12星座のスタープリンセスは、スター☆トゥインクルプリキュアに登場するキャラクターです。それぞれのキャラクターは12星座をモチーフとしており、固有の名前は現在のところ判明していません。
さて、そんなスタープリンセスですが、彼女たちの背景にはどうも不穏な空気が漂っているような気がしてなりません。
この記事では、
- スタープリンセスの力には限界がある説
- スタープリンセスが実は真の黒幕説
- スタープリンセスの中にユダがいる説
などについて、設定や作中描写を根拠に考察したものです。
- スタープリンセスの役割について
- ①スタープリンセスは善良なお姫様説
- 「全宇宙の均衡を保つ」の意味について
- 「観測可能な宇宙」について(余談)
- ②実はプリンセスが黒幕説
- ②プリンセスの中にユダがいる説
- 終わりに:プリンセスは敵か味方か?
スタープリンセスの役割について
12星座のスタープリンセスは、星空界の中心部にある「スターパレス」で「全宇宙の均衡を保っていた」ようです。
ところが、あるときノットレイダーによる侵略を受けた際、ペンとなって全宇宙に散らばってしまいます。
さて、 この「全宇宙の均衡を保つ」という言葉はなかなか意味深です。
この言葉は、スタプリの公式ホームページでも使用されています。
地球から遠くとおく離れた《星空界ほしぞらかい》の
中心部にある聖域《スターパレス》では
《12星座のスタープリンセスたち》が
全宇宙の均衡を保っていたらしいのだけど…あるとき何者かに襲われて、プリンセスたちは
《12本のプリンセススターカラーペン》になって
宇宙に散らばってしまったの!
このままじゃ星が消えて、地球も宇宙も、闇に飲み込まれちゃう…!
「均衡を保つ」って、どういう意味なんでしょうか?
その疑問はいったん横に置きつつ、まずはスタープリンセスたちが基本的に善良な存在であるとする説について検証してみたいと思います。
①スタープリンセスは善良なお姫様説
プリンセスたちが善良な存在で、本当に全宇宙の均衡を保っていたとしましょう。
そう考えたとき、ひとつの疑問にぶつかります。
それは、なぜカッパードさんたちの母星は奪われてしまったのか?
ということです。
カッパード達は闇に潜んで生きてきた
カッパード「考えたこともなかろう…闇に潜んで生きてきた我々を!」
カッパードさんたちノットレイダーにも、何かしらの事情を抱えているということはこれまでも描写されてきた通りです。
幹部によって抱えている事情は異なる可能性はありますが、カッパードさんは「居住可能な惑星を探しているような発言(スタプリ10話)」「奪われたから奪うという台詞(スタプリ11話)」から、母星を何者/何物かによって奪われたのだと考えられます。
そして、「闇に潜んで生きてきた」という発言から、カッパードさん達の過去は非常に暗いものであることがうかがえます。
さて、カッパードさんたちが母星を奪われ、闇に潜んで生きることを余儀なくされた原因は何なのでしょうか?
未だ理由は定かではありませんが、ひとつだけはっきりしていることがあります。
それは、カッパードさんたちノットレイダーがスタープリンセス達の加護を受けていなかったということです。
スタープリンセスたちが真の意味で「全宇宙の均衡を保ってきた」のであれば、カッパードさんたちが母星を奪われることもなく、闇に潜んで生きることもなかったはずです。
プリンセスたちが善良な存在だと仮定した場合、カッパードさんたちを救わなかった理由として考えられるのは、「力不足によるもの」というのが妥当です。プリンセスたちは、そこまでの力はないわけです。
となると、「全宇宙の均衡を保つ」ってどういう意味なのでしょう?
「全宇宙の均衡を保つ」の意味について
下記の通り、仮説を立ててみました。
- 「全宇宙の平和を守る」という意味
- 「全宇宙が闇に飲み込まれないように保つ」という意味
- 均衡を保っているのは「星空界」もしくは「宇宙星空連合の加入星」だけ
仮説1:「全宇宙の平和を守る努力をしていた」
「プリンセスたちは全宇宙の平和を守ろうと努力していた」が、「プリンセスたちよりも強大な力を持つ存在」が現れ、「カッパードさんたちを侵略した」と考えれば、カッパードさんたちを守れなかったのもうなずけるといえばうなずけます。
この場合、「カッパードさんたちのことを侵略した存在」というのが、ダークネスト様なのか、ブラックホールといった大災害のような存在なのかについては改めて考える余地がありそうです。
仮説2:「全宇宙が闇に呑まれないように保っているだけ」
仮説2は、プリンセスたちは「星が輝けるよう支援しているだけ」とする説です。
プリンセスたちは、星々の光が消えないよう、闇に呑まれないよう最低限の支援をしているだけであり、それ以上の干渉はしていない…そのように考えれば、カッパードさんたちの母星が何者/何物かの侵略によって奪われたことも納得がいきます。
プリンセスたちには、もともと「全宇宙の光が消えないようにしていただけ」であり、「全宇宙の平和や秩序を守っていたわけではない」というわけです。
全宇宙の平和や秩序を守っていたのなら、ゼニー星のような無法惑星の存在はスル―できないでしょうし、そもそも全宇宙の平和を守るというのは無理があるといえば無理があるので、妥当な説だと考えます。
仮説3:均衡を保っていたのは「一部の範囲」まで
プリンセスたちは「全宇宙の均衡を守っていた」ようですが、ここでいう「全宇宙」というのが、実は「星空界」だけのことを指している、もしくは「一部の範囲」までである、とする説です。
カッパードさんたちの母星が星空界ではない更に遠いところ、プリンセスたちの力が及ばないエリアに存在していたのだとすれば、カッパードさんたちの母星が奪われてしまったのもうなずけますし、そもそも宇宙の片隅で何が起きているのか知らない可能性もあります。
少し意地悪な妄想をするなら、プリンセスたちが守っているのは「宇宙星空連合の加入星」だけという可能性もあるかもしれません。
宇宙星空連合に加入していないと明言されているのは、現時点では地球、ゼニー星(スタプリ15話のプルンスの発言より)、そして惑星レインボー(スタプリ19話のプルンスの発言より)です。
つまり、これらの加入していない星については、プリンセスたちは干渉するつもりはないので、惑星レインボーがどうなっても知らないのです。ユニが泣いちゃう。
プリンセスたちにもキャパシティはあるでしょうから、この説もあり得なくはないと思います。
「観測可能な宇宙」について(余談)
ここでちょっと宇宙の話をしてみます。
本考察とはあまり関係がない余談のような話なので、読み飛ばしていただいても大丈夫です。
「観測可能な宇宙」という概念があります。
宇宙空間は光速よりも速く膨張しており、光速よりも速く膨張して遠ざかっている場所は観測できません。なぜなら、相対性理論に基づくと、光よりも速い物質は存在しない=あらゆる物質は光速を超えて伝わることができない、とされているからです。
一方、光速よりも遅い速度で膨張して遠ざかっている場所は原理的にいえば観測可能であるため、「観測可能な宇宙」と呼ばれています。
さて、スタプリ6話で、プルンスは「星空界は地球からずっと遠いところにある」といっていましたが、そもそも地球にとっての星空界、星空界にとっての地球は「観測可能な宇宙」にあるのでしょうか?
もし観測可能な宇宙の外側にあるなら、宇宙星空連合は「観測可能な宇宙の外に行く超常技術」を有していることになりますし、だとすればカッパードさんたちの母星もまた、観測可能な宇宙の外側にあるのかもしれません。
※宇宙について話し始めると記事が長くなるのに加えて、私自身正確な理解ができているのかいまいち自信がない(たぶん永遠に自信は沸かない)ので、他の記事や書籍を紹介しておきます。
外部リンク:有限なのか無限なのか…「宇宙の果て」には一体なにがあるのか - ライブドアニュース
こちらは、宇宙はなぜ「暗い」のか? という疑問について書かれた本です。
いわれてみれば何で宇宙って暗いんだろう? と思って衝動読みしましたが分かりやすくて面白かったです。
②実はプリンセスが黒幕説
- 全宇宙の均衡を保っていたはずなのに、カッパードさんたちの母星は何者/何物かによって奪われている
- ユニの質問に対する回答が誠実ではない
ユニ「惑星レインボーは…レインボーは プリンセススターカラーペンを集めれば元に戻るの?」
おひつじ座「星座の力 そしてフワの力があれば 宇宙に平穏が訪れます」
おひつじ座のプリンセスの回答は、ユニの質問に答えているようで答えていません。確信となる「惑星レインボーは元に戻るか?」という問いに対しては、戻るとも戻らないとも答えていないのです。
しかも、おひつじ座のいう「平穏」は、はたしてカッパードさんたちも享受できるものなのでしょうか? カッパードさんたちは「平穏」を享受できなかったからこそ、ノットレイダーに加入したのではないでしょうか?
プリンセスたちが黒幕であるなら、カッパードさんたちの母星が奪われているのも納得がいきますし、むしろプリンセスたちがカッパードさんたちの母星を奪った侵略者という可能性すら出てきます。
付け加えるならば、メタ視線な考えになってしまいますが、「序盤に提示された目的を達成したとき、これまで味方だと思っていた者が黒幕だということが判明する」という展開は、ロールプレイングゲームでは非常によくある風景です(具体例を出すとネタバレになるので触れませんが…)
特にスタプリでは、折り返し地点(24話放送時点)で既にペンを10本集めています。
残っているペンはたった2本だけですので、プリンセスたちが味方か敵かはさておいても、ペンを集めてから真の戦いが始まる可能性は非常に高いと思われます。
12本のペンを集めたとき、プリンセスたちは笑いながらこういうわけですよ。
「これでようやく、全宇宙の均衡を保てます…私たちの支配によって」
うーん、えげつない展開ですね。ユニが泣いちゃう。
あとは、黒幕とまではいかなくても、何かしらの事情があり、カッパードさんたちの母星を侵略した過去があったというのもありそうです。自分達の標榜する正義のために戦争を起こしたとか。
②プリンセスの中にユダがいる説
ただ、おひつじ座が不誠実な回答をした直後におうし座のプリンセスが現れ、こう答えています。
おうし座「イマジネーションの力が集まれば奇跡が起こります 必ず星も戻るでしょう」
この発言が嘘でなければ、少なくともおうし座のプリンセスは惑星レインボーを元に戻そうとしているようです。
これを聞けば、「やっぱりスタープリンセスは味方」だと考えることもできますが、穿った見方をすれば、「おうし座が味方かもしれないけど、回答をはぐらかそうとしていたおひつじ座は味方ではない」と考えることもできます。
つまり、おひつじ座は何らかの隠し事をしている裏切者ではないか、という説です。
ここで、私は世界でおそらくもっとも有名な裏切者、ユダのことを思い出しました。
By レオナルド・ダ・ヴィンチ - 最後の晩餐, パブリック・ドメイン, Link
キリスト教における裏切者のユダの話を聞いたことのある方は多いと思います。
キリスト教では、イエスから伝道の使命を与えられた「12使徒」と呼ばれる12人のメンバーがいて、ユダもそのうちのひとりでした。
そんなユダは、あるとき銀貨30枚と引き換えにイエスを裏切り、その後、イエスは十字架にかけられ処刑されることになりました。
26:14 時に、十二弟子のひとりイスカリオテのユダという者が、祭司長たちのところに行って
26:15 言った、「彼をあなたがたに引き渡せば、いくらくださいますか」。すると、彼らは銀貨三十枚を彼に支払った。
26:16 その時から、ユダはイエスを引きわたそうと、機会をねらっていた。
出典:口語訳聖書 - マタイによる福音書(public domain)
奇しくも、「12星座のプリンセス」「12使徒」は同じ「12」という数字を使っています。
何がいいたいかというと、12使徒のメンバーのなかにユダがいたように、12星座のプリンセスのなかにも裏切者が混ざっているのではないか、ということです。
そしてその裏切者こそが、ユニの質問にはぐらかすような回答をしたおひつじ座なのです。
裏切者と表現するとやや強烈ですが、他のプリンセスたちとは異なる価値観を持っている人物が混ざっている可能性は十分にあり得ると思います。スタプリは多様性を描いている作品ですので、12星座のプリンセスたちの価値観が異なっていたとしてもおかしくはありません。むしろスタプリらしいといえばスタプリらしいのではないかな、と…。
スタプリ21話、ユニがプリキュアに加わり、はじめてスターパレスに赴いたときの考察です。
終わりに:プリンセスは敵か味方か?
いろいろ考察をしてきましたが、まとめるとこうなります。
- スタープリンセスの力には限界がある説
- スタープリンセスが実は真の黒幕説
- スタープリンセスの中にユダがいる説
私としては、1は普通にありえるとして、2のプリンセスたち全員が黒幕だとちょっと心臓に悪いな(プリンセスグッズの売り上げも減りそうだな)と思いつつ、3だったら面白いなと思っています。
あとは、ダークネスト様がもともとはスタープリンセスの一員である…という考察についても、また近々記事にしたいと思います。
謎多き人物・オリーフィオの正体について、生物学的な観点から3つの仮説を立てた記事です。
まどかさんが闇落ちする4つの根拠について書いた記事です。
作中描写や設定を根拠に、聖書やギリシャ神話、オペラなどに触れながら闇落ち予想…というか妄想をしています。
スタプリの影響を受けて宇宙の本を読んでますが、読んでもわかることよりわからないことの方が増えていき、頭が頭痛で痛いです。
しかし、未知のことを知ろうとするのはとても面白くて、このワクワクする感じこそ、スタプリが描こうとしているものなんだろうなとも思います。ありがとうスタプリ…。
以上、スタープリンセスたちに関する考察でした。
(2019年7月27日追記)
当初、惑星レインボーは星空連合に加盟しているかどうか明言されていないと記事に書いていましたが、実際にはスタプリ19話にて「惑星レインボーは非加盟」だとプルンスが明言していましたので、本文を訂正しました。教えてくださったレインボー星さんに感謝いたします。
※手頃な価格で読める宇宙の本だと、こちらが面白かったです。文庫本です。平易な文章で数字などを極力使わず書かれていますが、専門知識のない私にとって内容は十分に濃かったです。