キュアコスモは、スター☆トゥインクルプリキュアに登場する追加戦士で、5人目のプリキュアです。
ついにスタプリ20話でブルーキャットはキュアコスモになったわけですが、変身バンク、めっちゃかわいかったですね。
この記事はキュアコスモの変身バンクのかわいいところを挙げながら、その背景に隠れているテーマや意味について考察したものです。
(公式動画がアップされていたので追記します)
- キュアコスモの変身バンク:三角形、猫、星…
- 銀河に光る虹色のスペクトルとは?
- キュアコスモは本当の笑顔を浮かべる
- どの姿も「自分」である
- あざといさすがキュアコスモあざとい
- 5つの星が飛び出す
- おわりに:「キュアコスモになりたい」
キュアコスモの変身バンク:三角形、猫、星…
キュアコスモの変身シーンでは、宇宙のようなイメージを背景にしながら、三角形、猫、星、虹色が散りばめられています。コスモ(cosmo)とはラテン語で宇宙の意味を持つ言葉です。そして決め台詞は「銀河に光る虹色のスペクトル!」。めちゃめちゃカッコいいですね。
ところで、各プリキュアを表すマークは、それぞれ
- キュアスターは「星」
- キュアミルキーは「ハート」
- キュアソレイユは「太陽」
- キュアセレーネは「三日月」
を示していたわけですが、キュアコスモの「三角形」は何を示しているのでしょうか? そもそも虹色のスペクトルって何なのでしょうか?
銀河に光る虹色のスペクトルとは?
キュアコスモが三角形のマークを作ったとき、虹色の輝きが現れていることが分かります。「三角形」と「虹」と来て、決め台詞の「虹色のスペクトル」 と聞けば、これです。
三角プリズムです
虹とプリズム:虹色は7色ではない
By D-Kuru - 投稿者自身による作品, CC BY-SA 3.0 at, Link
三角プリズムに白色光(太陽や蛍光灯)を通すと、白色光は波長ごと(紫色から赤色にかけて)に分解(分光)され、虹となります。この虹(光の帯)のことを「スペクトル」といいます。「万有引力の法則」で有名なアイザック・ニュートンが発見し、名付けたものです。
ところで、多くの日本人は虹のことを「7色」と呼んでいますが、これは日本における分類方法であって、国が変われば「6色」になったり「3色」になったりするのはご存知でしょうか?
参考:7色の光が織りなす「虹」 国によって見え方が違う? - ウェザーニュース
本当のところ、虹色は何色なの?
どの国の分類方法が正しいの?
…といった疑問を抱く方もいらっしゃるかもしれませんが、残念ながらその問いかけに答えはありません。
強いていうならば、虹は「無限色」ともいえます。
そもそも私たちは「光の波長の違い」を「色の違い」として感じています。
そして太陽光は無数の波長の光の集まりであり、それが無数に分光したものが「虹」です。
こういうわけで、虹は「無限色」だともいえるわけです。
ところが、私たち人間の色別能力には限界があります。
本来であれば「無限色」の虹ですが、人間の目には、7色や6色に分けるのが限界なのです。
【参考にさせていただいたサイト】
※余談ですが、霊長類を除くほ乳類、つまり猫は「赤色」を認識することができません。猫族のブルーキャットにとっては、虹色は地球人が見るほどカラフルには見えていないかもしれません。
※そして多くのほ乳類が「赤色」を認識することができないために、トウガラシは「赤く」なりました。ちなみにトウガラシが「辛くなった」のもほ乳類のせいです。「トウガラシが赤くて辛いのはなぜ?」という記事です。プリキュアには関係がないので、興味のない方はスルーしてくださいませ。
レインボーフラッグ、6色のスカート
「虹」と「多様性」ということで、触れないわけにもいかないものがあります。
レインボーフラッグ、というものです。
By Ludovic Bertron from New York City, Usa - https://www.flickr.com/photos/23912576@N05/2942525739, CC 表示 2.0, Link
これは、LGBTの社会運動を象徴する虹色の旗です。
発祥は1970年代のアメリカですが、現在では世界各地で使用されていて、虹色は「多様性」と「美しさ」をイメージしているようです。
さて、スタプリは「多様性の受容」をテーマのうちの1つにしている作品です。
獣姿の宇宙人が追加プリキュアになるにあたって、「虹キュア」としてのポジションについたのは、作品のイメージとしてもピッタリだと思います。
また、レインボーフラッグの虹色は6色のものがメジャーなようです。
キュアコスモのスカートの色が7色ではなく6色なのは、レインボーフラッグを由来にしているからかもしれません。
キュアコスモは本当の笑顔を浮かべる
ご覧ください、この笑顔。
これが、「憧れのわたし」を描く際に浮かべた笑顔です。
めっちゃかわいい
これこそが、ひかるさんが見つけた、えれなさんが守ろうとした、彼女の「本当の笑顔」なのです。
どの姿も「自分」である
キュアコスモに変身するとき、これまで彼女が化けてきた姿が次々に登場します。
これは、化けていた姿も含めて、すべてブルーキャットなんだということだと思うのです。どれが嘘の自分だとか、どれが本当の自分だとか、そうではなくて。
キュアコスモは「目的」や「相手」によって、自らの姿を自在に変化させられる能力者であり、これは一見すると「特別」なように思えます。
しかし、「変化」の本質は「演技」であり、「演技」というものは何もレインボー星人の専売特許ではなく、私たち地球人も当たり前のようにしていることです。
親と接するとき、親しい友人と接するとき、先輩や上司と接するとき…様々な人と接するときに、まったく同じテンションで接しているという方はそういないでしょう。
相手によって、態度を変える。
相手によって、自分の見せ方を変える。
ブルーキャットは、実際に姿を変えられるという点において地球人とは異なりますが、相手によって見せ方を変えるというのは地球人も同じです。
見せ方を変えるだけで、自分の持っている本質は変わらないわけですから、宇宙怪盗としての自分も、アイドルとしての自分も、執事としての自分も――そして、プリキュアとしての自分も、どれも等しく「自分」であるはずです。
つまり、何がいいたいかというと。
バケニャーンはいるんですよ。
バケニャーンは消えてなんていないんですよ。
バケニャーンは、間違いなくいるんですよ!(絶叫)
バケニャーンショックを経て憔悴しきっていた私がしたのはTwitterでひたすらバケアイ(ブルアイ)の短い小話を書くことでした。
あざといさすがキュアコスモあざとい
話題沸騰中の、舌をちらっと出すシーンです。
いやいや…
いやいやいやいや…
かわいすぎない????
猫の舌出しを意識したものだと思われますが、無類の猫好きの私は完全にノックアウトされてしまいました。いくらなんでもこれは反則だよ…。
5つの星が飛び出す
キュアコスモが天に向けて弾丸のごとく星を飛ばすシーンがあるんですが、このときに飛ばしているのは「5つ」であるように見えます。
これは現時点におけるプリキュアのメンバーの数を示しているのかもしれません。
6人目の追加戦士が登場するならそれは誰か? 姫ノ城桜子さんではなくて? といいう仮説に対して、賛成・反対の両方の立場から一人で論じた記事です。
おわりに:「キュアコスモになりたい」
宇宙空間にいるかのように縦横無尽にはしゃぎ回るキュアコスモ。
この魅力的な変身バンクを見て、キュアコスモに心を奪われた子どもたちも少なくないことでしょう。
七夕の願い事。
うちの近所の短冊には、子どもの字で、こんな願い事が書かれていました。
「キュアコスモになりたい」
私は毎週、プリキュアを見る度に「プリキュアありがとう…」という想いを抱いていますが、その短冊を見たときには、それはもう熱い想いが胸の奥から込み上げました。
この記事でもプリズムやレインボーフラッグなどに触れつつ若干堅苦しい考察をしてきましたが、いちばん大切なのは、子どもたちがそれを楽しめるか、子どもたちの心に大切なものを残せるかということであり、キュアコスモになりたいと書いた子が一人でもいたという事実は、それだけでもう素敵なことではないかなと思うのです。
今後もプリキュアというコンテンツが続いていくかは分かりませんが、私たちファンにできることは、プリキュアの好きなところを「好きだ」と声に出し、(お金を出しつつ)、プリキュアを応援していくことではないかなと思っています。
とりとめのない終わり方になりましたが、今日はこのあたりで。
ちなみに私は短冊にこう書くつもりです。「壁になってひかララを見守りたい」
キュアコスモが登場した20話の考察です。20話、演出や小道具の使い方が神がかっていました。
ブルーキャットが初登場したときの考察です。疑心暗鬼に陥りすぎて「マオの正体はブルーキャットではない説」とかいうとんでもない説まで考えています。
変身バンクのかっこよさといえば、カッパードさんのイケメンバンクも超絶かっこよくて思わず記事にしてしまいました。ほんとカッコいい…。
私は百合が好きです。というわけで最近読んだ百合SFアンソロジーの紹介です。
なかでも「ソ連百合」との呼び名でネット上で旋風を引き起こした小説、『月と怪物』はまさに怪物的小説で最高に尊かったです(売り切れがかなり出てるようで早速重版されたようです)。