いまさら『がっこうぐらし』を読んでいます。
時代に乗り遅れた感が満載で恥ずかしい限りです。
この作品は、次が最終巻です。
もうすぐに物語の真相が明らかになるわけです。
いまさら考察かよ、と自分でも思わなくもないんですが、自分の考えをまとめてみるという意味で、ここに書き出してみたいと思います。
この記事は、『がっこうぐらし』におけるΩの発症条件、かれら化の原因について考察したものです。
<以降、ネタバレを含みます>
1.Ωの発症(かれら化)の原因は「恐怖」という感情説
少なくとも初期のころは「空気感染」による感染で広まったとされる細菌(?)「Ω」ですが、空気感染にしてもちょっと強すぎるのではないかと思うのです。
たとえばわんわん放送局を流していた女性は、厳重にシェルターに覆われた中で生活していたわけですし、ヘリコプターに乗ったまま発症して墜落した人も、ガスマスクを装着するなど感染しないようにかなり気を付けていたはずです。
また、純粋な空気感染であるとすれば、大学編で登場したキャラクターたちが感染せずに生き延びていた理由を説明することがやや難しいんじゃないでしょうか?
いくら「ある程度の抗体はもっていた」とはいっても、ちょっと都合がよすぎるのでは? と考えてしまうのです。
つまり、「Ω」の感染方法は、確かに空気感染、血液感染などがあるかもしれないにしても、発症する条件として、何か別の要因もあるのでは、と考えたわけです。
そして、わんわん放送局の女性や、ヘリコプターの男性などは、昔に既に感染しており、あとは別の要因によって発症するのを待っていただけではないか、と考えました。
では、その別の要因とは何でしょうか?
私が考えたのは、「恐怖」です。
つまり、「Ω」が発症するためには、「恐怖」が必要である、という考察です。
※感染と発症は異なります。
ざっくりいうと、細菌などが体に入るのが「感染」、実際に症状が出るのが「発症」です。
感染していても発症しないことはあり得ます。
2.『がっこうぐらし』の作中における発症の仕方
たとえば、ストーリー上では、太郎丸などのほ乳類は「Ω」に感染し発症していましたが、アルノー鳩錦(2世)などの鳥類、虫類、魚類などについては、発症している様子がありませんでした。
これは、「かれら化」することへの「恐怖」の度合が強くないと、発症しないからだと考えられます。
もちろん虫や鳥にも恐怖という感情はあるでしょうが、知能レベルの問題として、「かれら化」することに対して重度の恐怖を覚えることはないと思うのです。
また、大学編における武闘派リーダーのタカヒト(頭護貴人)とアヤカ(神持朱夏)の対比もありました。
タカヒトは空気感染のくだりから、「自分もゾンビ化するのでは?」という「恐怖心」が明確に示された後に、「かれら化」発症の予兆が起きました。
一方、アヤカは「自分は無敵の存在」であるという屈折した認知を持っていたため、「恐怖」を覚えることなく、結果として「かれら化」することはありませんでした。
(「かれら」に噛まれて感染・発症はしたかもしれませんが)
また、くるみは「かれら」に噛まれたにも関わらず、いまだ「かれら化」することなく過ごしています。
そんなくるみも、大学編にて「かれら化」しそうになりましたが、ゆきからの励ましの言葉によって「かれら化」を免れました。
つまり、ゆきがくるみから「恐怖」を取り除いたがゆえに、くるみの「かれら化」はストップしたわけです。
以上のことから、「Ω」の発症条件としては、「恐怖」というのが重要なファクターではないかと考えます。
3.Ωの発症条件まとめ
というわけで、この記事をまとめると下記の通りです。
- Ωの発症条件は「恐怖」という感情説
- 物語の登場人物たちは、ほとんどが過去にΩに感染しており、あとは発症を待っている状態
- 完全防備していたわんわん放送局の女性やヘリコプターの男性が発症しているのに説明がつく
- タカヒトが発症し、アヤカが発症しなかったことにも説明がつく
- くるみが「かれら化」しないのはゆきが恐怖を取り除いているからでは?
がっこうぐらしについてはいろいろと考察しているんですが、Ωの正体についてうまいこと考えがまとまらず、とりあえず発症条件についての考えだけまとめてみました。
具体的には、「Ωは細菌兵器ではなく人類が会得した/会得しようとしている新機能説」や、「Ωは人類が進化の過程で身に着けていた旧機能説」なども考え中です。
また考えがまとまれば、記事にしたいと思います。
【こんな記事も書いています】