩に手を置き、力強く家のなかに招き入れる祖父・春吉さん。
ユニバーーーース!!!!
孫の交際相手を心配する春吉さんもかわいすぎますし、「大切に想ってる人がいるのか?」と真剣な顔つきで聞かれたであろうひかるさんの脳裏に真っ先に浮かんだのがいったい誰だったのか考えるだけで震えが止まりません。
スタプリは前回の「遼ちゃん春ちゃん」といい、要所要所でイマジネーションを膨らませてくるのでほんとズルいと思います(大好き)
ちなみに皆さんはひかるさんの脳裏に浮かんだのは誰だったと思いますか?
私が思うには……おっと誰か来たようだ。
コピーフワに吠えるイエティ
あとどうでもいいんですけどイエティが善良なはずのコピーフワにほえまくってたのって、コピーフワがドッグフードを狙っていたからではないかという仮説を考えました。
ちなみになぜ食欲に貪欲なはずのコピーフワがドッグフードを食べなかったのかというと、子どもが真似しちゃっては困るという倫理がはたらいたからだと思います。コピーフワはああ見えて子どもたちのことを考えているのです。
えれユニという新たな小宇宙
ユニ「ひとつ借りができちゃったわね。じゃ」
えれな「なら、これからその借りを返してくれる? ウェルカムパーティで!」
今回はえれなさんとユニの絡みが印象的でしたね。
スタプリはひかユニといいユニまどといいユニアイといい、様々なイマジネーションを提供してて私なんかはむせび泣く他なく、今回も新たなる小宇宙の誕生に乾杯したいところなんですが、ここで突然真面目な話をします。
スタプリは多様な人と接するなかで、様々な価値観を知り、成長していく物語です。
だからこそ、スタプリは特定のキャラ同士の親密な結びつきを強調することをあえてやりすぎないようにしている、と私は思うのです。
たとえば、ひかララは私の大好きな組み合わせのうちの1つですが、ひかるさんはララからだけではなく、他のみんなからたくさんのことを学んでいますし、それはララにとっても同様です。
特定のキャラ同士の親密さを強調しすぎると、どうしてもそのキャラ同士だけの世界が作られてしまいます。もちろん、それはそれで尊いことであり、悪いことでは決してないのですが、スタプリという作品は、「世界は広いよ」「宇宙はもっと広いよ」ということをいいつづけている作品でもあります。スタプリは二人だけの完結した世界を描くのではなく、無限に広がるワクワクするような世界を描こうとしているのではないでしょうか。
スタプリのキャラクターたちが、いろいろな相手と手を取り合っているのは、こういう理由もあるのではないかなと思うのです。
あいかわらず今回の話でも完璧超人っぷりを見せたえれなさん。そんなえれなさんの弱みは何のか? えれなさんを救えるとしたら誰なのか? などについて考察をしたものです。
ドーナツの輪に入るユニ
カッパードさんを撃退し、コピーフワの混乱もようやく落ち着いたところで、ユニのウェルカムパーティが再び開催されます。
ひとつだけ残ったドーナツを7人で分けることになり、ユニにも漏れなくそのうちの1つを渡されます。
ユニ以外の6人がドーナツをつなげたとき、その輪にユニが入っている描写が印象的なシーンです(左のカット)。最初はペンを奪い合う敵同士だったユニが、ようやく仲間になったと思ってもつれない表情でパーティを拒絶していたユニが、23話の終盤でついにみんなの輪に入るわけです。
しばらく逡巡した後、ユニは控えめな手つきで自分のドーナツを近づけ、乾杯に加わります。
この控えめな感じ、恐る恐るという感じが、また何ともいえず最高でした。
私は今回の話でユニがみんなと仲良くなってくれたら嬉しいなと考えていましたが、みんなと仲良くならないでくれたら嬉しいなという想いもありました。
矛盾しているようですが、野良猫たるユニには、もう少し野良猫としての姿を見せて欲しいという身勝手で罪深い願望ゆえのものです。
さて、今回ユニが差し出したドーナツがみんなのドーナツと完璧に合わさっていなかったことは、「ユニの心がみんなの心に近づきつつあるものの」「まだ完全に心を許しているわけじゃないニャン」という猫らしさ満点のユニの心情が表れていたようにも思えます。
付け加えるならば、ユニって、ひかるさんたちのことを全然名前で呼んでない(呼ぶときは「あなた」)んですよね。みんなは親し気に「ユニ」と呼んでいるのとは対照的で、ユニはみんなのことを意識的に名前で呼ばないようにしているような印象を受けます。
ユニがこれまでいちばん名前で呼んでいるのって、たぶんアイワーンちゃんじゃないでしょうか(何かを閃く)
ユニがもっと気軽にみんなの名前を呼ぶようになるのはいつごろでしょうね。視たいような、嬉しいような、ちょっと寂しいような……(やっぱりこじらせている)
スタプリ23話の感想考察まとめ
- ひかるの好きな人って誰
- 野良猫っぽいユニがかわいい
- 今回もララの成長した姿が見られて感動
- ひかるの好きな人って誰
- ユニとララは一人で背負おうとする
- カッパードの武器のイマイチ率66.67%(高い)
- えれユニという小宇宙の誕生に乾杯
- ユニはみんなの輪には入ったが、混ざり切るまでには至らない
- ひかるの好きな人って誰
前回のスタプリ22話の感想考察です。
家族回で毎回登場するテンジョウさんの謎、春吉さんがいかに尊くてかわいいおじいちゃんか、などについて考察しています。
謎の多いオリーフィオやユニ達レインボー星人について、生物学的な観点から考察した記事です。3つの仮説をたてて、それぞれ語っています。
ちょっと前から本編の感想考察は前編と後編の二つに分けて書いていましたが、今回は一つにまとめました。実はちょっと体調を壊して、なかなか書ける状況になかったもので……。
以上、スター☆トゥインクルプリキュア23話の感想考察でした。
長々と読んでいただきありがとうございました。
もし「こんな考察があるよ!」「こんな妄想もあるよ!」というものがありましたら、ぜひお気軽にコメント欄で教えてくださいませ。