テンジョウは、スター☆トゥインクルプリキュアに登場する敵幹部の一人です。
セクシーな衣装と天狗の鼻のような仮面をつけているテンジョウは、部下を「駒ちゃん」と呼んだり、何かにつけてひかるさんのことを「お子ちゃまね」と見下すような発言をしています。
この記事は、そんなテンジョウさんのバックグラウンドについて考察したものです。
テンジョウは人の上に立つ:冬貴との対比
テンジョウはノットレイたちの上司にあたる存在で、戦闘では自分自身が前に出ることはせず、ノットレイをうまく活用することで戦っています。
(この点、一人で突っ走りがちなカッパードとは大きく異なる)
また、テンジョウはノットレイたちのことを「駒ちゃん」と呼んでいるとおり、彼らのことを「駒扱い」しています。実際、駒ちゃんたちに身の回りの世話をさせている描写がとても多いです。
さて、多数の部下を抱えた上司というと、私はあの人を思い出さざるを得ません。
そうです。まどかのパパ・香久矢冬貴です。
まどかさんは、冬貴のことを尊敬していて、自分もまたパパと同じように「人の上に立つ人間」になるんだと心に決めています。
テンジョウと冬貴、どちらも「人の上に立つ人間」であることには変わりないでしょう。しかし、まどかさんがなりたいと思っているのは、部下のことを駒呼ばわりして、自らは前に出ることなく、部下にだけ動き回らせるテンジョウのような存在でしょうか?
そうではないでしょう。
つまり、テンジョウと冬貴は対比になっていて、まどかさんにとって、テンジョウは反面教師的な存在として描かれているわけです。
まどかパパは、ノットレイダーに襲われた際、部下の安全を真っ先に考えて行動したり(スタプリ11話)、「まずは自分が動かなければ誰もついてきてくれない」と語ったりと、まさにテンジョウさんとは真逆です。
まどかパパがいかに輝いているのかについては、この記事で詳しく書いています。まどかパパ大好きです。
部下から慕われるテンジョウ
もっとも、テンジョウは部下のノットレイから嫌われている様子はなく、むしろかなり好かれているようです。
テンジョウが巨大ノットレイから落ちてしまったときには、ノットレイたちが身をていして守ったりもしています(スタプリ18話)
また、テンジョウもテンジョウで、ノットレイのことを単なる「捨て駒」とは考えていないようです。呼び方も「駒ちゃん」とどこか親しげに呼んでいますし、ノットレイたちの疲労を考えて、プリキュアの追撃をやめるべきだと提言したこともありました(スタプリ10話)
つまり、テンジョウはなんだかんだノットレイたちのことを「大切に想っている」わけで、見方を変えれば、「大切なもの」を守るプリキュアの心に通じるところがあるともいえるように思います。
ノットレイの一人ががピンチに陥ったとき、「まったく、使えない駒ちゃんね…!」とかいいながら、テンジョウが身をていして庇うような展開があれば熱いなと思っています。
※実際に妄想してみました。こんな感じの展開です。
テンジョウ×ノットレイ 1/2
「使えない駒ちゃんね…」
— 金色 (@konjikinohiru) June 20, 2019
倒れている俺を見下しながら、テンジョウ様は言う
俺はというと、足の骨と肺がやられていて、立ち上がる事はおろか、返事をする事もできない
離れた所で、プリキュアが必殺技のモーションに入るのが見える。その直線上には、俺がいる#スタプリ #テンジョウ
テンジョウ×ノットレイ 2/2
「無様な姿ね。駒ちゃん、最期によく覚えておきなさい。部下は指揮官の命を守るために存在しているのよ」
— 金色 (@konjikinohiru) June 20, 2019
プリキュアが必殺技を放つ。防ぐ事も避ける事もままならない俺は、ここで散るだろう
薄らいでいく意識の中で、俺はその声を聞いた
「…そして、指揮官は部下を死なせないために存在しているの」
仮面の持つ意味:テンジョウは個性を馬鹿にする
テンジョウは、これまでの描写で、「その人らしさ」や「個性」といったものをことごとく馬鹿にしてきました。
(そのことについては、下記の記事で詳しく書いています)
じゃあなんでテンジョウは「その人らしさ」を馬鹿にして否定するのかというと、「母星を奪われたから他の星を奪う!」というカッパードさんと同じ理由ではないかと考えたわけです。
つまり、自分自身が同じことをされたからではないか? と。
具体的にテンジョウ のどういう特性が馬鹿にされてきたのかについては、現段階では描写がないため憶測することしかできません。
しかし、テンジョウがよく「お子ちゃまね」という言葉を侮蔑的に使うところを見ていると、彼女自身、昔は周囲から「お子ちゃま」だと嘲笑されていた可能性はありそうです。
テンジョウも、昔は天真爛漫な少女で、好きなことに一生懸命だったのかもしれません。ひかるさんと同じように、宇宙の外に大きな希望を抱いていたのです。
でも、現実は違った。
宇宙の現実は非情で、無慈悲で、だからこそ、テンジョウは宇宙に憎しみを抱き、「宇宙のことを何にも知らない」ひかるさんのことを「お子ちゃまね」といったのかもしれません(スタプリ11話)
コンプレックスを隠したい
テンジョウは天狗の仮面をつけています。
仮面は自らの本性を隠すためのもので、「個性」「その人らしさ」を隠すものだといえます。
もしかすると、テンジョウは何かしらのコンプレックスを抱えているのかもしれません。テンジョウのつけている仮面は、そうしたコンプレックスを隠すためのものなのです。
つまり、テンジョウの仮面は、彼女の「個性」や「テンジョウらしさ」を隠しているわけです。
傲慢の象徴
また、テンジョウの仮面は長い鼻がついています。
日本では「天狗になる」という言葉もある通り、天狗とは傲慢さの象徴でもあります。テンジョウの被っている天狗の仮面は、彼女の傲慢さの表れでもあるわけです。
実際、テンジョウは人のことをよく「お子ちゃま」だと見下しています。
テンジョウが仮面を脱ぐ時
もし上記の二つの説が正しければ、テンジョウは光堕ちする際に、その仮面を外すことでしょう。
プリキュアたちは、テンジョウの素顔を、彼女の「本当の笑顔」を見ることができるのでしょうか?
仮面は母星の「誇り」?
上記の2つの説は、テンジョウの仮面をネガティブに捉えたものですが、彼女の仮面にはポジティブな意味が含まれている可能性もあります。
たとえば、仮面を被ることは、「テンジョウの母星の文化」「一族の誇り」であるのかもしれません。もしそうだとすると、鼻の長い仮面のことを「傲慢の象徴」「(ネガティブな意味で)個性を隠す道具」と考えるのは違うような気もします。
というのも、「天狗=傲慢の象徴」というのは日本における文化に過ぎないわけです。文化が変われば、「天狗=カッコいい存在の象徴」になっていることも十分あり得ます。
そうすると、テンジョウが仮面を脱ぐことは「自文化の誇り」を捨てることになってしまうため、彼女が仮面を脱ぐことはおそらくないでしょう。
スタプリのテーマは「多様性」です。仮面をつけることが文化の種族から、仮面=誇りと尊厳を奪うことはしないでしょう。
あるとすれば、テンジョウが地球人たちの文化を理解し、自分から、ちらっとだけ素顔を見せる、というような展開でしょうか?(個人的にはこれも好きな展開です)
テンジョウ考察まとめ
ということで、この記事をまとめると下記の通りです。
- テンジョウは人の上に立つ人間である冬貴と対比されている
- テンジョウが「その人らしさ」や「個性」を馬鹿にするのは、自分自身のそれを馬鹿にされてきたからでは?
- 仮面は、そうしたテンジョウのコンプレックスを隠すための機能を果たしていると同時に、傲慢の象徴となっている
- ただ、もしかすると仮面はテンジョウの母星における文化であり、テンジョウの一族にとっての「誇り」かもしれない
アイワーンちゃんの考察です。意外とかわいいアイワーンの抱える矛盾と3つの予想。
ドラムスの考察です。ドラムスは単なるドラ息子ではなく、クレバーな人だということがいいたくて書きました。
カッパードさんのイケメンバンクがイケメンだったというだけの記事です。考察してません。
以上、テンジョウの考察でした。
テンジョウ×ノットレイ、妄想してみると個人的にけっこう好みで、いいなと思いました。ただ、本編ではアイワーンちゃんとカッパードさんに押され気味なんですよね、テンジョウさん…。
テンジョウさんも魅力的なキャラであることには変わりないと思っているので、今後の活躍に期待したいです。