金色の昼下がり

プリキュアについて割と全力で考察するブログ

スタートゥインクルプリキュア 16話 感想 全力考察 那須ゆみかの吐いた嘘(後編)【スタプリ】

 スター☆トゥインクルプリキュア16話の感想考察(後編)です。

 後編では弓道の描写やアイワーン、那須さんあたりのことをメインに書いていきたいと思います。

 ネタバレがありますので、ご注意ください。

 

16話(前編)の考察記事はこちらから

 

※今回も長くなってしまったので、記事を2分割しています。

 

 

自分と向き合うことを忘れた時 ①まどかの矢は逸れる

香久矢まどか、矢に集中

出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第16話(C)ABC-A・東映アニメーション

 香久矢まどかさんが集中した時、周囲の有象無象は消え失せます。

 そこにいるのは自分ただ一人だけ。他の人は誰もいません。

 

 弓道は自分と向き合う武道である、と冬貴はいいましたが、極度の集中をしたとき、まどかさんはまさしく自分だけの世界に没入するのです。

 

 ところが、そんなまどかさんの世界には、突如として一人のライバルが浮き上がってきます。那須さんです。

香久矢えれな、那須

出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第16話(C)ABC-A・東映アニメーション

 

 この瞬間、まどかさんは「自分と向き合う」ことを忘れ、他人の存在に気を取られ、矢を外しそうになってしまいました。

 邪念、といってもいいでしょう。

 このときまどかさんを妨げたのは、「負けたくない」という気持ちです。

 

 予兆はありました。

 矢を外すシーンの前から、まどかさんはちらちらと那須さんのことを見ていたのです。

出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第16話(C)ABC-A・東映アニメーション

 

 余談ですが、弓道には正射必中という言葉があります。

 正しい射法で射られた矢は、必ず中るという意味なのですが、これがとてもカッコいい概念なので、ご存じなかった方はぜひ読んでみてください。

 こちらの記事で詳しく書いています。

www.konjikiblog.com

 

自分と向き合うことを忘れた時 ②ゆみかは矢を外す

 那須ゆみかさんは1人で頑張り続けてきた女の子です。

 スタプリという作品は登場するキャラクターの多くが何かしらの孤独を抱えている稀有な作品なわけですが、ゆみかさんもまた同じでした。

 

 那須ゆみかさんが1人で頑張ってきたことは否定されるべきものではないでしょう。現に、1人でも頑張り続けてきたからこそ、那須さんは決勝に進み、まどかさんをギリギリのところまで追いつめたわけです。

 

 しかし、那須さんにも邪念が忍び寄ります。

 1人で頑張り自分を信じていた那須さんは、いつしか、1人ではないまどかさんには負けたくないという邪念に囚われます。

 

 そもそも、1人で頑張ることは、弓道を極めるための方法のうちの1つでしかなかったはずです。

 しかし、那須さんは1人で頑張るという手段そのものに意味を見出してしまいました。

 

 単なる手段がそれ以上の意味を孕んでしまったとき、たいていの場合に悲劇が起こるということは歴史が教えてくれている事実であり、今回もその例に漏れませんでした。

出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第16話(C)ABC-A・東映アニメーション

 

 まどかさんに負けるということは、これまで自分が1人で孤独に頑張ってきたその過程を否定されるようなものだと、那須さんは考えてしまったのでしょう。

 だからこそ、負けたくなかった。

 だからこそ、負けたくないと思ってしまった。

 

 負けたくないと考え、自分と向き合うことを忘れてしまった那須ゆみかさん。

 那須さんの矢が的から外れてしまったのは、必然だったのです。

 

まどかは1人で頑張ってきた那須を讃える

 那須さんはこれまでずっと1人で頑張ってきましたが、負けてしまいました。

 しかし、今回の話をみて「やっぱり1人で頑張るのは駄目なんだ」と捉えるのは早計でしょう。

 

 まどかさんが、「友達に支えられている自分は負けるのではないか」という不安や葛藤に悩まされたのと同様に、那須さんもまた、「友達に支えられていない自分は負けるのではないか」という不安や葛藤に苦しんでいたわけです。

 

 とどのつまり、那須さんの敗因は、自分と向き合うことを忘れてしまったこと、自分のことを信じられなくなったことにあったのです。

 

 優勝を逃して気落ちする那須さんに、まどかさんは手を差し伸べます。

 

まどか「来年もまたここで会いましょう 必ずね」

 

 来年もここで会いましょう、という言葉の裏には、2つの意味が込められています。

  1. 来年、まどかは自分が決勝戦まで進めると信じている
  2. 来年、那須も決勝戦まで進めると信じている

 

 まどかさんは仲間や両親に支えられてきたおかげで、自分自身のことを信じることができました。

 そして、まどかさんは那須さんのことも信じているよ、というわけです。

 

 ひかるさん達とは形は違えど、これもまた立派な絆です。

 この瞬間、那須さんは自分が1人ではないことを知ります。

 自分のことを信じてくれている人は、自分以外にもいることを知るのです。

 

友達なんて必要ない、と那須ゆみか(ノットリガー)はいう

那須ゆみか「友達なんか邪魔 友達なんかいらない 1人がいちばん強いのよ!」


 アイワーンちゃん様のダークペンによってイマジネーションを塗り潰された那須ゆみかさん。

 ダークペンに心を囚われた人は、本来持っているはずのポジティブな思考をネガティブなものに変えられてしまいます。

 

 さて、那須ゆみかさんの本心が「友達は不要」であったとするなら、那須さんにとって「友達がいない」ことはポジティブなことであり、「友達がいる」ことこそがネガティブなことであったはずです。

 

 だから本来であれば「友達は素晴らしい」「友達は必要だ」といわなければおかしいのです。

 しかし、ノットリガー化した那須さんはいいます。「友達なんかいらない」と。

 これはつまり、那須さんは本心では「友達なんかいらない」なんて思っていないことを示しているわけです。

 

アイワーンが那須ゆみかの強がりを見抜いた理由

 ところで、アイワーンは何で那須さんの「友達なんかいらない」というのが強がりだとわかったのでしょうか?

 なぜ那須さんの気持ちが分かったのでしょうか?

 それは、アイワーンも同じ想いをしたことがあるからだと考えます。

 

 優れた科学の才能を持つアイワーンがなぜノットレイダーに加入しているのか、その背景は未だ明確には語られていません。

 

 しかし、これまでアイワーンが執拗なほど「想像力」を否定してきたことや今回の描写などから、アイワーンは自らの独特な想像力を否定され孤独に生きて来た経験があるのではないか、と邪推しています。

 

 こちらは、アイワーンと星奈ひかるの類似点に注目し、アイワーンのバックグラウンドについて詳しく考察・予想した記事です。

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まどかがブチ切れた理由

アイワーン「あたいに感謝しろっつーの あんたの邪魔者をノットリガーにしてやったんだっつーの」

まどか  「違います 邪魔者なんかじゃありません 彼女は素晴らしい選手です わたくしは 弓道で 彼女と決勝戦を戦いたいんです!」

 

 これはまどかさんが那須さんのことを好敵手だと認めていると明確に示された良いシーンでした。

 

 ある意味、まどかさんはこのときすでに「勝っていた」ともいえます。

 負けたくない、ということを最終目標にしているのなら、那須さんが欠場すればいともたやすく勝利を手にすることができます。

 

 しかし、それは違うとまどかさんは力強く否定します。

 これは、まどかさんが「負けたくない」という邪念を消し去ったことが示されたシーンだったともいえるのです。

 

 …とかなんとかそれらしいことをいいましたが、いちばんいいたいのはそんなことではありません。

 

めっちゃカッコよくないですかこのシーン

 

 最高に熱かったです。

 手がわなわな震わせながら弓を握りぶすところとか怒りのあまり髪の毛がぶわっとなるところとか感情が迸るあまり風がびゅおおおおと吹き荒れるところとかも激熱でした。

 まどかさんカッコいいよまどかさん。

 

ララは立ち上がるのが遅い

ララ「どうもルン」

 

 小ネタです。

 まどかさんの母・満佳の姿が見えたときのシーン。

 星奈ひかるさんと天宮えれなさんは真っ先に立ち上がって迎えるんですが、ララだけ立ち上がるタイミングが異なります。

 

 サマーンには敬語がないようですし、年上の人が来たときに立って迎えるという文化もないのかもしれません。

 

 ララは1人だけ遅れて立ち上がったのは、そうした理由があるのではないでしょうか。

 

まどかがピアノの実力を発揮する時は来るか?(来てほしい)

まどか、ピアノ優勝

出典:スター☆トゥインクルプリキュア 第16話(C)ABC-A・東映アニメーション

 これまでにも何度か描写されてきましたが、まどかさんってピアノのコンクールでも優勝するような実力者なんですよね。

 これまでは弓道がメインでしたが、今後まどかさんが超かっこよくピアノを弾く回とかもそのうち来るんでしょうか。

 

見たい。見たすぎる。

 

 今後、「音楽が大好きな惑星」とかに行くことがあれば、そしてそこで開かれる音楽コンテストの優勝商品がスターカラーペンだったりすれば、まどかさんの活躍は間違いなしですね。

 

 えれなさんとの連弾、見てみたいです。

 

 あるいは別パターンとして、えれなさんがダンス参加、マオがボーカルで参加というのもあるでしょうか。

 ララは手足と触覚あわせて6本あるので、ドラムが適任でしょう。

 ひかるさんは…みんなを元気にする役割かな?

 

今週のえれまど

ララ 「まどかすごいルン~」

えれな「去年も優勝したんだよね」

 

 えれなさんは、まどかさんが去年も優勝したことを当然のように知っています。

 

 またまどかさんの優勝が決まったとき、ひかるとララは笑顔を浮かべていますが、えれなはひとりだけ涙を浮かべています。

 

尊っ…!

 

 ひかるとララは嬉しそうな表情をしているわけですが、 えれなさんは嬉しいという感情もあるでしょうが、それ以上に「安堵」が占めているようにも思えます。

 この描写からは、心からまどかさんの優勝を願っていたこと、優勝を逃して悲しんでほしくないと考えていたことが読み取れます。

 

 他にもいろんなことが考えられそうですが、ちょっと妄想が止まらなくなってしまうので今回はこのへんで自重します。

 

 太陽と月、えれまどは対比の関係になっています。

 作中描写より、完璧超人えれなさんの弱みについての考察と1つの予想をしています。

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ひかララのシンクロ率はいつでも100%

 ひかララのシンクロ率はこれまでも100%でしたが、突然の姫ノ城さんの登場に驚いているときの驚き方が今回も今回とて100%でした。

 本当にありがとうございました。

 

 これまでひかララが描いてきた尊い軌跡を考察を加えながらまとめた記事です。

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スタプリ16話の感想考察まとめ(後編)

  • まどかとゆみかは自分と向き合うことを忘れた
  • 「友達なんかいらない」はゆみかの本心ではない
  • アイワーンもまた孤独を知っているのかも
  • まどかブチ切れシーンが最強にカッコいい
  • まどかピアノ回が来るのを正座で待機する所存
  • えれまど尊し
  • ひかララ尊し

 

 スタプリ16話の感想考察(前編)です。

 こちらでは主にまどかの父親・冬貴がいかに尊かったかについて書いています。本当に尊いんですよこのパパ。

 一見分かりにくいんですが、注意深く見ていくと次々にまどかに対する愛が出てきます。

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 スタプリは公式による見逃し配信がやっています(海賊サイトではありません)

 完全無料、会員登録の必要なしで視聴できるので、見逃してしまった、録画してないけどもう一度見たいという方はぜひチェックしてみてください。

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 あと那須さんの名前の由来は、平安時代末期の武将であり弓の名手でもある那須宗高(与一)と思われます。

 名前の由来一覧に付け加えておきました。詳細は下記の記事をご覧ください。

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 以上、スター☆トゥインクルプリキュア16話の感想や考察、分析でした。

 長々と読んでいただき、誠にありがとうございました。

 

 Twitterでもちょこちょこスタプリについてつぶやいていますので、よかったら見てみてください。(最近は9割スタプリネタ)

 

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